こんにちは!
今回記事を担当させて頂く「b わたしの英会話」の日向と申します。
今回は助動詞にも慣れてきた頃に出てきた「must」と「have to」についてです。
「しなければならない」と強気な意味なのかと思いきや、「しなくてもよい」と当たりが弱くなることもあり、つかみにくい印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
この記事では
・「have to」って助動詞なの?動詞なの?
・「must not」と「don’t have to」の意味が覚えられない
と思っているあなたに向けて、今回の記事では紛らわしい「must」と「have to」について、ゼロから説明をしていきます。
これらの表現の意味と、その違いが理解できれば、より生き生きとした英語表現ができるようになりますよ!
日向秀仁
統一模試で偏差値30台を出すことも・・・。
高校時代に、英語が分からな過ぎて一念発起。
独学で学び始めて1年後、模試の偏差値は80に乗ることも。
苦手を得意にしたその経験を活かし、大学在学中より学習塾での講師として、数多くの中学生や高校生を指導。
英語が嫌いな気持ちが誰よりもわかるからこそ、暗記に頼らない、何故がわかる英語学習をモットーに活動を続けています。
【前提】助動詞と準助動詞を理解しておこう
「must」は助動詞という品詞で、その仲間としては他に「can、may、will、shall、should」などが挙げられます。
これら助動詞の特徴は、以下の2つです。
②動詞に意味を付け加える
このうち、①も助動詞全般に関わるルールとして大切ですが、今回特に重要なのが②の「動詞に意味を付け加える」という点です。
この「意味」というのは、たとえば「will」であれば「~だろう(意志がある)」、canであれば「~できる」などとその助動詞ごとに決まっていますが、その共通点は主観的だということです。
私は上手にサッカーをすることができます。
このように言った場合は「サッカーが上手にできる」というのはあくまで、この話し手「I(私)」の主観でしかありません。
主観というのは、その人から見た物事の見え方です。
そのため極端に言ってしまえば、周りから見たら上手ではない、そんなこともあり得ます。
準助動詞とは?
その一方で助動詞に相当する表現である、「準助動詞」と呼ばれるものがあります。
「can」に対しては「be able to」、「will」に対しては「be going to」がこの準助動詞にあたります。
これら準助動詞の特徴は、その意味が「客観的」、つまり誰から見ても明らかであるということです。
私はとても上手にサッカーをすることができました。
「can」が主観的であったのに対して、「be able to」は客観的な「~できる」を表します。
そのため、この文では話し手の「I(私)」のサッカーの腕前が本人だけでなく、周囲から見ても上手なものであったことが分かります。
「must」と「have to」の違いをわかりやすく解説
さて、お待たせしました。
この「助動詞」と「準助動詞」の考え方を踏まえた上で、今回のテーマである「must」と「have to」の違いについて確認していきましょう!
助動詞「must」の意味とは?
助動詞「must」といえば「~しなければならない」という意味が有名です。
しかし、場合によっては「~に違いない」となることもあるなど、その見分け方が難しいところです。
助動詞「must」の基本イメージは「100%絶対」です。
とはいえ、あくまでその意味は「主観的」であって、誰から見ても絶対な訳ではありません。
あくまで、話し手から見て「100%絶対」という非常にわがままな助動詞。
それが「must」の正体です。
会話の中でmustの意味がよくわからなくなった場合には、とりあえず「100%絶対」と考えてしまえばOKです。
もし日本語に訳す必要がある場合には「100%絶対」と捉えた上で、その後適切な日本語訳に置き換えれば問題ありません。
では、具体的な例文で確認してみましょう。
あなたはその部屋を掃除しなければいけません。
「あなたは100%絶対その部屋を掃除する」という話し手の意見が主張されています。
とはいえ、あくまで話し手個人の意見なので、あなたが部屋を掃除しなければいけない理由があるとは限りません。
次の例文を見てみましょう。
彼はジョンに違いありません。
話し手が彼を見て「100%絶対ジョンだ」と確信している様子を表しています。
とはいえ、あくまでそのように確信しているだけなので、本当はジョンではなく、他人の空似である可能性もあります。
次の例文をチェックしてみましょう。
全ての乗客はシートベルトを着用してください。
飛行機の座席によく書かれている注意書きです。
「シートベルトの着用は主観的か?」と疑問に思われた方はいらっしゃいますか。
そう、これはルールであり、主観的な命令とは言えません。
では、なぜ「have to」ではなく「must」が使われているのかと言うと、話し手が企業だからです。
話し手が個人ではなく企業やお店、国などの組織の場合には、彼らの主観がその場でのルールになりますよね。
ちょっと応用的な「must」の用法です。
準助動詞「have to」の意味とは?
「must」に相当する準助動詞が「have to」です。
「have」はもともと「持っている」という意味の動詞ですね。
後ろの「to (do)」は「~すること」を表す不定詞なので、「have to」を直訳すると「~することを持っている」という意味になります。
「するべきことを持っているのだから、しなければならない」
これがhave toの基本イメージとなります。
また、助動詞「must」が「100%絶対」という主観的な意味を持っていたのに対して、準助動詞である「have to」は客観的な意味を持っています。
そのため、同じ「~しなければならない」であっても、have toの場合には明確な理由があることが多いんです。
あなたは今出発しなければなりません。
「have to」は客観的な必要性を意味します。
そのため、このように言われた場合には、早く出発しないと何かしらのデメリットがあることが予感されます。
時間に間に合わなくなるのか、敵に見つかってしまうのか、いずれにしろ言う通りにした方が良さそうですね。
私は新しい車を買う必要がありました。
「must」と違って「have to」には「had to」という過去形があり、過去にあった必要性についても表現することができます。
「新車なんて贅沢だ」と思うかもしれませんが、車通勤の方で、車が壊れた場合を想像してみましょう。
そのような状況では、誰もが「新しい車を買った方がよい」と考えますよね。
このように、誰から見ても必要性が明らかな状況の場合には「have to (had to)」が使われます。
次の例文をチェックしてみましょう。
トーナメントのために、もっと練習しなければいけない。
「practice(練習する)」といったら、とても主観的な行為に感じますよね。
しかし、トーナメントとあることから、練習をするか否かが、チームメイト全体の成否に関わってくることが窺えます。
「あなたや私だけでなく、全員のために」、そんなチーム精神が感じられる一文です。
否定文「must not」と「don’t have to」の違いは?
「must」と「have to」には、主観的か客観的かという違いがあったものの、大筋では「~しなければならない」と同じような意味でした。
しかし、否定形になると様相は一転。
全く異なる意味になってしまいます。
でもご安心を!
これらの否定形に関しても、同じ基本イメージを使うことでしっかり理解することができちゃうんです。
それでは、見ていきましょう!
「must not(mustn’t)」の意味とは?
「must not」は、「~してはいけない」という意味です。
ここでも大切なのが、先程と同じ「100%絶対」というイメージ。
「not」というのは、言ってしまえば「ダメ」ということですよね。
つまり、must notというのは「100%絶対ダメ!」と言い切っているに過ぎないんです。
そう考えると、なんだかワガママを言っているようで、途端に親近感が湧いてきませんか?
例文を見てみましょう。
あなたはこの箱を開けてはいけません。
「100%絶対に開けちゃダメ!」ということですね。
大切なものが入っているのか、サプライズのプレゼントが入っているのか、その理由は話し手の主観に委ねられているのでわかりません。
次の例文をチェックです!
この公園では、自転車に乗ってはいけません。
「must not」となった場合にも、その強制力は変わりません。
「100%絶対ダメ」といったイメージで、禁止を表します。
ちなみに、この文の話し手は公園内の看板、つまり公園の経営者です。
そのため、飛行機の場合と同じように、その場でのルールを語っています。
うかつに破って自転車に乗ってしまうと、反則金などを取られても文句は言えません。
「don’t have to」の意味とは?
「have to」のもともとの意味は「するべきことを持っている」でした。
そこに「don’t」がついたら、どんな意味になりますか?
そう、「するべきことを持っていない」です。
するべきことを持っていなければ、もちろん「する必要はない」ですよね。
あなたは今日勉強する必要はありません。
今日の予定に「勉強する」という項目が無いイメージですね。
「must not」にしてしまうと、「絶対勉強してはダメ」といった意味深な内容になってしまうので注意です。
彼は私たちと一緒に来る必要はありません。
通常の「don’t」と同様に「don’t have to」の「don’t」も三単現の場合には「doesn’t」、過去形の場合には「didn’t」に変化します。
彼が私たちと来る理由が特にないことが表現されています。
「must」と「have to」の過去形はどうなる?
ここで抑えておきたいポイントは「must」に過去形はないということです。
「must」で過去形の文章を作りたい場合は、下記の英語フレーズを使うと良いです。
〜しなければならなかった
「〜しなければならなかった」と表現したい場合は、「have to」の過去形「had to」を使うことが可能です。
それでは、「had to」を使った例文をチェックしてみましょう。
私はこの本を読まなければいけなかった。
She had to leave before the party finished.
彼女は、そのパーティーが終わる前に帰らなければいけなかった。
「must」と「have to」の疑問系はどうなる?
「must」を使った疑問文は「must + 主語 + 動詞の原型」で作ります。
早速、例文をチェックしてみましょう。
私はその会議に参加しなればいけませんか?
ここで返事の仕方がポイントです。
はい、参加しないといけません。
No, you don’t have to.
いいえ、参加する必要はありません。
「No」と答える場合に「No, you must not.」と言ってしまうと「あなたは会議に参加してはいけません。」とニュアンスが変わってくるため、「No, you don’t have to.(いいえ、参加する必要はありません。)」と伝えるようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「must」は「100%絶対」、「have to」は「するべきことを持っている」となり、否定形になった場合も同様でした。
この基本イメージを押さえておけば、今後いろいろな場面で「must」と「have to」を使いこなせるようになるはずですよ。
今回の記事で学んだことを活かして、どんどん英語表現の幅を広げていってくださいね!
それでは、今後も楽しんで英語学習に励んでいきましょう。
Let’s enjoy!!
日向
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