みなさまは、TOEICの勉強をするとき、自分のレベルに合わせた対策を意識しているでしょうか。自分に合った対策をしていないと、時間ばかりが掛かる効率が悪い勉強になってしまいます。また、TOEICの参考書は巷にあふれています。選択肢が多いのは良いことですが、ここまで多いとどれを使って良いのかわからない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、レベル別のTOEIC対策と、おすすめのTOEIC対策用教材やアプリを紹介したいと思います。
編集部
TOEICの参考書選びのポイント
具体的な対策の方法やおすすめの教材の話に入る前に、まずは抑えておきたいポイントが2つあります。
一つ目は、TOEICの問題は決して難しくないということです。そのため、TOEICを攻略するために重要なのは、テクニックではなく堅実な基礎力です。一方で、リーディングは回答時間が非常に短く、800点近くとっていても解き切れないこともあります。そのため、一通り基礎的な知識を身につけたあとは、練習を積み上げスピードを上げていくことが重要です。
二つ目は、テスト開発機関であるEducational Testing Service(ETS)が製作した参考書を有効活用することです。TOEIC TESTは問題用紙や試験中のメモを持ち帰ることができません。そのため、出題された問題の情報や傾向は、ETSが圧倒的に持っているのです。つまり、公式問題集を有効活用することが、高得点の秘訣であるということができるのです。
以上のようなポイントを抑えた上で、さっそくレベル別の対策とおすすめの参考書を紹介していきます 。
全員が使う参考書
公式TOEIC Listening & Reading 問題集 7
ETSが本番のテストと同じプロセスで作った問題が収録されており、公式スピーカーによるリスニング音声を聴くことができます。バージョン1から7までありますが、全てが新形式に対応しており使うことができます。1冊3,300円で2回分の問題が収録されています。
こちらの問題集は初心者から上級者まで全員が使う参考書になります。まず、初心者の方はリーディングの問題を多読しましょう。これによりTOEIC水準の英文に慣れます。またリスニングの問題は何度も聴きましょう。これにより、英語耳が養成されます。音読を加えるとなお良いでしょう。
中級者以上の方は問題演習として使います。特にリーディングは回数をこなすことに意味があります。高速に問題を解いていくTOEIC特有のスピード感に慣れるために使います。初心者のうちは同じ問題を何度も解くことも重要ですが、問題演習としては初見で解くのが望ましいでしょう。
アスキー・メディアワークスから出版されている、松澤喜好著『英語耳 発音ができるとリスニングができる』では、TOEICの勉強における多読と音読の重要性に言及しています。多読は英文理解力の向上に、音読は発音取得のためにします。とくに初心者のうちはこれらを中心に勉強するのが、受験経験のある私のおすすめです。
TOEIC初心者(500点まで)ための対策
TOEIC初心者に必要なのは、基礎的な学習です。TOEICの参考書はTOEICの対策に主眼が置かれているので、基礎力をつけるためには適切ではありません。そこでおすすめなのが、高校生向けのテキストです。まずは、単語、熟語、文法などの基礎的な知識を習得しましょう。
また、これらとともに重要なのが英文読解(構文)です。単語や熟語、文法等を理解していても、英文の読み方を知らなければ素早く読みこなすことはできません。大学受験用の参考書の中には、構文について扱ったものが多くあるのでおすすめです。
一方、リスニングの勉強も始めます。基本的にはある程度リーディングができない限りリスニングはできません。目で見るか耳で聞くかの違いはあれども、どちらも文章を理解するものであり、読んでわからない英文を聴いてわかることはありえないからです。
そこで、この時期には本格的なリスニングのための準備を行います。単語帳は、付属している音声を必ず利用し、目だけでなく耳で覚えます。また、以下に紹介する参考書などを使いながら、イントネーションやアクセントなどを適切に理解し、少しずつ英語耳を鍛えていきます。併せて公式問題集を繰り返し聴いたり音読したりすることで、英語に慣れましょう
TOEIC初心者におすすめの問題集
システム英単語<5訂版>
多くの受験生に使われている単語帳です。全部で2,180語を収録しています。本書の作成にあったては、25年分の大学入試問題のほかに、新聞・雑誌・書籍・シナリオ・ドラマ脚本など約4億語のデータベースが用いられており、汎用的なボキャブラリーが身に付きます。
総合英語 Evergreen
こちらは、長年、受験英語の定番文法書だった『総合英語 Forest』が出版社を変えて生まれ変わったものです。全672ページという長さですが、その分網羅性が高く、英文法を体系的に理解することができます。
少し手間ですが、初心者は着実に積み上げていかないと後で苦労することになります。分量は多いですが、1ヶ月もあれば十分に読み終えることができるので、まずはこちらに取り組むことをおすすめします。
ポレポレ英文読解プロセス50
上記の二つを終えた後に取り組みたいのがこの参考書です。1993年に発売されたものですが今でも多くの受験生に利用されている名著です。英文の読み方を解説した参考書で、読み応えがあります。こちらはTOEICの文章よりも難しいものなので、もっと簡単なものでも構いません。
英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる
本書は最初に英語耳の基本である発音の重要性や、英語耳を鍛える訓練方法を解説します。発音にある程度慣れたら、好みの歌や会話を繰り返し聴くことで、英語の音を英語のみで理解しているネイティブスピーカーと同じ状態を脳の中に作り、リスニング力アップを図ります。
TOEIC初心者におすすめの問題集
高校基礎レベルの英語力を持っている方は、TOEIC対策のために作られたビジネス英単語帳や文法書を使って対策を行いましょう。また、公式問題集を使いながら、実践練習を積んでいきます。
先述したとおり、TOEICのリーディングは難易度の高い問題をじっくり解くものではなく、比較的難易度の低い問題を高速に処理していくものです。そのため、とにかく実践練習を積んで、速度を上げていく必要があります。
TOEIC中級者におすすめの問題集
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ (TOEIC TEST 特急シリーズ)
TOEIC受験生の中で圧倒的な支持を集める一冊です。最頻出にして最重要な1,000語が収録されています。スマートフォンで無料の音声アプリを使用することができます。音声を聴いて正しい発音を覚えることはリスニングの勉強にもなるのでぜひ利用しましょう。
TOEIC Listening & Reading 公式ボキャブラリーブック
ETS公式の単語帳で、過去のテストから厳選した1,000語が収録されています。テストに出たままの例文で学べるのが最大の魅力で、単語の使われ方が理解できるため、受験生にとって必須の1冊です。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
TOEICのPart 5(短文穴埋め問題)で出題されるタイプの文法問題のみを1,049問収録しています。高校基礎レベルの文法や基本単語を理解できている方が、大量の問題演習を通じてスコアアップを目指すためのものです。
公式TOEIC Listening & Reading プラクティス リーディング編
スコア350~700点レベルで、リーディングセクションを集中してじっくり学習したい方向けのスキル別学習教材です。公式問題318問を収録しています。いわゆる解説書の部類に入る参考書で、英文法や英語読解についても学べます。ETSから出版されているので信頼度は抜群です。
公式TOEIC Listening & Reading プラクティス リスニング編
上記と同じシリーズのリスニング編で、リスニングセクションを集中してじっくり学習したい方向けのスキル別学習教材です。公式問題333問を収録しています。問題を作成しているETSが各パートの聞き取りのポイントを解説してくれているので、受験生必須の一冊です。
TOEIC上級者のための対策
このレベルに到達すると基本的に弱点はありません。あとはどれだけ精度を高めていけるかが勝負です。より難易度の高い単語を習得するとともに、実践練習をさらに積み上げていく必要があります。
TOEIC上級者におすすめの問題集
TOEIC L&R TEST 上級単語特急 黒のフレーズ
先述した、受験生に定番の単語帳『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』と同じ『TOEIC TEST 特急シリーズ』ですが、著者は違います。本書には600点までの受験者が抑えているような基本単語は載っていません。上級者がさらに得点を上げるための一冊です。
公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング リーディング編
TOEIC Listening & Reading Testのリーディングセクションの問題を20セット、375問収録しています。先述の通り、リーディングセクション攻略のポイントは、問題を高速に処理していくことです。これに関しては練習あるのみですので、実践経験を増やすために使いたい一冊です。
公式 TOEIC Listening & Reading トレーニング リスニング編
上記と同じシリーズのリスニング編で、リスニングセクションの問題を20セット、372問収録しています。公式スピーカーによる音声を収録しており、リーディング編よりも貴重な一冊です。
TOEIC受験者におすすめのアプリは?
誰もがスマートフォンを持つ時代になって勉強の仕方も変わりました。今や隙間時間に簡単に勉強ができる時代です。中には完全に無料で使えるアプリもあります。効率的な学習におすすめのスマートフォンアプリを紹介します。
TOEIC presents English Upgrader
ETSの無料公式アプリです。さまざまなシチュエーションでの会話を聴くことが出来ます。リスニングモードとクイズモードの2つがあります。特にリスニングモードはラジオのような感覚で手軽に聴くことが出来ておすすめです。英文や和文の他に重要なフレーズなどがまとめてあり、使いやすさも抜群です。公式アプリが無料で使えるので使わない手はありません。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
先ほど紹介した定番単語帳のアプリ版です。本に比べて携帯性に優れており、場所を選ばず勉強することが出来ます。また、単語帳機能など、それぞれの学習状況に合わせた使い方ができます。単語の記憶には音声の利用が必須であることを考慮すると、こちらが定番になる時代が来るかもしれません。
また、こちらの動画「英語独学者必見!できる人はみんな使ってる英語学習ソフト・アプリ」でも英語学習におすすめなソフトやアプリをご紹介していますので、あわせてご覧になってみてください。
まとめ
今回は、TOEICの対策とおすすめの参考書やアプリを紹介しました。TOEIC対策のポイントは、基礎知識を身につけることと、ETSから出版される公式問題集を有効活用することです。また、最近ではスマートフォンアプリも充実してきていますので、隙間時間を有効活用して、効率的な英語学習をしていきましょう。
編集部
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