英単語や文法を覚えて英語でコミュニケーションが取れるようになりたいですよね。
でも、下記にあげたような悩みを持っている人は、初心者から中級者の方でも多いのではないでしょうか。
・とっさに言葉が出なくて会話に詰まってしまう
・ネイティブのような表現がしたいのになかなかできない
英語が上達していることを感じられないと不安になってしまいますよね。
英会話力をアップさせたいと考えている人は「パラフレーズ(言い換え)」を意識して英語学習することをおすすめします。文章を言い換えることで使える語彙が増え、いろいろな表現方法が身についていくからです。
ayama
英語がうまく話せなくても「なんとかなる精神」で乗り切りながら学習を続けています。
大山俊輔 - 対談人
この記事では、英語初心者から今現在既にTOEICなど一定のスコアはあるけど、会話だけは・・・という方に、パラフレーズのやり方・コツ、練習方法を紹介していきます。とても、効果がある方法なので、お役に立てますと幸いでございます!
【例文あり】パラフレーズによる言い換えってどんなスキル?
もともと、パラフレーズは同時通訳者のトレーニング方法として紹介されていたり、アカデミックライティングの必須スキルであったりするため、ハードルが高く感じられることもあるそうです。
でも、ご安心ください。パラフレーズ自体は高度な英語レベルでないとできないというものではありません。日々、私たちが日本語などでもしょっちゅう気づかないうちに使っているテクニックです。
例えば、子供に「十人十色だね」といっても意味は分かりませんよね。でも、「みんな違うけれども、それぞれがいいね」だったら、なんとなく、子供でも意味が分かります。このように、伝えたいことを言い換えを通じて別の伝え方で伝達することをパラフレーズといいます。
パラフレーズとはどのようなスキルなのか、簡潔に説明していきます。
元の文章の意味はそのままで表現する
パラフレーズとは「誰かが言ったことや書いたことを違う単語を使って表現すること」です。
実際のパラフレーズがどのようなものかイメージを持つために、アカデミックライティングのテキストを参考にパラフレーズで言い換えた文章の例を見てみましょう。
原文:Language is the main means of communication between people.
言語は人々がコミュニケーションする主な手段です。
パラフレーズ:Human communicate through language.
人間は言語を通じてコミュニケーションします。
【例2】
原文:But so many different languages have developed that language has often been a barrier rather than an aid to understanding among peoples.
しかし、非常に多くの異なる言語が発達しているため、言語は人々の間で理解するための助けではなく、しばしば障壁となっています。
パラフレーズ:Because there are so many different languages, however, people around the world have a difficult time understanding one other.
しかし、言語は非常に多いため、世界中の人々がお互いを理解するのに苦労しています。
どちらの例もパラフレーズした文章は元の文章の意味を変えずに別の言葉を使って表現していること、元の文章よりもわかりやすい表現になっていること、がおわかりいただけたと思います。
自分の言葉に置き換えて、わかりやすく表現することがパラフレーズでは重要です。
これはライティングだけでなく日常英会話やビジネス英会話においても同様です。
サマリー(要約)とは異なるスキル
パラフレーズと似ているスキルに「サマリー(Summary)」があります。
パラフレーズもサマリーも元の文章を理解しやすくするためのスキルですが、パラフレーズは「原文と同じくらいの長さの文章にする言い換え」、サマリーは「原文よりも短い文章でまとめる言い換え」と区別できます。
なぜならサマリーには話の要点を押さえて簡潔に表現するという特徴があるからです。
リスニングで聞いた話の要点を覚えておくのにはサマリーのスキルを活用するとよいですが、スピーキングにおける表現力を増やしていくためには一文ずつ言い換えていくパラフレーズを練習することをおすすめします。
その方が使えるようになる単語や表現が確実に増えていくでしょう。
パラフレーズで英会話力が向上するのはなぜ?
たくさんの単語を知っていたとしても、自分の言葉で話すことや相手との意思疎通を図ることができなければ英会話力が高いとは言えないでしょう。
パラフレーズをすれば英会話力の向上が期待できます。その理由を3つ説明します。
相手が話している内容を正しく理解できているか確認できる
相槌を打ちながら相手の話を聞いているとわからない単語や内容になっても相手がひたすら話を進めてしまい、内容をよく理解できないまま会話が終わってしまったという経験をした人もいるのはないでしょうか。
これは内容を確認するタイミングを逃してしまったことが原因ですが、話の腰を折って質問するのはなかなか難しいですよね。
そんな時に使えるスキルがパラフレーズです。
相手の言っている内容がよくわからないなと思ったら、理解できた内容をパラフレーズで言い換えて相手に確認してみましょう。
合っていればその通りだと返してくれますし、間違っていれば相手がわかりやすくパラフレーズして教えてくれるでしょう。
自分の言ったこと・言いたいことを相手が理解しているか確認できる
相手の内容だけでなく、自分が言った・言いたい内容が相手に正しく伝わっているか確認したい時にもパラフレーズは有効です。
この場合は相手にパラフレーズしてもらいましょう。
パラフレーズしてもらった内容が自分の意図するものと同じであれば、相手は正確に理解しており、自分の英語も相手に通じるレベルであるということが確認できます。
適切な単語や表現がとっさに出てこなくても言いたいことを伝えられる
自分が言いたい内容を表す単語がわからない時は、既に知っている単語を使ってパラフレーズします。
これは日本語でも自然にやっています。
名称を知らないモノを伝える場合、いろいろな観点から特徴を説明し続けたことはないでしょうか。
英語の場合でも、日本特有の文化・風習などぴったりと当てはまる単語・表現がない場合に使うことができるスキルです。
パラフレーズによって語彙力をカバーしながら会話を続けることができるのです。
表現力を増やすパラフレーズのやり方とコツ
ここではパラフレーズのやり方を先ほどの例文を使用しながら説明します。
大山俊輔 - 対談人
単語を類義語や句動詞、慣用句に言い換える
パラフレーズの一番簡単な方法は、単語レベルで言葉を置き換えることです。
似た意味を持つ別の単語、すなわち類義語に変換します。
先ほど挙げた例文ではpeopleをhumanに言い換えています。
また類義語の他に、句動詞(phrasal verbs)や慣用句(idioms)を使うと、ネイティブスピーカーのような自然な表現で会話できるようになります。
ネイティブスピーカーは句動詞や慣用句を多用しながら会話しているからです。
特に、家族や友人と話す時はカジュアルな話し方になるので句動詞や慣用句による表現が多くなります。
構文を変える
単語レベルでの言い換えができるようになってきたら、次は構文を変えることによって文章を言い換えてみましょう。
単語レベルの言い換えでは文章自体には大きな変化はないように感じますが、構文を変えると完全に別の文章になった印象をもつと思います。
構文を違うものに変えるには、受動態の文章は能動態にする、主語を文章内の別の単語にして同じ内容を表現するといった方法があります。
先に挙げた例2では、原文の後半部分(languageで始まる部分)がパラフレーズでpeopleを主語にする文章になっています。
文章自体は全く別物ですが、両方の文が同じことを表現しています。
原文:But so many different languages have developed that language has often been a barrier rather than an aid to understanding among peoples.
パラフレーズ:Because there are so many different languages, however, people around the world have a difficult time understanding one other.
難しい言葉や概念はシンプルな表現で説明する
パラフレーズは元の内容を理解しやすくするための言い換えのスキルだと説明しました。
聞いている相手が「わからない」と言わなくなるまで、簡単な単語・表現に落とし込んで表現してみてください。
また、日本語でも理解することが難しい言葉や概念などもあります。
そのような場合には英語で考えることも難しいと思いますので、まずは日本語で簡単な文章に言い換えて、それから英語に翻訳するのもよいでしょう。
パラフレーズの文の前に枕詞を置く
相手の話した内容を理解できているか確認するためにパラフレーズする際には、次のフレーズを言ってから続けるのも効果的です。
この一言を添えることでこれから内容を確認したいという意思表示にもなり、話をきちんと聞いているという印象を相手に与えることができます。
…ということですか?
・What you are saying is that …
あなたが言おうとしているのは…
・Let me see if I understand you.
理解できているかどうか確認させて。
・I’m not sure I‘ve got it right.
正しく理解したかわからないけれど。
パラフレーズによる言い換えスキルを高めるための練習方法
ここではおすすめのパラフレーズ練習方法を3つ紹介します。
英英辞典・類語辞典を活用して英作文する
パラフレーズに慣れるまでは日本語で言い換えを考える必要があるかもしれませんが、慣れてきたら日本語を介さずに英語で考えられるようになれるといい
ですよね。
そのためには頭の中に「英語脳」とも言われる英語の思考回路を作る必要があります。
英語脳を作るのに役に立つのが英英辞典と類語辞典です。
英英辞典はすべて英語で記載されていますので、英単語を英語で説明する、すなわち英単語を文章で言い換えるパラフレーズの例文集として活用することができます。
類語辞典には似た意味を持つ単語が記載されていますので、ある言葉をパラフレーズしようと思った時に類語辞典に乗っている単語を使えば原文の意味が大きく外れることはないでしょう。
英英辞典も類語辞典もオンラインなら無料で利用できるものがあります。
ここでは一部を紹介しますが、それ以外にもたくさんオンライン辞典があるので使い勝手のよいものを探してみてください。
英英辞典と類義語辞典があり、画面上部で切り替えが可能です。
thesaurus.comの検索結果画面では、その単語を使って作文すると類語を使った別の文章を見ることができます。
https://www.dictionary.com/
https://www.thesaurus.com/
◆Lexico
オックスフォード大学出版局によって運営されているオンライン辞典です。
検索結果画面で例文や類語を確認できます。例文の量が多く、英作文する際の参考になります。
https://www.lexico.com/
英語字幕付きの映画やドラマを観てセリフを自分の言葉で言い換える
英語の映画やドラマに出てくるセリフを覚えて英語表現を増やす努力をしている人は多くいると思います。
この時にセリフを丸暗記するのに加えてパラフレーズもしてみましょう。
登場人物たちの会話には句動詞や慣用句が多く使われているので、知っている表現でないと全く聞き取れない・理解できないという状況に陥りがちですが、パラフレーズによって簡単な表現に言い換えることで登場人物が何を言おうとしていたのか理解する助けとなります。
同時に自分の表現のストックを増やすことが可能になるでしょう。
ネイティブスピーカーとの会話やメールから自然な表現を学ぶ
知り合いにネイティブスピーカーがいる人は、ぜひ彼らとの会話やメールをよくチェックしてみてください。
彼らは友人と話す時にはカジュアルな表現を使っているでしょう。
それは教材からはなかなか学ぶことができない、自然な英語です。
チェックできた表現はぜひ今度自分が英語を書く・話す時に使ってみてください。
また、会話の中で自分の発言を相手にパラフレーズで言い換えてもらうと、自分が言いたかったことをより自然に表現する方法を学ぶことができるでしょう。
ネイティブスピーカーとの接点がなければ、英会話レッスンを受けてみるのもおすすめです。
英会話レッスンは、スクール型、マンツーマン、オンラインなどさまざまな形態があるので、目的や予算・スケジュールに合ったレッスンを選ぶとよいでしょう。
まとめ
今回は表現力を高めて英会話力をアップするパラフレーズの方法について説明しました。
パラフレーズはオリジナルの文章の意味を変えずに自分の言葉で言い換えをするスキルです。
文章の言い換えを意識するようになると新しい語彙や表現を覚えることができるので、英語の表現力がアップします。
パラフレーズの練習は辞書で語彙を増やしたり映画やドラマのセリフを言い換えたりすることができますが、やはり一番効果的なのは直接ネイティブとやり取りをして活きた表現に触れることです。
ぜひ様々な言い換え表現をしながら英会話のスキルアップをしてくださいね。
ayama
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