- getは「手に入れる」、takeは「連れテイク」じゃないの?
- getとかtakeが使われている文って、なんだか上手く訳せない…。
- getとtakeのコアイメージが知りたい!
英語にはさまざまな単語がありますが、その中には特に出現頻度が高く、覚えておくことでのコストパフォーマンスの高い「基本英単語」というものが存在します。
滅多に出てこないマニアックな単語を覚えることも大切ですが、基本英単語を覚えることには、それらを覚えるよりも何倍、いや何百倍何千倍もの効果があります。
ということで、今回ピックアップする基本英単語はgetとtakeです。
getは「~を得る/~を手に入れる」という意味で習い、takeの場合はダジャレ混じりに「連れテイク」と習った人が多いのではないでしょうか。
それで上手く行けば良いものの、実際はそのような訳語では上手く理解できないことが多く、それが原因で英語ギライに拍車がかかってしまうことも多々見られます。
そこで今回は、getとtakeについて、学校で習う日本語訳だけではわからない、それぞれのコアイメージと用法について詳しく説明していきます。
例文もたくさん載せているので、これを読めばgetとtakeの意味がスムーズに理解できるようになること間違いなしです。
それでは、早速始めていきましょう!
- 基本単語getのコアイメージ
- getとhaveの違い
- 基本単語takeのコアイメージ
- 「連れテイク」という覚え方が役に立たない理由
英語の基本単語getの意味・コアイメージとは?
getの意味というと、「~を得る/~を手に入れる」というのが有名ですね。
もちろんこれでも間違いではありません。実際、「~を得る/~を手に入れる」でスムーズに訳すことのできる文は多く存在します。
僕はクリスマスに新しいゲームを手に入れました。
私は月に30万円手に入れて(稼いで)います。
上司から良いアドバイスを得ました。
しかし以下のように、「~を得る/~を手に入れる」ではスムーズに訳すことができない文も非常に多く存在します。
*私はそれを手に入れた?
*それは暗さを手に入れている?
*私は彼のジョークを手に入れない?
そのため、getを理解するためには、「~を得る/~を手に入れる」という日本語訳だけでは十分とは言えません。
私たち日本人がgetの意味を正しく掴むためには、コアイメージの理解が必要不可欠なんです。
getのコアイメージは?
getのコアイメージは、磁石のように「~とくっつこうとする」ことです。
「~を得る/~を手に入れる」という日本語訳だと、どうしても物体を手に取るイメージが付きまといます。
しかし、getが表すのはもっと広く、主語と対象がくっつこうとする動作のことなんです。
それでは、先ほど挙げた例文をこのコアイメージを使って考え直してみましょう。
私とit(相手の言っている内容)がくっついた
⇒わかった
ここでのitは相手の言っている内容を指していて、「I got it.」は相手の言うことがわかった、腑に落ちたということを表す決まり文句です。
相手の発言が自分にぴったりはまったイメージです。
ちなみに、ほぼ同じ意味の表現に「I understand it.」というものがありますが、これは少し硬い表現。
「I get it.」の方が、友達同士でも使えるような軽い意味合いの表現です。
このように、基本単語を使った表現はよりカジュアルに響く傾向があります。
それ(天気)が暗さとくっついている途中
⇒空がだんだん暗くなってきました
特に文脈がない場合、主語に置かれたitは「It’s sunny.」のように空(天気)であることがほとんどです。
また、「be + ~ing」のいわゆる現在進行形は、「~している途中」を表します。
そのため、この文は「空が暗さとくっついている途中」という状態、つまり夜が近づいている様子を意味しています。
「~ing」の意味については、こちらの「【初心者でも分かる】英語「ing」の付け方を一覧で徹底解説!」で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
【かんたん】英語の「ing」の意味・使い方・付け方をご紹介!私と彼のジョークがくっつかない
⇒彼のジョークは私にはハマらない(つまらない)です
日本語でギャグ(ジョーク)がつまらないと「すべる」と言い、面白いと「ハマる」とか「ウケる」と言いますよね。
英語でもそれと同じで、面白いjokeの場合はくっつくイメージでgetが使われます。
悲しいかな、彼の数々のジョークが私のどこにもくっつかずに流れていった、それこそ「すべった」のだということがわかります。
このように、getのコアイメージは「~とくっつこうとする動作」です。
これまで「~を得る/~を手に入れる」という日本語訳では意味が掴みにくかったものも、このイメージを使えば理解がしやすくなるはずです。
ぜひ試してみてください。
getの後はhave(be動詞)になる
先ほど挙げた「It’s getting dark.」の例文について、もう少し考えを進めてみましょう。
青空に少しずつ暗さをくっつけていくと、そのうち青い部分がなくなり、完全に暗くなる瞬間が訪れますよね。
そうなると、もはや「くっつく」という動作は完了し、「空=暗い」という一体のものとなり、「It’s dark.」という状態に落ち着きます。
空が暗さとくっついている途中⇒空がだんだん暗くなってきました
空=暗い⇒空が暗い(夜)です
このように、getがくっつこうとする「動作」を表すのに対し、その後には落ち着いた状態がやってきます。
それを表すのがhave(またはbe動詞)です。
get+形容詞(動作)⇒be動詞+名詞(状態)
例文でも確認しておきましょう。
仕事が見つかりました。
私は働いています。(定職についています)
頑張って仕事とくっつこうと努力した(get)結果、自分と仕事が完全にくっついた(have)イメージです。
私は怒りました。
私は怒っています。
何かがきっかけで私と怒りがくっついた(get)結果、怒りが定着してしまった(am)イメージです。
haveについては、こちらの「英語の「have」の意味と使い方をコアイメージで完全理解!」で基本英単語として紹介しています。ぜひご参照ください。
英語の「have」の意味と使い方をコアイメージで完全理解!
英語の基本単語takeの意味・コアイメージとは?
takeの意味というと、中学生のころに「連れテイク/持っテイク」とダジャレ混じりに習った人も多いですよね。
かく言う私もその1人です。
確かに、中学校で最初の頃に習うtakeの意味は、以下のような「連れテイク」式のものが多くありました。
父はよく私を動物園に連れて行ってくれます。
しかし、実際のところ「連れテイク」と訳すことのできるtakeは、全体のうちのほんの一部に過ぎません。
以下のような文では「連れテイク」がまったく役に立たず、結果的に多くの英語ギライを生み出す原因になってしまっています。
*私は明日休み(day off)を持っていく?
*彼女は薬を1つも持っていかない?
*私は先週TOEICを持っていった?
takeのコアイメージは?
takeのコアイメージは、何かを「積極的に自ら取り入れる」ということです。
takeには先ほどの「連れテイク」を筆頭に、「取る/撮る/持っていく/連れていく/食べる(飲む)/受ける」など、さまざまな日本語訳が存在しますが、これらはすべて「積極的に自ら取り入れる」というコアイメージで説明することが可能です。
先ほどの例文を含めて、それぞれの訳し方のtakeを含んだ例文でコアイメージの便利さを確認していきましょう。
私は明日、休みを自ら取り入れる
⇒明日は休みを取ろうと思います
このtakeは「取る」と訳すのが適切ですが、コアイメージで十分に対応可能です。
積極的というtakeのイメージから、明日が公休や定休でない、有給休暇などの特別休暇であることが窺えます。
私の趣味は積極的に写真を取り入れること
⇒私の趣味は写真撮影です
このtakeは「撮る」と訳すのが適切。「take a picture [pictures]」で「写真を撮る」という有名な熟語ですね。
写真撮影というのは、写真(風景)を自らに取り入れること。
そう思うと、なんだか高尚な行いに思えてきますね。
傘を自らに取り入れてください
⇒傘を持って行ってください
このtakeは「持っていく」と訳す王道もの。
「連れテイク/持っテイク」式で覚えずとも、「積極的に自らに取り入れる」というコアイメージで十分対応可能ですよね。
ドンピシャなダジャレ暗記より、幅広いコアイメージの方が実用性は上です。
彼女は薬を1つも自らに取り入れない
⇒彼女は1つも薬を飲みません
このtakeは「食べる(飲む)」と訳すのが適切。
とはいえ、そんな訳語を覚えていなくても、「薬を自らに取り入れる」というコアイメージで十分に対応は可能でしょう。
TOEICを自らに取り入れた
⇒先週TOEICの試験を受けました
このtake(took)は「受ける」と訳すのが適切。
テストというのは自らの知識を試すためのツール、言うなれば知識のCTスキャンのようなものです。
TOEICを自らに取り入れてピーッと英語力をスキャンしているイメージです。
【必見動画】英会話の9割が分かるようになる!
本記事では、”takeとget”の違いを解説しましたが、このように基本動詞の持っているコアイメージがわかれば、単語学習の効率は俄然アップします。
こちらの動画「【イラスト付き/教材級】英会話の9割がわかるようになる基本動詞Top55【総集編】」では、代表的な基本動詞55個のコアイメージをイラスト付きでわかりやすく解説していますので、あわせてご確認ください。
takeとgetの違いのまとめ
今回はgetとtakeという2つの基本単語について確認していきました。
最後におさらいとして、それぞれのコアイメージをまとめておきましょう。
take⇒「積極的に自ら取り入れる」
これらの単語は中学生のときに初めて習いますが、その後大人になってからも第一線で使い続けることになる重要単語です。
そのため、これらのコアイメージをしっかり理解できているか否かで、英語表現の幅が大きく変わってきます。
今回ご紹介したことを参考に、ぜひgetとtakeをマスターしてみてください。
それでは、今後も楽しんで英語学習を進めていきましょう。
Let’s enjoy!!
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