本記事では英、検3級を目指している方向けに、英検3級の範囲や問題傾向、TOEIC・TOEFLとの違いなどを詳細に解説していきます。
私は塾講師として長年英検の指導に携わってきたので、英検3級の勉強法についても熟知しています。
記事の後半で、英検対策について詳しく解説していますので、こちらも合わせて一読してみてください。
英検とは?
英検(正式名称:実用英語技能検定)とは、英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を測る、日本で最も知名度の高い英語検定です。
英検はレベルごとに5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級に分かれています。受験に年齢制限は設けられていません。
小学生も上級レベルの級を受検できます。
開催は年に3回です。
全国各地で会場が設けられるので、自宅から近い受検会場を選ぶことが可能になっています。
英検とTOEICの違いとは?
英検と同様に知名度の高い英語試験として「TOEIC」が挙げられます。
社会人の方だと、英検よりもTOEICを受けるケースが多いかもしれません。
TOEICでは、主に「リスニング」と「リーディング」の技能が問われます。
スピーキング、ライティングを問うTOEICもありますが、4技能を一度の試験ですべて測定することはできません。
また、TOEICで出題される問題は「ビジネス」に関連するものが多いです。
リーディングでは、契約書や取引先とのメール文章などが頻繁に出題されます。
ビジネス英語に特化している点、英検と異なる特徴です。
英検3級は、TOIECスコアで320~600点ほどになります。
英検とTOEFLの違いとは?
TOEFLは、英検と同様に「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を測定する試験です。
TOEICと名称は似ていますが、TOEFLの方がより広範な英語能力を問う試験となっています。
英語圏の大学・大学院への留学では、TOEFLのスコア提出が求められます。
英検のように、レベル別に試験内容が変わる訳ではなく、すべての受験者が同じ問題を受検してスコアを算出します。
TOEFLの問題のレベルは高校~大学レベルですので、中学レベルの英語力だと少々難しく感じるかもしれません。
英検3級の試験内容(一次試験:筆記)
英検3級の一次試験は、筆記50分・リスニング約25分で構成されています。
筆記の試験構成はこちらの通りです。
短文の語句(空所補充):15問
会話文の文(空所補充):5問
長文の内容(一致選択):10問
【ライティング(記述式)】
英作文:1問
英検3級のリーディング
扱われる単語・熟語・文法のレベルは「中学卒業程度」となります。
覚えるべき単語数は、おおむね1,200~2,100語ほどです。
英検3級用の単語帳を1冊覚えれば十分といえます。
文法では、分詞・関係代名詞など中学3年生の後半で学習する英文法も出題されるので注意してください。
英検3級のライティング
ライティングでは、問題文に答える形で英語を記述していきます。
(ex. What city do you want to visit?)
質問文に対して、「自分の考え」と「理由2つ」を記述します。
語数の目安は25語~35語ほどです。
内容の充実度というよりも、単語・文法のミスなく英文を作れているかが重要になります。
極論をいえば、中学1年生レベルの単語・文法のみ使用して英作文を書いても、ミスがなければ得点できます。
英検3級の試験内容(一次試験:リスニング)
リスニングの試験構成はこちらになっています。
会話の内容(一致選択):10問
文の内容(一致選択):10問
会話のスピードは、学校で使用されている教科書音声よりもやや早いといった印象です。
ただ、発音は比較的クリアになります。
話者の発音は「アメリカ式」が多いです。
英検3級の試験内容(二次試験)
英検3級の二次試験の内容はこちらの通りです。
パッセージについての質問:1問
イラストについての質問:2問
受験者自身に関する質問:2問
二次試験のスピーキングは、面接委員1人と個人面接という形で行います。
試験時間はおおむね5分ほどです。
筆記試験と同様、問われる単語・熟語・文法レベルは「中学卒業程度」となります。
筆者自身、英検の試験監督業務に携わったことがあるのですが、二次試験は入室から退出まであっという間です。
体感的には5分よりも短く感じるかもしれません。
細かい英語の表現を確認するというよりも、「積極的に英語で会話する姿勢」がチェックされている印象です。
英検3級の勉強法をプロが徹底解説!
次に、英検3級のセクションごとの勉強法を確認していきましょう。
英検3級の勉強法:リーディング
リーディングのセクションで得点するためには、まずは中学内容の英単語・文法を覚えることが必要です。
英単語は、ただ単語帳を眺めるだけでなく、音読したり手を動かして単語を書くことで定着しやすくなります。
英文法に関しては、複数のテキストを使うのではなく、問題文を覚えてしまうくらい1つのテキストを解き直すのがおすすめです。
英単語・英文法ともに短期間で一気に覚え込むというよりも、長期的に継続してコツコツ覚えていく方が、学習の負担を抑えられます。
英単語・英文法の知識が固まってきたら、読解の練習に進みましょう。
読解練習を行う中で、分からない単語や表現が出てきたら、都度書き留めて意味を調べるようにしてください。
英検の読解形式に慣れるためにも、英検用の問題集・教本を使って読解練習を行うのがおすすめです。
英検3級の勉強法:ライティング
ライティングのセクションで得点するポイントは「英作文のパターンを覚える」ことです。
英作文で1から文章構成を考えようとすると、時間が足りなくなってしまうことが少なくありません。
英検3級の場合、こちらの構成に従って書くのがおすすめです。
(ex. I think that ~. I want to ~. )
②理由を述べる
(First, ~. Second, ~.)
③まとめ
(For two reasons, ~.)
使用する英単語・文法は簡単なもので問題ありません。
変に難しい単語・文法を使用してしまうと、ミスをしてしまう可能性が高くなってしまいます。
ライティングに関しても、英検3級用の問題集を使って練習するのがおすすめです。
最近の問題集には、ライティングの採点基準が細かく掲載されています。
自分で採点する際にも便利ですので、問題集を1冊常備しておくと安心です。
英検3級の勉強法:リスニング
リスニングで得点するためには、まずは英語の発音に耳を慣れされることが肝要です。
毎日、英語を聞く習慣をつけるようにしてください。
英語を聞く際は、スクリプト(台本)を見ながら英語を聞くのがおすすめです。
目で単語を追いながら、耳で発音を確認していきます。
自分の口で発音を真似てみるのも効果的です。
ドラマやニュースなどの英語を聞いて耳を鍛えるのもよいのですが、英検3級レベルのリスニング対策としては少々レベルが高いです。
まずは台本付きのリスニング問題集を使って、同じ音源を繰り返し聞くようにしましょう。
こちらの「英語のリスニング勉強法で上達しやすいのは?効果的な方法をレベル別に解説!」という記事で、リスニングの勉強法をレベル別に解説しています。
合わせてチェックしてみてくださいね。
英検3級の勉強法:スピーキング
二次試験のスピーキングで重視されるのは「相手にとって聞きやすい英語で話す」ことです。
相手が聞き取れるように、クリアに発音することが重要になってきます。
家族や知人といっしょに英語で話す練習を行うのが効果的です。
周りに英語を話す人がいない場合は、自分が日常生活で発する言葉をなるべく英語にするようにしてみてください。
スピーキングを鍛える上では「日本語→英語」への変換速度を高めるのがまずは大切です。
英検3級であれば、ネイティブレベルの発音は求められません。
最も減点につながるのが「英語で話さない」ケースです。
日本語を交じりで話してしまうと、「積極的に英語で話そうとしていない」という評価につながりかねません。
中学レベルの単語・文法で問題ありませんので、とにかく「英語で話す」ことを徹底するようにしましょう。
英検3級に合格するには、継続学習が不可欠
英検3級に合格するためには、英単語や英文法の知識拡充、リーディング・ライティングのスキル獲得、耳を英語に慣れさせるなど、継続した学習・訓練が不可欠です。
ネットや書店では「簡単に英検合格!」といった類の情報・書籍が多く見られますが、継続学習なしで簡単に英検3級に合格できるのであれば、苦労する人はいません。
簡単に取得できる検定に価値はないといってもよいでしょう。
学習を積んだ人しか受からない検定であるからこそ、その検定に価値があるといえます。
地道にコツコツと学習を積んでいくことが、英検合格への近道です。
間違った情報に惑わされずに、自分のペースで学習を積んでいきましょう。
また別記事の「英語資格を目的別に比較!英検・TOEIC・TOEFL・IETLSの違いを解説!」で、英検やそのほかの英語資格について解説しています。
あわせてご覧になってみてくださいね!
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