今日ご紹介する映画は1995年に公開された「8月のメモワール」。
ケヴィン・コスナーと「ロード・オブ・ザ・リング」でフロド役を演じたイライジャ・ウッドが主演する作品です。
原題「The War」は邦題と全然違いますが、映画を観てみるとどちらも観方によってしっくりきました。
舞台は1970年代のアメリカ、貧困や差別問題、争い事などたくさんの困難がある中、ベトナム戦争で悲惨な経験をして戻ってきた父(ケヴィン)は、息子ステュ(イライジャ)に本当の戦いとは何なのか、愛や勇気とは何かを伝えます。
子供たちを導く父親役として目立ちすぎないケヴィン・コスナーの演技がとても素敵!
そしてpockyが英語を始めるきっかけともなったイライジャの映画の中でも、「8月のメモワール」は何度も繰り返し観た一押しの作品です☆
◆ Story of “The War”◆
1970年代のミシシッピー州、貧困地域の小さい町にリディア(レキシー・ランドール)とステュ(イライジャ・ウッド)姉弟が住んでいます。
8月のある日、ベトナム戦争で深い心の傷を負った父・スティーヴン(ケヴィン・コスナー)が精神病院から帰ってきました。
やっとの思いで見つけた仕事もすぐにクビになってしまうスティーヴンは危険な石切り場で働き始めることになります。
一方で子供たちは大きな樫の木にツリーハウスを造りますが、敵対するいじめっこ集団リプニッキ兄弟とツリーハウスをめぐり争いが起こり…
◆ One Point English from “The War”◆
ステュとリディアは、それぞれ仲の良い友人達とツリーハウスを建てようと計画をします。
そして二人は目星をつけた樫の木をめぐって取り合いになってしまいました。
Stu:Hey! I’ll①race you forit. Winner gets all.
(ステュ)かけっこで勝ち負けを決めよう
Amber:You any good at running?
(リディアの友人、アンバー)勝てる?
Lidia:②I’d sooner die thanlose a foot race to my brother.
(リディア)負けるわけないでしょ
① race for ~
ここでは、ツリーハウスをめぐって競争をするので、「~のために(~を求めて)競争する」という意味使われています。
race for ~ には他にも「~のために大急ぎする、大急ぎで走る」という意味もあります。
例えば…
・race for a train/ race for a bus
列車に乗ろうと走る/ バスに乗ろうと急ぐ
② would sooner die than ~
「~するくらいなら死んだ方がましだ」という意味です。
字幕では「負けるわけないでしょ」とありますが、言葉通り訳すると「弟にかけっこで負けるくらいなら死んだ方がましよ」→「負けるわけない」となるのです。
例えば…
・I would sooner die than eat vegetables.
野菜を食べるくらいなら死んだ方がましだ。
・I would sooner die than apologize to him.
彼に謝るくらいなら死んだ方がましよ。
この“would sooner die than”という表現を使うと、絶対にそうしたくない強い気持ちを表すことができますね。
映画では最後までお互い譲らない姉弟にスティーヴンが、いがみ合わずにツリーハウスを共有するよう提案します。
姉弟の間だけでなく、たとえそれが憎い相手であっても争うことに何の意味もないのですね。
最後のリプニッキ兄弟との過激なツリーハウス争奪戦では、子供同士の争いの中にも喪失感やむなしさがありました。
大切な人やものの為だとしても誰かを傷つけて得る幸せはないのだな、としみじみ考えさせられます。
キャストの割に地味!と感じるかもしれませんが、心にジーンとくる映画なので、是非観てみてくださいね^^
Pocky