- 前置詞ofって「~の」じゃないの?
- ofとoffの違いがわからない…
- of, offの基本イメージが知りたい!
前置詞にはいろいろな種類がありますが、その中でも苦手に思っている人が多いのがofではないでしょうか。
中学生のときには「~の」という意味で習ったものの、my book「私の本」のようにofが無くても「~の」と訳すものもあれば、be afraid of~「~を怖がる」のようにofがあるのに「~の」と訳さないものも存在します。
そんな、あってもなくても影響無さそうに見えるofですが、実は結構重要な意味を表す言葉なんです。
また、ofと似た言葉にoffというものもありますね。
こちらは「スイッチオフ」とか「シーズンオフ」といった感じで「外れている」イメージが強い言葉です。
先ほどのofと比べて特に意味の関連は無さそうですが、実はこの2つ、もともと同じ単語だったんです。
それがなぜ2つに分かれたのか、なぜ意味がこんなにも違うのか、今回の記事ではそのあたりを深掘りして解説していきたいと思います。
これを読めば、今までof, offに漠然と苦手意識があった人も、使いこなせているつもりで実はよくわかっていなかった人も、今までより自信をもってof ,offを使うことができるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
- 前置詞「of」の基本イメージと使い方
- 前置詞「off」の基本イメージと使い方
- 「of」と「off」の使い分け
※of, off以前に「前置詞のことがよくわからない」という人は、こちらの「英語の前置詞の「in / at / on」の使い分けと違いをイメージで解説!」をご参照ください。
前置詞について、in, on, atを例にとり、基本の基本から解説しています。
また、of, off同様に使い分けの紛らわしい前置詞to, forに関しては、こちらの「紛らわしい英語の前置詞「to / for」の違いと使い分けをイメージで徹底解説!」で詳しくご紹介しています。
こちらも是非ご覧ください。
英語の前置詞「of」と「off」の違い
前置詞ofとoffは一文字違い、かつ発音も非常によく似ていることから、それぞれに間違われてしまいがちです。
しかし、これらの見た目がほとんど同じなのには理由があり、実はこれら2つの前置詞はもともと同じものだったと言われています。
「でも、ofとoffって意味が全然違くない?」そう思う人も多いでしょう。
ofとoffは最初こそ同じ前置詞でしたが、英語の歴史が進むにつれて徐々に意味が分化し、1つの前置詞では表しきれないようになってきました。
その結果、あるときを境にof, offと表現が分かれ、それぞれに違うイメージをもって使われるようになりました。
そのため、一見まったく違うように見えるofとoffの意味には、根っこの部分で繋がるイメージが存在します。
それでは、そんなイメージの違いも含めて、ofとoffそれぞれについて詳しく確認していきましょう。
前置詞「of」の基本イメージと使い方
前置詞ofの基本イメージは「前と後ろが繋がっている状態」です。
A of Bとなっていた場合には、ABのそれぞれが繋がっている状態を表して「BのA」と訳されることが多いです。
※日本語に訳す場合には、前から後ろに訳すのが一般的です。
たとえば、以下の例文を見てください。
あの建物の一番大きな窓を見てください。
この文において、前置詞ofの前後を見ると、window(窓)とbuilding(建物)という2つの名詞があります。
窓というのは、建物にくっついていて、それらを切り離すことはできないですよね。
このように、前後の単語が切っても切り離せない関係にあることを表すのが、前置詞ofの働きです。
とはいえ、その繋がりは物理的なものとは限りません。
以下の例文を見てみましょう。
私の友達の一人が私に素敵な本をくれました。
この文の主語になっているa friend of mineは「私の友達の一人」という決まり文句です。
重複を防ぐためにmineと省略された形になっていますが、本来はa friend of my friendsの形だと考えた方がわかりやすいでしょう。
複数いる「私の友達」というグループから無作為に一名を選び取ったようなイメージです。
その際、「一人の友達」と「複数の友達」との間には繋がりがありますね。
このように、概念上での繋がりであってもofで表すことが可能です。
最後に注意したいのが、ofの前後にあるものの「大きさ」です。
ofは繋がりを示すとお話してきましたが、その際繋がれる前後の名詞は一般的に、後ろが大きく、前が小さいという関係になっています。
言葉を換えれば、後ろが全体、前が部分です。
次の例文を見てください。
これは、世界で最も面白い映画のうちの1つです。
この文の場合、oneとthe most interesting moviesがofによって繋がれています。
このとき、one(1つの映画)というのはthe most interesting movies(最も面白い映画[たち])というグループの一部として、そこに含まれています。
このように、前置詞ofを使った場合、「前が部分、後ろが全体」になる傾向にあります。
そのため、以下のように表現してしまうと誤りになってしまいます。
※補足
前置詞ofの部分と全体というイメージが特に活きているのが、最上級の英文です。
その犬はこの公園の中で最も大きいです。
The dog is the biggest of the five (dogs).
その犬は5匹の(犬の)中で最も大きいです。
これら2つの例文では、どちらも犬の大きさを比べています。
前者はin this park「公園の中」とinが使われている一方、後者ではof the five (dogs)「5匹の(犬の)中で」とofが使われています。
ofの部分と全体のイメージを理解していれば、これらの違いもスムーズに飲み込めます。
前者「公園」の場合、犬がいようがいるまいが、公園は公園のままですよね。
そのため、the dogとthis parkは部分と全体の関係になっておらず、単に含まれているだけなのでinが使われています。
一方、「5匹の犬」と言った場合には、その犬がいないと5匹ではなくなってしまいます。
そのため、the dogとthe five (dogs)とは部分と全体の関係になっており、前置詞としてofがぴったりになります。
このように、前置詞ofのイメージは、他の文法事項を理解するうえでも非常に役立ちます。
ぜひ覚えておいてください。
最上級の文について詳しくは以下の「【ゼロから学ぶ】英語の比較級と最上級を例文からマスター!」で説明しています。
ぜひご参照ください。
以上の点をまとめると、前置詞ofの基本イメージは以下のようにまとめることができます。
前後の繋がりは物理的とは限らず、気持ちなどの概念上の繋がりも可
これらのイメージを頭に入れておけば、ofを使った英文や熟語の意味がスムーズに理解できるようになるはずです。
例文でも確認しておきましょう。
その家の屋根は黄色いです。
家と屋根は繋がっているのでofがピッタリです。
家が全体で屋根が部分という関係性にも注目しましょう。
その椅子は木でできています。
be made of~で「~でできている」という熟語表現です。
もともと木に繋がっていたはずの木材を使っていることからofが使われています。
私はいつもあなたのことを考えています。
頭の中であなたと私が繋がっているということをofが表現しています。
使いどころに注意したい表現です。
助けてくれてありがとうございます。
kind of~で「~(人)の親切」といった意味の決まり文句。
親切心というのは、その人の心から出てくるものです。
そのため、全体(心/その人)と部分(親切な行い)とを繋ぐイメージでofが使われています。
私たちは自分たちの家を気に入っています。
be fond of~で「~を気に入っている」という意味の熟語表現。
私たちの気持ちが家と繋がっていて、likeに比べて切っても切れない関係性が強くイメージされます。
前置詞「off」の基本イメージと使い方
前置詞offは、もともと先述のofから派生した言葉です。
たとえば、以下の例文を見てください。
その男性はお婆さんから財布を奪いました。
rob A of Bは「AからBを奪う」という意味の熟語です。
「奪うのに、どうして繋がりを表すofを使うの?」そう思った人は鋭いです。
ここでなぜofが使われているかというと、お婆さんと彼女のお財布との間には、もともと「繋がり」がり、それを男が意図的に「断ち切った」からなのです。
※先述のように本来のofは前後に全体と部分というイメージがありますが、こちらの熟語はそのイメージを失っています。
このように、前後の繋がりを示すofの用法の中には、その繋がりが切れることを表すものが存在します。
「繋がっている状態」と「繋がりが切れた状態」、どちらも同じ前置詞で表すと誤解が生まれそうですよね。
そのため、前者のイメージのものには引き続きofを、後者のイメージのものには少し形を変えたoffを用いるようになったんです。
前置詞「off」の表すイメージ = 繋がりが切れた状態
前置詞offを理解するうえで重要なのは、単に離れている状態を表すのではなく、一度はくっついていたものの繋がりが切れ、その結果離れているというイメージを掴むことです。
それでは、最後に例文でイメージを確認しておきましょう。
彼はその木から数本の枝を切り取りました。
枝は木に繋がっているのが本来の姿。
その繋がりを意図的に切るためoffが使われます。
そのスプーンはテーブルから落ちました。
スプーンがテーブルの上に乗っている、つまり繋がっている状態からすると、落ちるという出来事はその繋がりが切れることを意味します。
彼は型破りだ。
off the wallで「型破り/普通じゃない/変わっている」などの意味を表すスラング表現です。
某スニーカーメーカーの商標としても有名ですね。
日本語でも「壁を越える」と言いますが、常人には乗り越えられない壁から離れて行く(off)する人というのは、どこかしらに人と違うものを持っているのでしょう。
電気を消してください。
turn offで「スイッチを切る」という表現。
繋がっている回路が切れるイメージです。
このoffは厳密には前置詞ではなく副詞とされますが、そのような細かい文法的分類は気にしなくてOKです。
明日は休みを取ります。
社会人は働いている状態(会社などと繋がっている状態)が普通ですよね。
それを敢えて切るからoffが使われます。
こちらも副詞の用法です。
また、こちらの動画「99%の日本人が「英語の前置詞」をニガテな理由」でも、英語の前置詞をマスターする秘密を解説していますので、チェックしてみてください。
まとめ
いかがでしたか。
以上見てきたように、ofの基本イメージは「前後の繋がり」、offの場合は「前後の繋がりが切れた状態」でした。
これらを理解したうえで見ると、英文が今までとは全く違った見え方をしてくると思います。
イメージが掴めれば同じものでも違うものに見え、結果として世界の見え方も変わってくるのかもしれません。
今回ご紹介したことを参考にof, offについてマスターし、ぜひ他の前置詞についても学びを進めていってください。
それでは、これからも楽しく英語を学んでいきましょう。
また、こちらの動画「【イラスト付き/教材級】一生忘れない – 英会話でよく使われる前置詞Top50を完全イメージ化【総集編】」で、英語のプロが前置詞をわかりやすく解説しています。前置詞を使えるようになるためには、コアイメージを理解することが近道です。この動画でコアイメージを見ながら、学んでみてくださいね。
Let’s enjoy!!
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