- 前置詞withって「~と一緒に」じゃないの?
- withの訳し方って、意外と多くて混乱する…。
- withの基本イメージが知りたい!
いろいろな前置詞がある中、withは比較的とっつきやすい存在です。
英語の習い始めからあることだけでなく、「~と一緒に」という親しみやすい訳語も、その理由の1つでしょう。
しかし、いつでも「~と一緒に」で訳せるわけではなく、実際にはしっくり来ないことの方が多いんです。
そのため、実践的な英会話に取り組むためには、「~と一緒に」というwithのイメージを払拭する必要があります。
そこで今回の記事では、前置詞withに焦点を絞り、その基本イメージについて説明していきます。
また、たくさんあってわかりにくいwithの訳語も、例文を添えて1つひとつ詳しく解説しますので、withが上手く理解できなくて困った経験のある人は、ぜひ参考にしてみてください。
それでは、早速始めていきましょう!
- 前置詞withの基本イメージ
- 前置詞withと他の前置詞との違い
- 前置詞withのいろいろな意味・用法
with以前に「前置詞のことがよくわからない」という人は、こちらの記事をご参照ください。
前置詞について、in, on, atを例にとり、基本の基本から解説しています。
https://www.b-cafe.net/eikaiwa-school-tips/english-preposition
前置詞withの基本イメージとは?
前置詞withの基本イメージは、端的に言うなら「くっついている状態」です。
とはいえ、くっついている状態を表すのはwithに限った話ではありません。
at, on, of などの前置詞も、それぞれに2つ以上のものがくっついた(接触した)状態を表しています。
私たちはそのとき駅に着きました。
We(私たち)とthe station(駅)とが接している様子を表しています。
彼女の財布は通りに落とされました。
her wallet(彼女の財布)とthe street(通り)とが接している様子を表しています。
今、私の家の窓の1つが割れています。
a window(窓)とmy house(私の家)とが接している様子を表しています。
そのため、単に「くっついている」というだけでは、withとこれら前置詞とを差別化することができません。
では、他の前置詞には無いwith固有のイメージが何なのかというと、それは「対等」という関係性です。
たとえば、以下の例文を見てください。
私は父と一緒にその店へ行きました。
この文でwithはI(私)とmy father(私の父)とが「対等にくっついている状態」を表しています。
これがその他の前置詞(at, on, of等)であった場合には、そこに全体と部分といった上下関係・主従関係が生まれてしまいます。
その観点から先ほど挙げたat, on, ofの例文を見直してみると、見え方が少し変わってきます。
私たちはそのとき駅に着きました。
位置の関係性において、the stationが全体で、weがその一部分になっています。
彼女の財布は通りに落とされました。
道の上に財布が落とされることによって、全体と部分の関係が成り立っています。
今、私の家の窓の1つが割れています。
窓というのは家の一部分です。
ここでは「部分 of 全体」という構図が出来上がっています。
以上の点を踏まえると、前置詞withの基本イメージは以下のようになります。
それでは、続いて前置詞withの具体的な使い方を確認していきましょう。
前置詞withのいろいろな意味・使い方
前置詞withの意味として、一般的に以下のようなものが挙げられます。
- ~と一緒に
- ~と合わさって
- ~を所有して
- ~を使って
- ~に対して
- ~するとともに(付帯状況)
一見すると、それぞれ異なる意味のようですが、すべて先ほどの基本イメージ「対等にくっついている」で説明ができます。
1つずつ詳しく確認していきましょう。
①~と一緒に
withの意味で最も知名度が高いのが、この「~と一緒に」という意味です。
学校ではじめてwithを習った際も、この意味で教わった人が多いのではないでしょうか。
しかし、「~と一緒に」と訳すことができるのは、withの用法のうち極一部に過ぎません。
その他の意味に対応するためにも、「with = 一緒に」という構図が出来上がってしまっている人は、この訳し方とは一度距離を取った方が良いかもしれません。
「~と一緒に」と訳せる文には、以下のようなものがあります。
私の姉は両親と一緒に住んでいます。
姉と両親が対等にくっついている ⇒ 一緒に住んでいる
このように、くっついているとは言っても、物理的に接触しているとは限りません。
イメージの上で接触していれば、幅広い関係にwithを用いることができます。
私はジョンと一緒に来週買い物に行きます。
私とジョンが対等にくっついている ⇒ 一緒に買い物に行く
上記の例と同様、物理的にくっついているわけではありませんが、イメージの上では接触していますね。
また、両者が買い物において対等な関係にあることもポイントです。
②~と合わさって
対等にくっついた結果、それぞれの境目がわからなくなる場合があります。
その際は、「~と合わさって」と訳すと自然な日本語になります。
境目がなく一体になっているとはいえ、ここでも基本イメージは変わりません。
彼はいつもミルクと砂糖を入れてコーヒーを飲みます。
コーヒーとミルク、砂糖がくっついた場合、それらは合わさり、境目無く溶け合いますよね。
このように一体となった状態を表すにはwithが非常に適しています。
この本は税込み10ドルです。
税込みという場合、よくwithが使われます。
商品を買う際、本体価格がいくらで、税がいくらでといった内訳はあまり考えないですよね。
そのため、それらの境目が無く一体となった状態を表せるwithが適切です。
ちなみに、税抜きの場合はwithout taxと表現します。
③~を所有して
誰かが何かを持っている場合、それらはくっついた状態にありますよね。
所有するのは物に限らず、身体的特徴や情報などでもOKです。
このような特徴は動詞haveとも共通するものであり、haveの言い換え表現としてwithが使われることもあります。
美しい青い目を持ったあの少女は誰ですか?
the little girl(少女)とbeautiful blue eyes(美しい青い目)とは、くっついた状態にあります。
この関係はhave(has)を使って以下のように書き換えることも可能です。
その少女は美しい青い目を持っています。
その青い表紙の本は、私の祖父のものです。
The book(その本)とa blue cover(青い表紙)とは、切っても切れない関係にあります。
そういう意味では、先ほどの「②~と合わさって」の関係とも取れますね。
この関係性についても、have(has)を使って以下のように書き換えることが可能です。
その本は青い表紙を持っています(が付いています)。
④~を使って
道具などを使う際にもwithが使われます。
「道具との関係は対等ではないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、ある行為を行う際に道具が必要なのであれば、それは「道具に強力してもらう」ということ。
たとえば、紙に文字を書くという行為は、自分の手だけでは成り立たず、ペンの協力を得ることではじめて実現します。
このように、英語という言語では道具との間にも対等・フェアな関係性を持ち込みます。
日本語には無い発想で面白いですよね。
その肉をナイフで切ってください。
肉を切る際、自分の手だけでは如何ともしがたいですよね。
自分の手がナイフとの間に対等な協力関係を築いているようなイメージです。
彼女は新しいカメラでたくさんの写真を撮りました。
上記のナイフの場合と同様、写真を撮るためにはカメラの存在が必要不可欠です。
まるで会社における社長と社員の関係のように、そこには目的を達成するための協力関係が見られます。
⑤~に対して
一説によると、withの語源はagainst(~に対して)と同じところにあると言われていて、未だにwithは「~に対して」という意味で使われることがあります。
一見、違和感のある使い方に思われるかもしれませんが、「A vs B」という構図において、両者はくっついていますよね。
また、勝負においては、両者が対等な関係にあることもイメージとしては好相性です。
新しいレスラーがチャンピオンと戦うでしょう。
新人のレスラーとチャンピオン、彼らは選手という意味では対等な関係性です。
観戦する人々からすれば「新人 vs チャンピオン」というセットで語られる点においても、withのイメージがぴったりですね。
私の母は私に対して腹を立てています。
「母 vs 私」という構図です。
また、この場合はangryという感情とmeという対象がくっついていると取ることもできます。
私の存在が無ければ、angryという感情も成り立たないですよね。
⑥~したまま(付帯状況)
ここまで、対等にくっついているのは人や物などの具体的な形のある存在でした。
しかし、withはそのようなモノに限らず、行為や出来事などのコトも繋ぐことができます。
コトを繋ぐ場合、それらは時間的にくっついている、つまり同時に起こっていることが多いです。
そのため、日本語に訳す際は「~したまま」などと訳すと自然になります。
ちなみに、このような使い方のwithを文法用語で「付帯状況のwith」と呼ぶことがあります。
余力のある人は覚えておきましょう。
彼女はよく明かりをつけたまま寝てしまいます。
the light on(明かりが点いている)、she falls asleep(彼女が眠りに就く)、これらの出来事がくっついている、つまりは同時に起きているイメージです。
口をいっぱいにしたまま話さないで。
speak(話す)という行為と、your mouth full(口をいっぱいにする)という行為をくっつけることを禁止する発言です。
口を食べ物でいっぱいにした状態で話すのは、やはり万国共通マナー違反なんですね。
また、こちらの動画「99%の日本人が「英語の前置詞」をニガテな理由」でも、英語の前置詞をマスターする秘密を解説していますので、チェックしてみてください。
まとめ
前置詞withの基本イメージは、「対等にくっついている状態」です。
日本語に訳す際にさまざまな意味があって混乱してしまいそうになりますが、すべてこの基本イメージで済むと思うと、だいぶ気が楽になるのではないでしょうか。
今回ご紹介したことを参考に、前置詞withを少し違った角度から眺め直してみてください。
きっと今までとは全然違う、活き活きしたイメージが見えてくるはずですよ。
それでは、これからも楽しく英語を学んでいきましょう。
また、こちらの動画「【イラスト付き/教材級】一生忘れない – 英会話でよく使われる前置詞Top50を完全イメージ化【総集編】」で、英語のプロが前置詞をわかりやすく解説しています。前置詞を使えるようになるためには、コアイメージを理解することが近道です。この動画でコアイメージを見ながら、学んでみてくださいね。
Let’s enjoy!!
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