英語の勉強をする全ての人がぶつかる難題、それは単語力です。
例えば英語検定の合格のために必要な英単語数について、2級は約5,100語、1級は約10,000~15,000語と言われています。
そんな膨大な数、何の工夫もなく、覚えられるはずがありません。
では、どんな工夫が必要でしょうか。
それは、語幹・接頭語・接尾語です!
例えば、漢字の魚という字を知ってさえいれば「魚」へんの難しい漢字が出てきても、何か魚の一種を示しているのだなと予想できます。
それと同様にこの語幹・接頭語・接尾語を1度覚えてしまえば、その英単語の意味を深く理解でき、長期記憶に繋がったり、知らなくても意味を予想出来たりします。
大山俊輔 - 共同監修人
この記事では、特に接頭語に焦点を絞って話を進めていきたいと思います!
しっかり覚えて、英単語を一網打尽にしましょう!
英単語の覚え方を効率的にしたい人が知っておくべき英語の基本的な接頭語5選
これらの接頭語は様々な単語に適用されているため、汎用性が高く、覚えておくべき5つとなっています。
これらをイメージとして捉えることで、長文の読解時間の短縮にも繋がりますよ!
それでは見ていきましょう!
大山俊輔 - 共同監修人
英語の接頭語1「ex:外へ ・完全に」
接頭語の「ex」は「外へ・外に(out)」の意味を示します。
「中」から「外」へ出ると、はっきりするということを覚えてください!
この形容詞化したものがexcellent(素晴らしい)となります。
・export(輸出):ex(外へ)+port(運ぶ)=外へ運ぶ→輸出
・express(表現する):ex(外へ)+press(押し出す)=内から外へ押し出す→表現する
・exclude(~を除く):ex(外へ)+closeと同じ意味のclude(閉じる)=外へ出して閉じる→~を除く
また派生として「中」から「外」へ出てはっきりする、つまり「完全に」物の形を把握できることから「完全に」という意味も持ちます。
英語の接頭語2「in,im,i:否定・中に」
接頭語の「in,im,i」は「否定」と「中に」という2つの意味があります。
それぞれ確認して見ましょう。
・immediate(すぐに):im(否定)+mediumを語源とするmediate(真ん中)=真ん中を否定する→真ん中をとる→右端と左端がすぐにくっつく→すぐに
・invisible(目に見えない):in(否定)+visualを語源とするvisi(見る)+ableを語源とするble(できる)=見ることができるの否定→目に見えない
・illegal(違法な):i(否定)+legal(法律的な、合法の)=合法の否定→違法な
※このillegalは単語の難易度として高めですが、接頭語を覚えるとすぐに思い出せますね!
※includeは「ex」で出てきたexclude(~を除く)とセットで覚えよう!
・infect(感染させる):in(中に)+fect(作る)=(ウイルスが)中で作る→感染させる
・income(収入):in(中に)+come(入ってくる)=中に入ってくるもの→収入
・immigrant(移民):im(中に)+migrate(移住する)=中に移住する→(国内に移住する)移民
※(国内から海外へ移住する)移民はemigrantと言います。
emigrant(移民):e=ex(外へ)+migrate(移住する)=外へ移住する→(国外へ移住する)移民
英語の接頭語3「com,con,co:共に・完全に」
接頭語の「com,con,co」は「共に」、「完全に」という2つの意味があります。
それぞれ見ていきましょう。
・contract(契約する):con(共に)+tract(引く)=ともに引く→契約する
・constitute(構成する):con(共に)+stitute(立つ)=ともに立つ→(他の人と共に)構成する、制定する
・contend(競い合う):con(共に)+tend(向かう)=ともに向かう→(共に同じ方向に向かって)競い合う、争う
・conclude(結論を下す):con(完全に)+closeと同じ意味のclude(閉じる)=完全に閉じる→結論を下す
・convince(納得させる):con(完全に)+vince(征服する)=完全に征服する→納得させる
英語の接頭語4「re:後ろに戻る・再び」
接頭語の「re」は「後ろに戻る」という意味です。
「後ろに戻る」で覚えておくと、広い範囲の単語に対応でき、汎用性が高いです。
・reserve(予約する):re(後ろへ)+serve(保つ)=後ろで保っておく→予約する、取っておく
・return(帰る):re(後ろへ戻る)+turn(回転する)=回転して後ろへ戻る→帰る
後ろに戻って、元通りになるという意味から「再び」という意味も加わりました。
日本人にとってはこちらの方が身近に感じるかと思います。
・retake(やり直し):re(再び)+take(撮る、する)=再び撮る、する→撮影のやり直し、再受験する
・restore(復元する):re(再び=元に戻す)+store(場所、持ち主)=元の場所へ戻す→復元する、修復する
英語の接頭語5「dis:否定」
接頭語の「dis」は「否定」を表します。
日本語でも「ディスる」という言葉で「ばかにする、軽蔑する」の意味で使われていますが、それの語源となっています。
マイナスのイメージを持っておきましょう。
・discover(発見する):dis(否定)+cover(~を覆う)=覆うことを否定する→覆って隠れていたものを取る→発見する
・disorder(~の秩序を乱す):dis(否定)+order(整理する)=整理することを否定する→秩序を乱す
※このdisorderは「障害のある」という意味でもよく使われています。
(例)ASD(Autism Spectrum disorder):自閉スペクトラル症
・distrust(疑惑):dis(否定)+trust(信用する)=信用することを否定する→信用しない、疑惑
知っていると便利な英語の接頭語20選
カテゴリ別で書かれているため、自分が覚えたい分野から確認してみてください。
否定形
まず、最初は否定形です。
基本5つの接頭語の「in,im,i」や「dis」でも登場しましたが、それ以外にもたくさんの否定形を作る接頭語があります。
確認してみましょう!
英語の接頭語6「anti:反・抗」
接頭語の「anti」は「反・抗」の意味を持ちます。
よく日本語で否定する人たちのことを「アンチ」と言いますが、それの語源となっています。
・antibacterial(抗菌性の):anti(抗)+bacterial(菌)=抗菌性の、抗菌の
・antipathy(嫌悪):anti(反対)+pathonを語源とするpathy(感情)=感情が反対する→嫌悪、嫌な
・antithesis(対立):anti(反対)+thesis(置く)=(あるものの)反対に置く→対立する
英語の接頭語7「un:~ではない」
接頭語の「un」は「~ではない」という意味となります。
・unbelievable(信じられない):un(ではない)+believ(信用する)+able(可能な)=信用することが可能でない→信じられない
・uncomfortable(快適ではない):un(ではない)+comfort(快適な)+able(可能な)=快適な状態が可能でない→快適ではない
・unsatisfied(不満足な):un(ではない)+satisfied(満足な)=満足ではない→不満足な
英語の接頭語8「ob,o:~に反して」
接頭語の「ob,o」は「~に反して」という意味を持ちます。
・omit(省略する):o(〜に反して)+ mit(送る)=送ることを反対する→省略する
・offence(違反、反則):of=ob(~に反して)+fend(打つ)+se(~の状態)=反対側に打つ→間違った方向へ働きかける→違反、反則
※このoffenceから意味が転じて「攻撃」となり、よくスポーツで耳にする意味となります。
位置系
続いて、位置系の接頭語です。
上下を表す接頭語など様々な語がありますので、一緒に確認していきましょう!
英語の接頭語9「sub:下」
接頭語の「sub」は「下」という意味です。
・submarine(潜水艦):sub(下)+marine(海)=海の下→潜水艦
・substance(物質):sub(下=土台)+stance(立つ)=土台にしっかり立つ存在→物質
・subscribe(署名する):sub(下)+scribe(書く)=(書類の)下の方に名前を書く→署名する、登録する
※現在流行りのsubscription(サブスク)はsubscribeの名詞となっています。
英語の接頭語10「super:上に」
接頭語の「super」は「上に(over)」の意味を持ちます。
そこから派生して、よく日本語で使われる「超」という意味が出てきました。
・superficial(表面の):super(上の)+fici(顔)+al(形容詞化)=顔の上の表面→表面の
・superior(優れている):super(上の)+or(比較級)=より上の→優れている
英語の接頭語11「sur:上の」
接頭語の「sur」は「上の」という意味を表します。
・surmount(克服する):sur(上の)+mount(上る)=上に登る→~を克服する
・surpass(~より勝る):sur(上の)+pass(通る)=~の上を通る→~より勝る
・surround(取り囲む):sur(上の)+round(丸い)=さらに丸くなる→取り囲む
英語の接頭語12「inter:相互の・間」
接頭語の「inter」は「相互の」、「間」という2つの意味を持ちます。
それぞれ見ていきましょう。
・interview(~と面接をする):inter(相互に)+view(見る)=相互に見る→面接をする
・interchange(交換する):inter(相互に)+change(変化する)=相互に変化する→(お互いに)交換する
・interfere(~を妨げる):inter(間)+ferirを語源とするfere(打つ)=間に打つ→間に割り込む→妨げる、干渉する
・interval(間隔):inter(間)+vallumを語源とするval(壁)=壁と壁の間→間隔
変化・移動系
続けて、変化・移動系です。
英語は日本語よりも正確に物事を伝えるために、方向をはっきりと示す語が多くなっています。
一つ一つ確認していきましょう!
英語の接頭語13「ad:~へ」
接頭語の「ad」は「~へ」という意味を持ちます。
・advise(忠告する):ad(~へ)+videreを語源とするvise(見る)=(商品など)の方を見る→(商品などを見て)忠告する、アドバイスする
・admit(許可する):ad(~へ)+mit(送る)=(物をある場所)へ送る→ある場所へ入らせる→(入ることを)許可する
※入学することはadmitの名詞のadmissionを使います。
(学校に入ることを)許可する。
英語の接頭語14「trans:別の場所へ」
接頭語の「trans」は「別の場所へ」という意味を持ちます。
・transplant(移植する):trans(別の場所へ)+plant(植える)=別の場所へ植える→(植物や臓器を)移植する
※臓器移植を英語で言うと organ transplantation となります。
・transform(変形する):trans(別の場所へ)+form(形)=形が別になる→変形する
英語の接頭語15「en:~にする」
接頭語の「en」は「~にする」という意味を持ちます。
・encourage(~を励ます):en(~にする)+courage(勇気)=勇気を持たせる→励ます
・enrich(~を豊かにする):en(~にする)+rich(豊か)=豊かにする
・enlighten(~を啓蒙する):en(~にする)+light(明るい)+en(する)=(学ぶことで目の前の事象を理解でき)明るい状態にする→啓蒙する、教える
英語の接頭語16「a:状態にある・~に方へ」
接頭語の「a」は「状態にある」、「~の方へ」の2つの意味があります。
それぞれ見ていきましょう。
・alive(生きている):a(状態にある)+live(生きる)=生きている状態にいる
・abroad(海外で):a(状態にある)+broad(広い)=(自国よりも)広い状態にいる→自国の狭い状態から世界へと広い状態にいる→海外で
・approach(~へ近づく):a(~の方へ)+proach(近づく)=~の方へ近づく→~へ近づく
※「a」にtoを意味する「~の方へ」が含まれているため、他動詞(前置詞を使わずにそのまま目的語が来る動詞)となります。
英語の接頭語17「pro:前へ」
接頭語の「pro」は「前へ」という意味を持ちます。
・project(計画):pro(前へ)+ject(投げる)=前の方へ投げる→映像や目標を前へ投げる→計画、投影する
・produce(製造する):pro(前へ)+dewkを語源とするduce(導く)=前へ導き(生み出す)→製造する、生産する
その他
最後はその他になります。
この中では、時間や数、程度などを表す接頭語を紹介していきます。
早速見ていきましょう!
英語の接頭語18「pre:前もって」
接頭語の「pre」は「前もって(before)」という意味を持ちます。
・predict(~を予言する):pre(前もって)+dict(言う)=前もって言っておく→予言する
・prejudice(~に偏見を持つ):pre(前もって)+iudexを語源とするjudice(判断する)=前もって判断する→偏見を持つ
・premise(前提):pre(前もって)+mise(置く)=前もって置いておく→前提
英語の接頭語19「per:徹底的に」
接頭語の「per」は「徹底的に」という意味を持ちます。
・perceive(知覚する):per(徹底的に)+ceive(受け取る)=徹底的に受け取る→知覚する
・parfait(パフェ):par=per(徹底的に)+fait(作る)=これ以上ないほど作りこまれた→パフェ
・permit(許可する):per(徹底的に)+fect(送る)=徹底的に送れる→許可する
英語の接頭語20「uni:単一の」
接頭語の「uni」は「単一の」という意味を持ちます。
・universe(宇宙):uni(単一の)+verse(変える)=(全てのモノを)一つに変えられたもの→宇宙
・unite(結合する):unire(一つになる)が語源となる=(複数の物がまとまって)結合する
※uniとセットでmono(一つの)もぜひ覚えましょう。
(例)monopoly(独占):mono(一つの)+poleinを語源とするpoly(売る)=売るところが一つ→独占
まとめ
接頭語を覚えると直感的に英単語の大枠の意味が出来るようになります。
しかし、英単語の接頭語を覚えることのみに集中してしまうと、単語の意味自体に興味が向かなくなってしまい、本末転倒となってしまいます。
あくまで、接頭語は単語を覚える補助として、使うようにしましょう。
そうすれば、現在自分が覚えている単語と記憶が結び付けられ、より強固な記憶へとつながります!
英語は必須なスキルとなります。
頑張りましょう!
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