色々な勉強をしているのになかなかリスニングが聞こえるようにならない。
そんな風に悩んでいる方にトライして頂きたい勉強方法がオーバーラッピングです。
ですが、そもそもオーバーラッピングってなにという方も多いと思います。
この記事では「オーバーラッピングとは?」という部分から独学でも失敗せずにオーバーラッピングを始められる方法をお伝えします。
この記事を担当している「b わたしの英会話」の田中です。
海外で働ける英語力を独学でなんとか身につけました。
その後はオンライン英会話スクールや英会話サークルなどに入り趣味でも英語の勉強をしています。
私の経験を活かして、独学からスクールまで効率よく学習できる方法を紹介します。
オーバーラッピングとは?
オーバーラッピングとは「英文を見ながら音声と同時に発声する勉強法」です。
似たような勉強方法にシャドーイングがあり、英語学習初心者の方は混乱してしまいます。
そこで、まず似たようなリスニングの勉強法6つをを整理してお伝えします。
2.ディクテーション
3.音読
4.リピーティング
5.オーバーラッピング
6.シャドーイング
リスニング
リスニングは中学生の英語の授業でもやっているお馴染みの勉強方法です。
英語を聞いて相手の伝えたいことを理解します。
このリスニングの練度を上げるために上の2~6の勉強をしていきます。
ディクテーション
ディクテーションとは英文を聞いて、紙などに書き起こす勉強方法です。
単語を1語1語全て書き出すため、自分が聞こえない部分が明確になります。
音読
音読とはスクリプトを見て、英文を発声する勉強方法です。
英語の理解速度の向上や、リズムが身につくことでリスニング力の向上にも繋がります。
他の勉強法に比べ準備が楽であり隙間時間でも出来るので最もおすすめの勉強方法です。
リピーティング
リピーティングとは音声を聞いた後にスクリプトを見ながら真似して発声する勉強方法です。
1文聞いて音声を止めて、真似して音読をするのを繰り返すイメージです。
上で音読がもっともおすすめの勉強方法と伝えましたが、音読だけだと間違った発音やリズムで英語を覚えてしまうことがあります。
1回リピーティングをはさむことで、その心配が無くなります。
オーバーラッピング
オーバーラッピングとは音声と同時に音読をするイメージです。
リピーティングを少しレベルアップした勉強法です。
1つの文章を通してやってもいいですし、1文ずつでも大丈夫です。
オーバーラッピングは音読学習との相性も良く、初心者に最も効果が高い勉強方法です。
シャドーイング
シャドーイングは音声を聞きながら、発声します。
他の勉強方法との最大の違いはスクリプトを見ずに行うことです。
シャドーイングとオーバーラッピングの違い
シャドーイングとオーバーラッピングの最大の違いはスクリプトを見て行うかどうかです。
シャドーイングは英文を見ずに、音声に少し遅れて発声します。
そのため、とても難しいです。
一方オーバーラッピングは英文を見ながら音声に合わせて発声します。
こちらも難しいですが、英文を見れるためシャドーイングに比べ難易度は下がります。
シャドーイングはディクテーション・音読・オーバーラッピング全ての効果を得ることが出来ますが、まずはオーバーラッピングからはじめましょう。
そして、オーバーラッピングで慣れ親しんだ文章を移動中などの隙間時間でシャドーイングするような取り入れ方がおすすめです。
オーバーラッピングの効果がスゴい!
オーバーラッピングの効果には次のものがあります。
・リスニング力の向上
・スピーキング力の向上
詳しく説明します。
理解速度の向上
オーバーラッピングをすると英語の理解速度がぐんっとあがります。
なぜなら、返り読みなどできなくなり英語を英語のまま理解する必要があるからです。
次の例文を見てください。
直訳:英語は学び、話すのにとても魅力的な言語です。
上手く日本語に訳すときは、上の例文のlearnやspeakの部分を先に訳す必要があります。
ですが、実際の英語は前から順に読まれていくため、きれいに日本語に訳そうとすると余計な時間がかかってしまいます。
そのため、英語の理解速度を向上するためには英語を英語の語順で理解する必要があります。
オーバーラッピングをすると、英語を英語の語順で訳すしかなくなるため、徐々に英語に慣れ、理解力速度が向上していきます。
オーバーラッピングをしているときの理解の順番のイメージは次のようなイメージです。
English is (英語は) a very attractive (とても魅力的な) language (言語です) to learn (学習することが) and speak (そして話す).
繋げてみると、「英語はとても魅力的な言語です。学習することが。そして話す」となり、意味不明です。
ですが、英語の理解速度をあげるにはこの語順で理解する必要があります。
こんな意味不明な順番での理解は無理と思ってしまいますが、オーバーラッピングを続けることで、この語順で理解する癖がつきます。
感覚の話になるのですが、日本語に訳すのではなく頭が別言語として理解してくれるようになります。
ただし、論文などのような難解な文章はやはりゆっくり日本語に訳して読まないと理解できないこともあります。
リスニング力の向上
オーバーラッピングではリスニング力も向上します。
大きな理由は次の3つです。
・英文の音が分かる
・リズムや強弱などが身につく
上ではオーバーラッピングの効果の1つで理解速度の向上とお伝えしましたが、理解速度はリスニング力の向上にも直結します。
なぜなら、リスニングでは単語が聞こえているのに意味が理解できないということがよくあるからです。
リスニングは聞こえれば理解できると思われがちですが、実際には理解速度も必要になるのです。
オーバーラッピングで理解速度が向上すると、あとは聞こえさえすれば意味が理解できるようになります。
また、オーバーラッピングでは英語の音声に合わせて発声するため、単語の音が分かり、また単語と単語の繋がりも分かるようになります。
そのため、知識としても実体験としても英語の音に触れることができ徐々に色々な音が聞こえるようになってきます。
また、オーバーラッピングではネイティブなどの英語の音声を真似するため、英語独特のリズムや音の強弱なども身につきます。
英語はリズムの言語でもあり、英語特有のリズムに慣れるだけで初めての英文でもとても聞き取りやすくなります。
スピーキング力の向上
オーバーラッピングでは実際に声に出して英文を読むため、スピーキング力の向上にも繋がります。
特にリズムや発音の能力が向上します。
また、実際に口を動かすことで、英語に口が慣れます。
そのため、何となく言いやすい英文を言うことで、文法部分を考えなくても正しい英語が口から出てくるようになります。
一方で言いたいことを英文に変換する能力についてはオーバーラッピング以外の学習を取り入れた方が効率的かもしれません。
例えば英作文の勉強などが良いでしょう。
オーバーラッピングを初心者におすすめの理由
オーバーラッピングは次の理由から初心者に特におすすめです。
・英語の総合力が向上する
音読以上の効果を得られる
英語学習の王道と言えば音読ですが、オーバーラッピングは音読以上の効果があります。
なぜなら、オーバーラッピングはほぼ音読と同じことをしている上に、正しい音やリズムに触れながら学習を勧めていけるためです。
1点だけデメリットをあげるとすれば、音読より手間がかかるため続けるのが難しい点です。
また、準備が必要であり隙間時間で少しだけ学習というのも少し難しいです。
そこさえクリアできればとても効果的な学習法法になることは間違いありません。
英語の総合力が向上する
オーバーラッピングでは単語力、単語の音、理解速度、リスニング力、スピーキング力など英語に必要な様々な能力が向上します。
そのため、日々の勉強にオーバーラッピングを加えることで英語の総合力も高めることができます。
オーバーラッピングのやり方と失敗しないための注意点
ここまでオーバーラッピングの効果について説明してきました。
最後に具体的なやり方と失敗しないための注意点をお伝えします。
オーバーラッピングの具体的なやり方
STEP1 オーバーラッピングをする前にまずは英文を精読しましょう。
精読とはSVOC等の記号振りや、和訳や、熟語・構文の確認をすることを言います。
やらなくてもいいのですが、精読をすることで理解力の向上に繋がります。
そのため簡単すぎる文章は精読せずに、難しい文章だけ精読するなどが最も効率的でおすすめです。
STEP2 1回音読する
精読が終わったら1回何も聞かずに音読してみましょう。
発音するのが難しポイントや単語の発音が分からない部分などにチェックを入れておいて、オーバーラッピングする際にその部分を意識して練習するようにしましょう。
STEP3 オーバーラッピングを行う
下準備が終わったらオーバーラッピングを行いましょう。
英語の音声に合わせて英語を読むだけです。
オーバーラッピング自体は音楽に合わせて歌を歌うのと同じで、ただ合わせて英語を読めばOKです。
慣れてきたら、精読や音読でチャックした場所を意識しながら行ってみましょう。
STEP1,STEP2を飛ばしてオーバーラッピングだけやっても十分に効果はあるので、気負わずに楽にやるのがポイントです。
STEP4 +αの効果を得るために
オーバーラッピングをして余力があったら、録音したり、音読したりすると客観的に自分の発音を意識できるのでおすすめです。
オーバーラッピングで失敗しないための注意点
オーバーラッピングで失敗しないための注意点はシンプルです。
・こだわり過ぎない
オーバーラッピングをする際は1つの教材を繰り返し使うようにしましょう。
なぜなら、1度オーバーラッピングしたくらいではリズムや発音を覚えることはできません。
また、英語を英語の順番で理解することにも慣れません。
多くの英語に触れ、オーバーラッピングをすることも大切ですが、まずは1つの教材を決め繰り返し何度もオーバーラッピングをしましょう。
1つの文章を最低60回(20回×3日間)くらいはオーバーラッピングをすると良いでしょう。
もし、音読学習もしているなら60回はやらなくてもいいかもしれません。
音読とオーバーラッピングを合わせて60回くらい出来るのが理想です。
ただし、こだわり過ぎはいけません。
60回もやるのは辛すぎるということであれば回数を減らしても大丈夫です。
英語学習において最も大切なことは続けることです。
上で紹介した4STEP等は無視して、まずはやっていて楽しいやり方でオーバーラッピングをするのも1つの手です。
慣れてきて続けられそうだったら徐々に効果的なやり方に移しましょう。
教材も楽しいと思えるものを使いましょう。
無理して世間の人々がおすすめする教材を使う必要はありません。
楽しいから入り、徐々に目的に近い教材を選んでいきましょう。
まとめ
最後にオーバーラッピングのまとめです。
オーバーラッピングには次のような効果があります。
オーバーラッピングで得られる3つの効果
・リスニング力の向上
・スピーキング力の向上
オーバーラッピングは効果がとても大きく、英語力を伸ばしたいなら絶対に行いたい勉強方法の1つです。
ですが、準備なども少し手間であり、続けるのが難しいというデメリットがあります。
まずはどんなやり方でもいいので続けることを意識してやっていきましょう。
続けられると思ったら、次のことを意識するようにしてください。
音読学習で意識したいこと
・20回×3セットはオーバーラッピングをする
・録音や音読と合わせ自分の発声を客観的にみる
繰り返しになりますが、オーバーラッピングを続けるのは大変です。まずは続けることを意識して理想の英語力を手に入れましょう。
また別記事の「シャドーイングは難しい?初心者におすすめの簡単なやり方を解説!」でシャドーイングについて解説しています。
シャドーイングもリスニング力UPにつながりますので、合わせてチェックしてみてください!
シャドーイングは難しい?初心者におすすめの簡単なやり方を解説!
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