- 仮定法ってifじゃないの?
- 今のことなのに、何で過去形なのかわからない。
- 仮定法過去と仮定法過去完了、何がどう違うの!?
英語学習している人
「仮定法」何ででしょうか。名前からして難しそうですよね。
なんだか哲学的な響き・・・。英語が嫌いだった私も、はじめて聞いた時は、その名前のカッコよさに心躍ったものです。
日向秀仁
しかし、蓋を開けて愕然!訳のわからない用語のオンパレード!!
仮定法過去?過去完了??直説法???
「まあ、仮定の話だし、わからなくても支障ないでしょ」
そう思って心の蓋を閉じたのは、私だけじゃないはず・・・。
しかし、そんな仮定法。今年の改定で、中学英語に下りてきたそうです。
ということは、中学生にもわかる、つまり、私たちが思っているほど難しくないのでは!?
そうなんです。仮定法は、その名前からとっつきにくさがありますが、実はそれほど難しいものではなく、何より、とても魅力に溢れた表現方法なんです。仮定法を使いこなせれば、あなたの英語表現の幅は増え、より深みのある自己表現ができるはずです!
この記事では、英語がニガテだった私が、英語初心者でも安心して学びなおせるよう、仮定法をわかりやすく解説します。仮定法の意味、よく使われる「仮定法過去」、「仮定法過去完了」の違いやなども例文つきで分かりやすくまとめました。仮定法についてお悩みの方は、0から一緒に学べますよ!
仮定法とは?
いきなりですが、「仮定法って何?」と言われたら、何と答えますか?
おそらく、「ifがついているあれですよね・・・・」と答える方が多いのではないでしょうか。
これ、半分正解で、半分間違いなんです。
まず覚えておきたいのが、ifが付いていれば仮定法だとは限らないということです。
では、仮定法とは何なのか。
それは、「現実にあり得ないこと、現実とは反対のこと」を表現する方法です。
いきなりややこしいですね。
この文章は仮定法ではない!
日向秀仁
If it is sunny tomorrow, I will go shopping.
「明日晴れたら、私は買い物に行きます」
ifが付いていますが、この文は仮定法ではありません。
何故かというと、「明日晴れたら」というのは、現実に起こり得ることだからです。
現実にあり得ることを話す場合、それは仮定法とは呼ばないんです。
×If it is sunny today, I will go shopping.
「今日晴れていたら、私は買い物に行きます」
では、こちらの文ではどうでしょう?
今回は、「今日晴れていたら」と仮定をしていますが、これは現実とは反対のことだとわかります。実際に晴れているときに、このような仮定をする必要は無いですよね。
しかし、この書き方では、先ほどの文と今回の文、どちらも同じように映ってしまいます。
「え、今晴れてなくない!?」などと、ツッコミを入れられてしまうでしょう。そのため、この文は正しい文とは言えません。
時制をずらすことで仮定法になる
では、「現実にはあり得ないこと、現実とは反対のこと」を表現するには、どうすればいいのでしょう。
それはズバリ、「時制を1つズラす」ことです。
If it were sunny today, I would go shopping.
「今日晴れていたら、私は買い物に行くのに」
こちらが、先ほどの文を正しく書き換えたものになります。
現実にはあり得ないことを話す場合には、相手に違和感を与え、「これは現実の話じゃなくて、仮定の話ですよ」という意志表示をする必要があります。そのために英語では、時制を実際のものから1つズラすんです。
そのため、この文では今日のことを仮定しているので、時制が現在から1つズレて過去形になり、is⇒were、will⇒wouldと変化しているんです。
※「isの過去形はwasだから、”If it was~”の方が適切ではないか」
そう思われる方もいらっしゃると思います。しかし、この過去形は仮定法だということを示すための目印みたいなものなので、違和感を出すために、あえてwereを使っています。
日向秀仁
一旦まとめると、以下の2点がポイントです。
- 仮定法は「現実にあり得ないこと、現実とは反対のこと」を表す
- 仮定法では、「時制を1つズラす」
では、これらの点を意識して、実際の仮定法の使い方について、一緒に学んでいきましょう。
仮定法過去と、仮定法過去完了
現実にあり得ないことを表す仮定法ですが、その表す内容は、主に以下の2つです。
- 「今~だとしたら、・・・なのになあ」(今の現実の反対)
- 「過去~だったとしたら、・・・だったのになあ」(過去の現実の反対)
そして、先ほど学んだように、仮定法はそれぞれ時制を1つズラします。したがって、使う時制はそれぞれ以下のようになります。
- 今の現実の反対⇒「今」から1つズレて「過去形」
- 過去の現実の反対⇒「過去」から1つズレて「過去完了形」
このことから、仮定法には2種類の用法が生まれます。
それが、「仮定法過去」と、「仮定法過去完了」なんです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
仮定法過去:例文をつけてわかりやすく解説!
仮定法過去では、今目の前にある現実の反対が描かれます。そのため、使われる時制は過去形。例文で見てみましょう。
If I were a bird, I could fly in the sky.
「もし私が鳥だったら、空を飛べるのになあ」
私が鳥であるはずは無いので、これぞ仮定法という感じの文ですね。
動詞の時制が、前も後ろも過去形になっていることに注目してください。
また、ifがついていない方(主節)には、「・・・なのになあ」という気分、ムードを表すため、動詞の前に助動詞が付きます。
日向秀仁
- would「~だろうなあ」(willの過去形)
一番よく使われ、仮定法助動詞の基本型。 - could「~できるのになあ」(※canの過去形)
できるという意味を付け加えたい時に使われます。 - might「~かもしれないなあ」(※mayの過去形)
仮定法とはいえ、ちょっと自信が無い時に使われます。
それぞれ、例文で確認しておきましょう。
If he was here, it would be more fun.
「もし彼がここにいたら、もっと楽しいのになあ」
※ここでのitは状況を表すので、特に訳出しません。”It is sunny.”のitと同じです。
If I had a lot of money, I could buy a new car.
「たくさんお金を持っていたら、新車が買えるのになあ」
If we lived in another country, we might be happier.
「もし他の国に住んでいたら、もっと幸せなのかもなあ」
とはいえ、この3つの助動詞、使い分けなどは気にする必要ありません。
どれを使うかは、話す人の気分(ムード)次第。
まずは細かな違いなど気にせず、自由に使っていきましょう。
仮定法過去完了:例文をつけてわかりやすく解説!
仮定法過去完了では、過去にあった現実の反対が描かれます。
そのため、使われる時制は過去完了形で、「had + 過去分詞」。
ifのついていない主節の方は、「助動詞の過去形 + have + 過去分詞」となります。
日向秀仁
If I had been a bird then, I could have flown in that beautiful sky.
「もしあの時わたしが鳥だったら、あの美しい空を飛ぶことができたのになあ」
仮定法過去で挙げた例文とほぼ一緒ですが、時制が過去完了形になっているのをご確認ください。
また、仮定法過去完了では、このように「あのとき」などと過去を明示する目印が付くことがあります。具体的な過去の情景を思い浮かべて、「ああ、あのとき・・・」というイメージですね。
もう少し例文で確認しておきましょう。
If he had been here at that time, it would have been more fun.
「もし彼があのときここにいたら、もっと楽しかっただろうなあ」
If I had had a lot of money last month, I could have bought a new car.
「先月たくさんお金を持っていたら、新車が買えたのになあ」
If we had lived in another country, we might have been happier.
「もし他の国に住んでいたら、もっと幸せだったかもなあ」
※このように、過去の目印が無いこともあります。
3つの助動詞については、仮定法過去のとき同様、気分(ムード)次第です。
また過去の目印も、必ず付けなきゃいけないわけではありません。
絶対のルールは無いので、まずは是非気軽に仮定法を使ってみてください!
ちょっと応用(「基本だけ!」という方は読み飛ばしてOKです)
仮定法過去と仮定法過去完了を混ぜ合わせた、こんな表現もあります。
If I had studied more in my school days, I would not be like this now.
「学生時代もっと勉強していたら、今こんな風にはなってないのになあ」
ここでは、if節では過去の反対「仮定法過去完了」が使われ、主節では現在の反対「仮定法過去」が使われています。このように、用法をミックスすることで、より幅広い表現が可能となります。是非、使ってみてください。
ifを使わない仮定法
また、仮定法だからといって、ifが必ず必要ということもありません。そのため、ifを省略し、”I wish ~”「~ならなあ」という願望を表す表現も存在します。
I wish I could speak English. 「英語が話せたらなあ」
I wish I had met you earlier. 「あなたともっと早く会ってたらなあ」
このとき、”I wish ~”の後ろは、仮定法過去、過去完了問わずに入れることができます。また、助動詞があっても無くてもOKと、かなり自由に使うことができるので、実際の会話では重宝する表現なんです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、「仮定法」について、基本からおさらいしていきました。
苦手に思っている方が多い「仮定法」ですが、「現実であり得ないこと、現実の反対」を表すということが掴めれば、あなたの英語の幅は広がり、より深い表現ができるようになるはずです。
今回学んだことをもとにして、改めていろいろな文章と触れることで、是非「仮定法」を使いこなしていきましょう!!
Let’s enjoy!!
日向秀仁
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