- 関係副詞って、関係代名詞と何が違うの?
- 副詞って、なんか意味が掴みづらくて苦手。
- where, when, why, howの使い分けが知りたい!
中学英語のラスボス的存在だった「関係代名詞」。
高校に入ると、それの発展形として「関係副詞」が出てきました。皆さん覚えていますか?
「関係代名詞ですら頭を悩ませていたのに、その発展形なんて・・・」
そう思って無意識に記憶から消去しようとしている人もいるかもしれませんね。
しかし、関係副詞は実際の英会話では必須!いろいろな会話で自然と使われるため、知っていると知っていないとでは、表現できるものに大きな違いが出てきます。
そこで今回は、そんな英文法界の隠れた嫌われ者「関係副詞」についてゼロから確認していきましょう。これを読めば、関係副詞の正体が掴めて、積極的に使えるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
- 関係○○詞の意味
- 関係副詞の使い方
- 関係副詞where, when, why, howの使い方と違い
- 関係副詞の省略
関係副詞と関係代名詞の違いは?
関係副詞というのは、「関係詞」という役割と「副詞」という役割、2つの役割を同時にこなす品詞です。
似た名前のもので「関係代名詞」というものがありますが、こちらは「関係詞」と「代名詞」の役割を一人二役しています。
関係副詞を理解する上で、関係代名詞についての理解は必ず役立ちます。
こちらの「関係代名詞の「主格・目的格・先行詞」を例文を用いて分かりやすく解説!」も確認しておいてください。
関係代名詞の「主格・目的格・先行詞」を例文を用いて分かりやすく解説!それでは、関係副詞の材料である「関係詞」と「副詞」について、それぞれの意味をおさらいしておきましょう。
そもそも関係詞とは?
関係詞に含まれる「関係」という言葉は、普段の生活でも使う馴染み深いものですよね。
この言葉の意味は、端的に言えば「2つ以上のものごとの繋がりを示す」というもの。
例えば、ドラマなどで「彼はその事件に関係している」と言った場合、彼と事件との間に繋がりがあるという意味ですよね。
では、文法における「(2つ以上の)ものごと」とは何かというと、具体的には単語や文のことです。
そのため、関係詞というのは「2つ以上の単語や文の繋がりを示す」役割を持っているということになります。
ただ、文法用語で「2つ以上の単語や文の繋がりを示す」役割というと、接続詞が頭に浮かぶ人も多いかと思います。その結果、「関係詞と接続詞って何が違うの?」という疑問が出てくるのも至極当然のこと。
結論から言ってしまうと、関係詞と接続詞、これらの役割はほとんど同じだと思って大丈夫です。
(※厳密には、関係詞は単語同士を繋ぐことはできません)
では、どうして2つの名称が存在するのか。
その理由は、一人一役のときには「接続詞」、一人二役のときには「関係〇〇詞」という形で呼び分けている、ただそれだけのことだったんです。
関係〇〇詞⇒「2つ以上の文の繋がりを示す」役割+〇〇詞の役割
接続詞と同じ役割を持っているのだから、「接続〇〇詞」とでも命名してくれれば良かったのですが、そこは文法用語にありがちなお役所仕事、融通が利きません。
一度ついてしまった名前に文句を言っても仕方がないので、ひとまずは「関係≒接続」という関係を覚えておきましょう。
「接続詞」について詳しくは、以下の「今更聞けない英語の「等位接続詞」と「従属接続詞」の違いとは?」でも解説していますので、是非ご参照ください。
今更聞けない英語の「等位接続詞」と「従属接続詞」の違いとは?さて、ここまで便宜的に「関係詞」という言い方をしてきましたが、実際には必ず「関係〇〇詞」という形で、もう一つの役割である「〇〇詞」とセットになっています。
そのため、今後「関係詞」というワードを見た場合には、「ああ、一人二役しているんだな」と思っていただければOKです。
※実際には「関係〇〇詞」の形で使われる
今回ご紹介する「関係副詞」に関しても、接続詞と同じ「2つ以上の文の繋がりを示す」という役割と、「副詞」の役割の両方を担っています。
では、「副詞」とは何なのか。それについても詳しく見ていきましょう。
そもそも副詞とは?
副詞というのは、他の単語や文を修飾する言葉です。
「修飾」というのは、「意味を付け加える」という意味。たとえば、以下の例文を見てください。
私はとてもお腹が空いています。
この文において、veryという単語が副詞です。veryはhungry(空腹だ)という単語を修飾しており、「どのくらい空腹なのか?」という意味を付け加えています。
私の母は毎日花に水をやります。
この文ではevery dayが副詞として働いています。ここではwater(動詞だと「水をやる」という意味)を修飾していて、「どのくらいの頻度で水をやるのか?」という意味を付け加えています。
私は車で会社に行きます。
「前置詞+名詞」(前置詞句)も、副詞として使われることが多いです。ここではby carのまとまりが「どうやって行くのか?」という意味を付け加えています。
「前置詞」については、こちらの「英語の前置詞の「in / at / on」の使い分けと違いをイメージで解説!」で更に詳しく説明していますので、是非ご参照ください。
このように、副詞というのは他の単語を修飾し、意味を付け加える役割があります。
「副詞」と、似た意味を持つ「形容詞」について、それぞれ以下の記事で更に詳しく説明しています。
理解が不安な人はこちらで是非確認しておきましょう。
英語の関係副詞とは?
ここまでの内容をまとめると、関係副詞というのは、関係詞(≒接続詞)と副詞の役割を同時にこなす、一人二役の品詞です。
接続詞の役割は「2つ以上の単語や文の繋がりを示す」ことで、副詞の役割は「他の単語や文に意味を付け加える」ことでした。
それらが組み合わさって「関係副詞」となると、「2つ以上の単語や文を繋いで、かつ他の単語や文に意味を付け加える」といった意味になりそうですが、どうでしょう。役割が漠然としていて、なんだかよくわかりませんね。
でも大丈夫です。実際の関係副詞はそんなに漠然とした役割ではなく、以下のような限定された意味を表します。
関係副詞が繋ぐのは「文と文」で、意味は「場所・時間・理由・方法」の4種類だけ。このように見ると、一見ややこしい関係副詞も、そんなに難しくなさそうですよね。
意味が4種類しかないということで、関係副詞と呼ばれる単語も4種類しか存在しません。それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。
関係副詞①:where
まずはwhere。この単語は「どこ?」という疑問を表す疑問詞としても有名ですね。
「どこ?」といえば、場所を尋ねる決まり文句です。そのため、関係副詞whereも「場所」を表します。
これは私の兄が住んでいる家です。
この文において、関係副詞whereは”This is the house”という文と”my brother lives”という2つの文を繋いでいます(接続詞の役割)。また、後ろの文(厳密には節)においては、「私の兄はそこに住んでいる」の「そこに」に相当する意味を担っています(副詞の役割)。
このように、関係副詞whereは「場所」に関係するという点がポイント。そのため、すぐ直前に来る名詞(先行詞)には、場所を表すものが来ます。
(※関係副詞によって繋がれた2つの文は、厳密には「節」と呼びます。しかし、ここでは文法用語はそれほど重要ではないので、今後はすべて「文」と呼んでいきます)
例文で確認しておきましょう。
インドは私がいつか訪れたいと思っている国です。
That is the supermarket where my mother works.
あれは私の母が働いているスーパーマーケットです。
I want to go to the country where no Japanese people live.
日本人が1人もいない国に行きたいです。
関係副詞②:when
続いてはwhen。こちらも「いつ?」という時間に関する疑問を表す用法が有名ですね。
そのため、関係副詞の場合にも、whenは時間に関する役割を果たします。
あなたが私の家に来られる時間を教えてください。
この文において、関係副詞whenは”Please tell me the time”という文と”you can come to my house”という文を繋ぎ、後ろの文では「私の家にあなたはそのとき来られる」の「そのとき」、つまり時間に相当する部分を表します。
そのため、すぐ直前にある名詞(先行詞)は必ず「時間」に関係するものが来ます。
例文で確認していきましょう。
彼女に初めて会った日のことを覚えています。
I love spring when the weather is warm.
天候が暖かい春が好きです。
I will never forget the days when I went to Canada with my friends.
友達とカナダへ行った日々を、私は決して忘れないでしょう。
関係副詞③:why
3つ目はwhyです。こちらは「なぜ?」という理由を表す疑問詞として有名ですね。
そのため、関係副詞として使う場合にも理由を表すのですが、ちょっと注意点があります。
それは、先述の「場所」を表すwhere、「時間」を表すwhenのそれぞれが、それに対応する名詞をたくさん持っていたのに対して、whyは「理由」、つまり”reason”という単語にしか対応しないということです。
when=「時間」→time, spring, January, day, week, year等、さまざまな「時間に対応可能
why=「理由」→理由を表すreasonのみに対応
そのため、関係副詞whyが使われる場合、先行詞は必ずreasonとなります。
彼は10年間ピアノを弾いています。これが、彼がそんなに上手にピアノを弾ける理由です。
これにある程度慣れてくると、「reasonが来たらwhy、whyがあるということはreason」といったように、それぞれの出現がわかり切ってきます。英語では、わかり切ったことをわざわざ書くのを嫌う傾向があるので、その結果ここに省略が起きることが多いんです。
=My father has a meeting today. That’s the reason he is not here now.
=My father has a meeting today. That’s why he is not here now.
「私の父は今日会議があります。それが、彼が今ここにいない理由です」
関係代名詞whyを使う場合は、このようにどちらかを省略する方が一般的です。
ぜひ慣れておいてください。
※先述のwhere, whenも省略すること自体は可能です。
関係副詞④:how
最後がhow、こちらは「どうやって?」などの方法を表す疑問詞として有名です。
関係副詞として使う場合もやはり方法を意味するのですが、方法といえば(the) wayという名詞もあり、実はこの2つ、全くと言って良いほどに同じ意味なんです。
そのため、関係副詞howの先行詞として(the) wayを置いてしまうと、全く同じ意味の単語を二度並べてしまうことになり、かえって不自然なんですね。
その結果、howを使う場合には、「howか(the) wayいずれかを必ず省略しなければいけない」というルールが生まれました。
使う際には、どちらかを必ず省略しなければいけない
先ほどのthe reasonとwhyは「理由」と「なぜ?」といった形で、一応は意味が違っていましたが、こちらは全く同じであるため、省略が必須になったようです。
例文を確認しておきましょう。
=I like how he talks.
×I like the way how he talks.
私は彼の話し方が好きです。
=This is the way you use the computer.
×This is the way how you use the computer.
これがそのコンピュータの使い方です。
以上をまとめると、以下の表のようになります。
まとめ
いかがでしたか。
関係副詞はwhere, when, why, howの4種類しかありません。
最初こそ難しく感じられるかもしれませんが、慣れてしまえばそれほど難しいものではありません。むしろ、使いこなすことができれば表現できる英語の幅が増え、より英語での会話を楽しめるようになるはずです。
今回ご紹介したことを参考に、ぜひ関係副詞の奥深い世界をもっと学んでみてください。
それでは、今後も楽しんで英語学習を続けていきましょう。
Let’s enjoy!!
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