英語の語順が分からない人へ!ルール・トレーニング法を分かりやすく解説

英語の語順が分からない人へ!ルール・トレーニング法を分かりやすく解説

こんにちは、むつです!私はフリーで翻訳や通訳をしています。
ただ、私は元々英語ができたわけではありません。

初めて海外に行ったのは20歳、当時のTOEICは600台、留学した時は25歳と遅いスタートでした。
以降は独学中心で英語学習を続け、TOEICも900点を超え、英会話スクールで社会人に英語を教えたり、海外首相夫人に通訳をこなすことが出来るほどになりました。

今回は英語が苦手な方がつまづきやすいやすい「英語の語順」について解説します。
あなたが自信を持って英語が話せるようになるため、わかりやすく解説していきますね!

また、こちらの動画「英会話教室の社長が徹底解説!英語の語順をマスターする方法」でも、詳しく解説していますので、あわせてご覧になってみてください。

英語を理解するには「語順」が大事!

日本人が英語を学習するのに混乱する大きなポイントの1つに「語順」があります。
なぜなら、英語と日本語は語順が異なるからです。

日本語は「私は公園へ行く」を「公園へ私は行く」と変えても同じ意味で、助詞(「で」「に」「を」「は」など)で、主語か動詞かという関係性を示しています。

一方、英語で“I go to the park.” を”The park goes to me.”にしたらどうなるでしょう?
全く違う意味になってしまいますね。

英語の語順は、基本的に「主語→動詞」。
単語の並び方、すなわち語順で関係性を示しています。

英語は語順で意味が決まるので、語順を間違えると違う意味になってしまいます。
だからこそ、英語学習は語順が大事なのです。

英語の語順のルールをマスターしよう

語順の具体的な話をするには、中学・高校で学んだ英語文の型「文型」を思い出してみましょう。
英語には5つの文型があります。

英語の文型とは?

文型とは何でしょう。
英語の文を構成する主な要素には、

POINT
S(主語)
V(述語動詞)
O(目的語)
C(補語)

という4つがあります。
これらがどのように並んでいるかを分類したものが文型です。

文型には5パターンあります。

POINT
第1文型「SV」
第2文型「SVC」
第3文型「SVO」
第4文型「SVOO」
第5文型「SVOC」

それでは以下で詳細を見ていきましょう。

英語の5文型の特徴

●第1文型「SV」

第1文型は「S(主語)がV(動詞)する」という文型です。
「主語+動詞」で完結するので、目的語を必要としないので、Vには自動詞(目的語を必要としない動詞)しか入りません。

He smiled. (彼は笑った。)
S V

●第2文型「SVC」

第2文型はSVC(主語+動詞+補語)で成り立つ文型です。

「S(主語)はC(補語)という状態である(V=動詞)」という意味になります。
「補語」は、主語や目的語の説明を補う言葉です。
ここには名詞や形容詞が入ります。

She is funny. (彼女は愉快な人だ。)
S V C

第2文型のポイントはこちらです。

POINT
  • be動詞の文である
  • S=Cの関係が成り立つ
  • Vのあとに形容詞あるいは名詞がくる

●第3文型「SVO」

第3文型の語順はSVO(主語+動詞+目的語)です。
「S(主語)がOを/OにVする(動詞)」という意味になります。

I Play baseball. (私は野球をする。)
S V O

大切なのはこの第3文型のVには他動詞しか入らないということ。
他動詞とは、目的語を必要とする動詞のことです。
自動詞しかVに入らない第1文型とは逆ですね。

また、第3文型は第2文型と同様、Vのあとに名詞がくることがあります。
第2文型のCも第3文型のOも、名詞をとることもあります。

ただ第2文型か第3文型の違いは、第2文型「主語=名詞」であるのに対し、第3文型は「主語=名詞」が成り立ちません。

●第4文型「SVOO」

第4文型の語順はSVOO(主語+動詞+目的語1+目的語2)です。
「SがO1にO2を与える」という意味になります。第4文型は目的語(O)を2つとります。

目的語をとるということは、Vは他動詞ですね。
動詞(V)のあとに名詞が2つ続いた場合は第4文型の可能性が高いです。

He gave me a ring. (彼は私に指輪を渡した。)
S V O O

●第5文型「SVOC」

第5文型の語順はSVOC(主語→動詞→目的語→補語)です。
「SはOがCするのを~する」「SはOをCだと~する」という意味になります。目的語をとるのでVは他動詞です。

I call her Sarah. (私は彼女をサラと呼ぶ。)
S V O C

第4文型が目的語を2つとるのに対して、第5文型は目的語と補語を1つずつとります。

第4文型ではO1≠O2であるのに対して、第5文型ではO=Cの関係が成り立ちます。
第2文型ではS=Cだったように、O=Cとなるのです。

Oは基本的に名詞ですがCは名詞・形容詞をとりうるので、Vのあとに「名詞+形容詞」が続いたら第5文型のサインです。

英語ネイティブの頭の中を知ろう

ところで、英語ネイティブは普段、どのように英文を理解しているのでしょう?

以下の例文を通して見てみましょう。

I was watching TV when my dad called me.
父が電話した時、私はTVを見ていた。

英語は主語の後に動詞(結論)が来るので、ネイティブはI was watchingから「何かを見ていた」と理解します。

そのあとにTVを見ていたとイメージします。

そしてwhenが来て「そのとき何が起きたんだろう」とイメージし、my dad calledで電話をかける父親の姿を想像し、meと聞いて誰に電話をしたのか理解します。

このように、英文を頭から読み進めることで、どんどんとイメージが膨らんできたのがわかるでしょうか?
英語は「主語→述語(結論)」と結論を先に言うので、そのあとに続く言葉は補足情報の役割としてイメージを膨らませてくれるのです。

では一方、日本で教えられる英語教育ではどうでしょう?
まずは英語を一旦日本語に訳してから理解するよう習いませんでしたか?

でも日本語は語順が逆なので、文を最後まで聞かないと述語(結論)がイメージできないです。

日本語の語順に当てはめようとしている分、「英文を頭から聞いてイメージを膨らませていく」工程が遅れてしまい、1つ1つ理解しようとしているうちに情報が溢れ、最初に聞いた情報を忘れてしまい、結局何の話をしていたかもわからなくなってしまうのです。

しかし英語の語順のまま読めれば、英語を日本語の語順に直す「返り読み」をすることなく、聞こえたまま理解をすることができます。
TOEICや英検のリスニングや長文読解においても、素早く意味を理解できるようになります。

ぜひトレーニングを積むことでリアルタイムに英語を理解し、英語でコミュニケーションを取る楽しさを感じていただければと思います。

英語の語順のトレーニングのおすすめをご紹介

それでは、英語の語順のトレーニングのおすすめをご紹介します。

意味別に要素を分解して理解する

英語の語形は基本「主語→述語」だとお伝えしましたが、
具体的には「だれ/する(です)/だれ・何/どこで・どうやって/いつ」で展開されます。

具体的に例文を使って見てみましょう。

We play tennis at the park on weekends.
私は週末、公園でテニスをします。

これを意味のまとまり毎に分けると、以下のようになります。

We/play /tennis/ in the park/ on weekends.
私たち/する/テニス/公園で/週末に

「だれ/する(です)/だれ・何/どこで・どうやって/いつ」の形になっていますね。

このように「/」(スラッシュ)で意味のまとまり毎に区切ってみると、各まとまりの役割をよく理解できると思います。

それでは、今度は皆さんが考えてみましょう。
「私は 昨日 マイケルと 映画を 観た。」の文章を英語にしましょう。

以下の単語を並び変えてみてください。

Yesterday/ a movie / I / with Michael / watched /

「だれ/する/だれ・何/どこで・どうやって/いつ」に当てはめると
だれ→「私は」/する→「観た」/何→「映画を」/どこで・どうやって→「マイケルと」/いつ→「昨日」 
になるので、

I/watched/ a movie/ with Michael/ yesterday.

となりますね。
できましたか?

なお、「だれ/する(です)」の「主語+述語」は常に必須ですが、
それ以降の「だれ・何/どこで・どうやって/いつ」は詳細説明なので、常にすべての要素が含まれているとは限らないです。

ちなみに、私は「どこで・どうやって/いつ」の順番がわからなくなったら、「『ば(場所)・ほう(方法)・じ(時間)』の順で覚えよう」と中学の頃、教えられました。
この教えは今でも役に立っています。

スラッシュリーディングは「スラッシュリーディングのやり方のコツは?効果・弊害・教材おすすめをご紹介」で詳しく解説していますので、あわせてご覧になってみてください。

スラッシュリーディングのやり方のコツは?効果・弊害・教材おすすめをご紹介 スラッシュリーディングのやり方のコツは?効果・弊害・教材おすすめをご紹介

イメージで理解する

英語の語順のままスピーディに理解するには、和訳して理解するクセから抜け出しましょう。
そして、聞こえてきた順番から、聞こえてきたものの具体的なイメージをするトレーニングをしていきましょう。

“She eats a strawberry.”と聞いたら、と日本語に直すのではなく、「彼女」→「食べている姿」→「真っ赤なイチゴ」を想像して、感覚的にイメージを広げていきましょう。

単語から頭の中にイメージを作れると、多少長い文になっても情報が流れていきにくくなります。

それから段々と長い文に挑戦していって、イメージ化のトレーニングをより強固なものにしていきましょう。
色々な英語の文章を読んでいって、慣れてきたら色々な英語を聴くようにしましょう。

まとめ

英語の語順が分からない人へ!ルール・トレーニング法を分かりやすく解説

いかがでしたか?英語は語順がいかに大切かご理解いただけましたか?
英語の語順は日本語と違うので、慣れるまでは難しいと感じるかもしれないですが、ルールはシンプルなので理解できたら簡単に英文を組むこともできます。

ちなみに、口語では、名詞(ものの名前)を動詞の場所に置いて動詞として使われることもあります。

I google it. →グーグル検索する/ググる。
Text me. →テキスト(携帯メール)送って。

日本語のように、「○○する」の形にしなくても動詞になるので、語順を覚えておくと色々な表現が可能になります。

最後に、我々日本人が英語を勉強するのはとてもすごいことだとお伝えさせてください。
非英語ネイティブの外国人が英語を流暢に操るのを見て、「同じ非ネイティブなのに私は下手だ・・・」と自信喪失しがちです。

しかし、英語と同じ語順を持つヨーロッパ圏の言語は、語順をこねくり回すことなく、単語を入れ替えるだけなので、ずっとスムーズに英語にできるのです。
似ている単語も多いです。

一方、英語と語順も単語も違う日本語話者の私たちが英語を学ぶのは、それだけで大きな仕事をこなしていると言えるのです。
英語で間違えることがあっても、ぜひ自信とプライドを持って学び続けていただければと思います。

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