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- 英単語を効率的に暗記するにはどうしたらいいんだろう?
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- 一度覚えた英単語が記憶に定着しなくて困っている。
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- 英単語がなかなか覚えられない
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- 一度覚えたはずの単語もすぐに忘れてしまう
そういった方におすすめの勉強方法が、語源を意識した勉強です。
英語には語源が存在し、共通の語源を持つ英単語は、派生した意味にも共通する部分が多くあります。
そうした語源を知っておくことで、一見覚えづらい単語も頭に入りやすく、また初めて見る単語でも大まかな意味が分かることもあるのです。
英単語は接頭辞、語根(語幹)、接尾辞という三つの部分で構成されています。
この記事では3つのうちの「語根」(「語幹」)について紹介していくので、ぜひ学習の参考にしてください。
語幹を勉強するといっても、どのような語幹を覚えておくとよいのか、そのすべてを片端から覚えていくという学習方法では、効率的とは言い難いでしょう。
この記事では、英語学習の中で上記のような疑問や壁を感じている人に向けて、学習の手助けとなるようなポイントをお伝えしたいと思います。
高校生のころから英語の勉強を始め、全国模試では偏差値79、2020年度の大学入試センター試験では英語の筆記科目で200点満点を取りました。
英語の勉強を始めたばかりでどのように学習を進めればよいのかわからない、といった方が自分で楽しく学習していくための情報をご紹介します。
大山俊輔 - 共同監修人
英単語の覚え方のコツは語源にあった!基本的な語根(語幹)9選
特徴的で使用頻度の高い接頭辞についても、単語と一緒に軽く解説しているので同時に確認しておきましょう。
単語の暗記に大いに役立つはずです。
大山俊輔 - 共同監修人
例えば「propose:提案する」は「相手の前に置く」ことで「提案する」。
「impose:押し付ける」は「相手の上に置く」。
このように語幹の持つイメージを把握したうえで、頭の中で状況を思い浮かべながら単語を勉強することで、より効果的で効率的に暗記することができるのです。
例えば「emit:放出する」は「送る」という語幹に「ex:外」という接頭辞がついて「外に送る」、つまり「放出する」という意味が出来上がっています。
パイプなどから外に向かって気体が送り出されている様子などを想像するとわかりやすいでしょう。
他には「submit:提出する、服従する」があります。
この単語は「sub:下」という接頭辞が付いているので「下に送る」というイメージを持ちます。
そこから派生して「提出する」や「服従する」という意味になっています。
提出箱のようなものへ、下に向かって提出物を送り込んでいる様子をイメージすると覚えやすいでしょう。
「prospect:先見、見通し」や「retrospect:回顧する、振り返る」、「respect:尊敬する」などがこの語源を持ちます。
どの単語も何かを見るという行為と関係していることがわかると思います。
目で見ている様子をイメージして覚えましょう。
人物や柱が立っている様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
「stand:立つ」という単語が一番代表的ですが、他にもこの語源を持つ単語はたくさんあります。
「substance:物体」は「下に立っているもの」という意味です。
「sub:下」という接頭語は先ほども登場しました。
「stable:安定した」という単語は、「st」という語幹に「able:できる」が付いています。「立つことができる」様子をイメージすれば「安定した」という意味も分かりやすいと思います。
「exceed:超越する」は「ex:外」に「進む」がつくことで、「外に向かって進む」から「超越する」という意味を持ちます。
「succeed:成功する」は「su:下」に「進む」ことから「後に続く」、そこから派生して「成功する」という意味になっています。
「proceed:前進する」は「前」に「進む」から前進という意味を持ちます。
「reject:拒絶する」は「re」という「再び/後ろに」を表す接頭辞がついています。
渡されたものを投げ返して「拒絶している」様子をイメージしましょう。
「object:物体」は「ob:~に向かって」という接頭辞がついています。
何かを投げる対象となりうる、つまり物体である、と覚えましょう。
他には「subject:主題」という単語もこの語幹を持ちます。
「sub」は「下に」を表すので「下に投げる」という意味になりますが、これは主題となるものは行動主体の管理下にあり、行動主体はさまざまな物を主題に向かって投げかける、という風に考えると覚えやすいでしょう。
「proceed:前進する」や「recede:後退する」といった単語がこの語幹を持ちます。
どちらも語幹に「pro:前に」や「re:再び、後ろに」の接頭辞がついているのでわかりやすいでしょう。
他には「success:成功する」もこの語幹を持ちます。
この語幹は「輪」のようなもので囲ったり、閉じ込めたりしている様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
「exclude:除外する」は「ex:外に」閉じ込めているので「除く」という意味になっています。
「conclude:~と結論付ける」は「con:一緒に」閉じて「結論を出す」という意味です。
他にも「close:閉める」もこの語幹を持ちますが「disclose」と、否定を表す接頭辞「dis」がつくと「閉めない」から「暴露する」という意味になります。
この語幹は棒のようなものが伸びていく様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
「extend:延期する」という単語は「ex:外に」向かって伸びていくので、先延ばしにして延期するという意味になります。
他にも「intense:激しい」は「in:中に」伸びていく、つまり「内側でどんどん伸びていく」と考えれば「激しい」という意味になることが、頭に入りやすいと思います。
紹介した9つの語幹について、その語幹を持ついくつかの単語を例として挙げましたが、実際には他にも沢山の単語が、この基本的な語幹から成り立っています。
英語を読むときや単語を学習するときに、これらの語幹をあれば、その意味の成り立ちについて考えてみると効果的な学習ができるはずです。
覚えておきたい便利な英語の語根(語幹)15選
次に紹介するのは、先ほど紹介した9つと同様に、登場する頻度の高いもの、そして「覚えにくい単語」や「意味のとらえづらい単語」を学習する際に便利な15の語幹です。
抽象的なものも含まれますが、頑張って勉強しましょう。
耳で聞いている様子をイメージしましょう。
「audible:聞こえる」や「audience:聴衆」なども同じ語源を持ちます。
人物の頭をイメージするとわかりやすいでしょう。
例えば「capital:首都、資本」は「国における頭の部分」から「首都」。
「事業活動において一番最初に(頭に)必要なもの」から「資本」という意味になっていると考えると覚えやすいでしょう。
「capture:捕まえる」は「頭の部分を捕まえる」と覚えましょう。
モノを切ったり、区切ったりしている様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
例えば「define:定義する」は「de:完全に」という接頭語に「fine:区切る」がくっついているので「完全に区切って定義する」という意味です。
定義することによって概念を分節化している、ということを表しています。
「finish:終える」も同じ語源を持ちます。
目で見ている様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
例えば「evident:明白な」は「e:外」という接頭語に「vid:見る」という語幹がくっついています。
「外から見る」ことができるので「明白な」という意味になります。
「supervise:監督する」は「super:上」という接頭語に「vis:見る」という語幹が付いています。
「上の方から見る」から「監視する、監督する」という意味になります。
「visual:視覚の」や「vision:視覚」も同じ語源を持ちます。
「ignore:無視する」では「i」は否定を表しています。
「in」という否定の接頭辞の変形した形です。
「知ること」を否定しているので「無視する」という意味になっています。
「recognize:認識する、分かる」「cognition:認識」も同じ語源を持ちます。
例えば「eminent:著名な、有名な」は「e:外」という接頭語に「min:突き出る」という語幹が付いているので「外に突き出る」。
周りの人たちの中で頭一つ飛び出ているような様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
「prominent:有名な」も「pro:前」が付いているので「eminent」と同様に考えると覚えやすいでしょう。
「creed:信条」や「credit:信用」などがこの語源を持ちます。
どちらの単語も「信じる」ことに関係していることを意識すると覚えやすいでしょう。
例えば「fare:(交通機関の)料金」は「(どこかへ)行く」ための運賃であることを考えると覚えやすいでしょう。
「farewell:お別れの挨拶」は「(行く)旅」が「well:良い」ものとなることを願う意味から、「良い旅を」。つまり「さようなら」と同じ用法を持ちます。
また「welfare:福祉」も同じ語源を持ちます。
例えば「affirm:肯定する、支持する」は「firm:かたい」ものにするから「肯定する」という意味になっています。
また「comfort:慰める」は、「com」という強意の接頭辞に「fort:かたい」という語感がついています。
「心をかたくする」から「慰める」という意味になっていると考えると覚えやすいでしょう。
「effort:努力」も同じ語源を持ちます。
この語幹は「手」という意味を持ちます。
手を使って何かしている様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
例えば、「manage:管理する」は手を使って作業していると考えると覚えやすいでしょう。
他には「manipulation:操作」や「manner:やり方」、「manual:手先の、取扱説明書」、「manufacture:製造」も同じ語源を持ちます。
どの単語も手に関係していることを意識すると覚えやすいでしょう。
例えば「pedestrian:歩行者」は「足を使って歩いている人」です。
また「pedicure:ペディキュア」も同じ語源を持ちます。
例えば「attract:魅了する」は「意識を引き付ける」から「魅了する」という意味になっています。
「extract:抽出する」は「ex:外」という接頭語に「tract:引く」という語感がついて「外に引く」。
つまり「外に引っ張り出す」から「抽出する」という意味になっています。
「subtract:引き算する」は「sub:下」という接頭語に「tract:引く」という語感がついて、「下にひく」。
つまり「引き算する」という意味です。
「contract:契約する」は「con:一緒に」という接頭語に「tract:引く」という語幹がついているので「一緒に引く」。
契約相手と自分が一緒に引っ張られている様子をイメージするとわかりやすいでしょう。
例えば「corrupt:堕落した」は「完全に」を表す「co」がつくことで「完全に破れた」。
つまり「堕落した」という意味を成します。
他にも「interrupt:干渉する」は「inter」がつくことで「間に」という意味がつき、「間に入って壊す」から「干渉する」となります。
「erupt:噴火する」は「e:外」に「破れる」という意味です。
火山が噴火するときに、外側に向かって破裂しているイメージを持てば覚えやすいでしょう。
「ex/e」という接頭辞が何度か出てきましたが、このように単語を覚えるときに接頭辞も意識しておくと、文脈の中で単語の意味をとらえやすくなります。
例えば「design:設計する」や「signal:兆候」は、どちらも「印」に関係していることがわかりやすい単語です。
他にも「significant:重要な」は「印をつけるくらいに重要な」、「assign:割り当てる」は「対象に印をつける」から「割り当てる」という風に考えて頭に入れておきましょう。
例えば「temporally:一時的な」や「tempo:テンポ」がこの語幹を持ちます。
他には「contemporary:同時代の」という単語もこの語幹を持ちます。
この単語は「con:一緒に」という接頭辞が付いているので「一緒の時間の」つまり「同時代の」という意味になります。
まとめ
この記事では24の語幹を紹介しましたが、もちろん英語の語幹はもっとたくさん存在します。
語源が頭の中でイメージできるようになると、英単語の学習効率は格段に向上します。
また英単語をひとつひとつ日本語に訳してから英語の文章として組み立てる必要もなく、英語の文章をそのまま英語で読解していくことができるようになります。
こうした能力は英文を素早く読んだりすることにも繋がります。
ここで紹介した語幹だけにとどまらず、普段の学習から自分で語源を調べてイメージを構成していくと、英語の学習は単なる暗記ではなく、より楽しく効率的なものになるでしょう。
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