- ~ingっていろいろ意味があって紛らわしい…
- 現在分詞?動名詞?それぞれの違いが知りたい!
- 分詞構文の訳し方がたくさんあって混乱する…
私たち日本の英語学習者にとって、~ingは馴染み深い存在ですよね。
はじめて出てきたのは中1の頃。
しかし、それから何度も手を変え品を変え、いろいろな名前、さまざまな意味で再登場を果たしてきました。
「結局君の正体は何なんだ!」
馴染み深いと同時に、そんな風に叫びたくなるくらい、実体の掴めない存在。
それが~ingです。
しかし、そうやって一見ややこしく見える~ingも、基本イメージさえ理解してしまえば、驚くほど簡単に全体像を理解することができます。
そこで今回は、意外とよく分かっていない人が多い~ingについて、基本イメージをもとに進行形・動名詞・分詞構文などの各種用法に着目しながら確認をしていきます。
これを読めば、今までバラバラにしか見えなかったそれぞれの~ingが、同じものとしてスッキリ理解できるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
- ~ingの基本イメージ
- 進行形の本当の意味
- 動名詞の本当の意味
- 分詞構文の6つの意味
英語「ing」の正体は、現在分詞!
英語「〜ing」の形には名前が付いていて、「現在分詞」と呼ばれています。
この「分詞」というのは、いろいろな品詞に分かれるという意味。
そのため、現在分詞はいろいろな使い方がされ、このようにややこしい状況になってしまっているんです。
「分詞」について詳しくは、こちらの「英語の分詞とは?現在分詞と過去分詞の違いを分かりやすく解説!」をご参照ください。
英語の分詞とは?現在分詞と過去分詞の違いを分かりやすく解説!しかし、いろいろな使われ方をしているというのは、裏を返せばそれだけ「使いやすい」ということ。
そう、~ingはイメージさえ正しく理解できれば、非常に便利な存在なんです。
では、まずはそんな現在分詞~ingの基本イメージについて確認しておきましょう。
英語「~ing」の基本イメージ
~ingの基本イメージは、「今まさに~している(途中の)状態」です。
いろいろな意味で使われているように見えて、実際はどれもこのイメージのままなんです。
「いやいや、そんなまさか・・・」
そう思う人は、次の例文を見てください。
風邪をひいたので、私は昨日医者に診てもらいました。
havingという~ingの形なのに、なぜか「~ので」と理由として訳している。
「なんでやねん!」と学生時代に匙を投げた人も多いでしょう。
しかし、以下のように考えたらどうでしょう。
風邪をひいている状態で、私は昨日医者に診てもらいました。
風邪をひいている状態で、なぜ医者に診てもらうかと言えば、それは風邪を治療するためですよね。
その結果、より自然な日本語とするために「~から」という意味が適切だった、ただそれだけのこと。
そう、~ingにはいろんな意味があるわけではなく、いろんな意味の日本語に「翻訳」されてしまいがちなだけなんです。
繰り返しますが、あくまで~ingの意味は「~している(途中の)状態」ただ1つ。
これに基づいて考えれば、あらゆる~ingの説明が付いちゃいます!
一見紛らわしく見える~ingですが、その使われ方は大きく分けて以下の3種類です。
- 現在進行形
- 動名詞
- 分詞構文
1つずつ詳しく確認していきましょう。
英語「〜ing」の意味①:現在進行形
中学1年生のとき、
be動詞+ ~ing =「(今)~しています」
と、be動詞と~ingが1セットで動詞だという風に習ったと思います。
しかし、ここで使われている~ingには、「~している(途中の)状態」というイメージがそのままに活きているんです。
たとえば、以下の例文を見てください。
彼はとても親切です。
We are in Japan.
私たちは日本にいます。
She is a good tennis player.
彼女は良いテニス選手です。
これら3つの例文に共通するのは、どれもbe動詞を使っているということです。
be動詞の意味するところは「イコール」なので、上記の例文は以下のように捉えることができます。
彼=とても親切
We are in Japan.
私たち=日本の中
She is a good tennis player.
彼女=良いテニス選手
現在進行形についても、これらと同じです。
主語と~ingがbe動詞で繋がれているということは、「主語=~している(途中の)状態」ということ。
それが日本語っぽく翻訳された結果、現在進行形として定着したんです。
彼=英語を勉強している状態
⇒彼は勉強しています。
今まさにカリカリ机で勉強している状態、それと彼が完全に同化しているイメージです。
祖母=少年と話している状態(そのとき)
⇒私の祖母はそのとき少年と話していました。
過去進行形でも同じです。
話者の頭では、祖母と少年が話している真っ最中な情景がありありと浮かんでいます。
彼ら=空港に着いている途中の状態」
⇒彼らはもうすぐ空港に着きます。
空港に「着く」というのは一瞬の出来事です。
それが「着いている途中」ということは、これから着くという未来を表していることになります。
このような「近い未来を表す進行形」などという例外も、このイメージを使えばスムーズに理解できますよね。
「現在進行形」については、こちらの「英語で現在進行形とは?進行形にできない動詞の理由をわかりやすく解説!」でさらに詳しく解説しています。
ぜひご参照ください。
英語「〜ing」の意味②:動名詞
「~すること」という意味で使われる動名詞。
はじめて習ったときは「なんで進行形と同じ形なのに、意味が違うの?」と思った人も多いと思います。
これについても、やはり基本イメージは同じ「~している(途中の)状態」です。
以下の例文を見てください。
私は<自動車を運転している状態>が好きだ
⇒私は自動車を運転することが好きです。
Speaking English is difficult for me .
<英語を勉強している状態>は私にとって難しい
⇒英語を勉強することは私にとって難しいです。
The machine stopped working.
その機械は<動いている状態>を止めた
⇒その機械は動きを止めました。
以上の3つの例文に使われている~ingは、すべて動名詞です。
いかがでしょう。
動名詞だからといって何か特別な意味があるわけではなく、進行形で見たときと同じイメージで理解可能ですよね。
動名詞と現在分詞は厳密には違う品詞です。
しかし表す意味はほとんど変わらないため、「~ing=現在分詞」という根本は変わりません。
「動名詞」については、こちらの「【ゼロから学ぶ】動名詞と不定詞の違いは?使い分けや見分け方を徹底解説!」でさらに詳しく解説しています。
ぜひご参照ください。
さて、残すはあと「分詞構文」のみ。
しかし、分詞構文はたくさんの意味(のように見えるだけですが)があって特にわかりにくいので、一旦見出しを分けましょう。
依然として大切なのは「~している(途中の)状態」というイメージです。
それでは、ここまでがOKな人は次に進んでいきましょう!
英語「〜ing」の意味③:分詞構文
分詞(現在分詞と過去分詞)を使って2つの文を繋げることを「分詞構文」と呼びます。
はじめに挙げた以下の例文も、実は分詞構文が使われていました。
風邪をひいたので、私は昨日医者に診てもらいました。
この文では「~ので」と理由として訳されていますが、分詞構文の日本語訳のパターンは、だいたい以下の6つに分かれます。
- 時(~とき)
- 原因・理由(~ので)
- 条件(~ならば)
- 譲歩(~けれども)
- 結果(…そして~)
- 付帯状況(~しながら)
「こんなに覚えられない!」、そう思った人も安心してください。
私も覚えていませんし、ネイティブなんて意味が6つに分かれることすら知らないでしょう。
何度も繰り返すようですが、~ingのイメージは「~している(途中の)状態」で、それ以上でも以下でもありません。
それを自然な日本語にしようとした結果、6種類の「翻訳」の仕方が生まれただけなんです。
では、6つそれぞれに訳される場合を、例文を踏まえて確認していきましょう。
①時(~とき)
写真を見ている状態で、子供時代を思い出した
⇒「その写真を見たとき、私は自分の子供時代を思い出しました。
見ている状態で思い出すことから、「~とき」という日本語に訳すのが最も自然ですよね。
とはいえ、人によっては「写真を見たから」と訳す方が自然に感じる人もいるでしょう。
それはそれで正解です。
どちらかが正しく、どちらかが間違っているということはないので、ある程度好きに解釈してしまって大丈夫ですよ。
文法はあくまで英語理解の助け。
あまりがんじがらめに捉われないようにしましょう。
②原因・理由(~ので)
することが何もない状態で、早く家に帰った
⇒することがなかったので、私は早く帰宅しました。
「することがない状態」と「早く家に帰る」を繋げるには、理由と考えるのが一番自然ですね。
「何もすることないなー」と思いながら家路を歩いている様子が目に浮かびます。
このような文はbecauseやsoを使って以下のように書き換えることも可能です。
I had nothing to do, so I got home early.
とはいえ、書き換えてしまうと因果関係が明確な表現になるため、若干ニュアンスは変わります。
分詞構文らしい「~している状態」というフワッとしたイメージも大切にしたいですね。
③条件(~ならば)
右に曲がっている状態で、本屋が見つかる
⇒その角を右に曲がると、その本屋がありますよ。
角を曲がると、視線の動きにしたがって本屋がだんだん視界に入ってくる、そんな情景が浮かべば~ingのイメージはバッチリです。
whenを使って以下のように書き換えることも可能です。
④譲歩(~けれども)
近くに住んでいる状態で、息子はめったに来ない。
⇒息子は私たちの家の近くに住んでいるけれども、滅多に会いに来ません。
近くに住んでいる状態であれば、順当に考えれば「会いに来る」のが自然ですよね。
しかしseldomが付いて否定されているため、譲歩や逆説を表す「~けれども」で訳すと自然な日本語になります。
書き換えるなら、although (though)を用いると近い印象になります。
⑤結果(…そして~)
嵐が街に直撃した、被害を引き起こしている状態で
⇒嵐が街を直撃し、大きな被害をもたらしまし。
このように~ing部分が後ろにまわっている場合、話し手はそれを強調しようとしています。
そのため、「そして~」と結果を強調するように訳してあげるとしっくり来る日本語になりますよ。
書き換えたい場合は、andを使って以下のようにすると近いニュアンスになります。
⑥付帯状況(~しながら)
微笑んでいる状態で、母は手を伸ばした
⇒明るく微笑みながら、母は私に手を伸ばしました。
「微笑む」という行為と「手を伸ばす」という行為は、まったく同時に行われていて、どちらが先、どちらが結果といった関係はありません。
こういう場合は「~しながら」と訳してあげると、近いニュアンスの日本語にすることが可能です。
これを他の表現に書き換えようとすると、むしろややこしい言い回しになってしまいがちです。
そのため、この付帯状況こそが、一番分詞構文らしい言い回しと言っても良いかもしれません。
英語の「〜ing」の付け方を解説
次に英語の「〜ing」の付け方を解説します。
「〜ing」の付け方は、大きく下記の4つです。
- 一般動詞の語尾に「〜ing」をつける)
- 「e」で終わる場合は「e」をとって「〜ing」をつける
- 短母音+子音で終わる一般動詞は語尾の1文字を重ねる
- 「ie」で終わる一般動詞は「ie」を「y」に変えて「ing」をつける
それでは、順番に見ていきましょう。
一般動詞の語尾に「〜ing」をつける)
通常は一般動詞の語尾に「〜ing」をつけるだけで良いです。
・eat→eating
・hold→holding
・open→opening
・read→reading
「e」で終わる場合は「e」をとって「〜ing」をつける
動詞の最後が「e」で終わる場合は、「e」を取って「〜ing」をつけます。
・write→writing
・close→closing
・have→having
・make→making
短母音+子音で終わる一般動詞は語尾の1文字を重ねる
短母音とは、短くaiueoと発音する母音のことで、短母音+子音の場合は語尾の1文字を重ねる必要があります。
・cut→cutting
・sit→sitting
・win→winning
・hit→hitting
「ie」で終わる一般動詞は「ie」を「y」に変えて「ing」をつける
動詞の語尾が「ie」で終わる場合は、「ie」を「y」に変えて「〜ing」をつける必要があります。
・die→dying
・tie→tying
まとめ
いかがでしたか。
~ingは一見いろいろな使い方・意味があるように感じられますが、その根底にあるのは「~している(途中の)状態」という基本イメージです。
どの用法であっても、このイメージさえ掴んでいれば応用していくことが可能になります。
~ingは英語で表現していくうえで欠かせない必須表現です。
今回ご紹介したことを参考に、ぜひいろいろなシチュエーションで使いこなしてください。
また、英語を独学するときは「【完全ガイド】英語独学 – 大人になってからのムダのない独学用教材!」の動画がおすすめです。
社会人で時間がない方は必見の内容なので、ぜひチェックしてみてください。
それでは、引き続き楽しんで英語学習を続けていきましょう。
Let’s enjoy!!
コメントを残す