大手の英会話スクールと中小の英会話スクールのメリット・デメリットを知りたい
この記事は新宿にある英会話スクールを探している方のために、英会話スクール業界で会社経営をしているインサイダーの視点で書かれています。
はじめに
まずはじめに、私自身のことを紹介させてください。
私は、「b わたしの英会話」というお客さまが女性だけの初心者専門のマンツーマン英会話スクールを運営している会社の大山俊輔と申します。
このページを検索エンジン経由で見ている方は英会話スクールを探していて、大手と小規模のスクールどちらが良いのか悩んでいる方だと思います。
私達の運営するb わたしの英会話はスクール数は9校、講師数は100名弱と規模でいうと中堅どころになります。
マンツーマンレッスンを提供する英会話スクールには、従業員数1000人以上、電車広告でもおなじみの大企業から、先生1名でやっている小規模スクールまで、様々なものがあります。むしろ、企業数で見ると英会話スクール業界の大部分は従業員5名以下の零細スクールであると言われています。
私自身も飲食店に行くときは、その時その時のTPOやお財布事情に合わせて大手フランチャイズに行ったり、オーナーシェフと話せる個人店に行ったり使い分けています。同じように、はじめて英会話スクールにいこうとしている人にとって、選択肢の豊富さは嬉しい反面、迷ってしまう部分でもありますね。
この記事では、大手の英会話スクールと小規模のスクールのそれぞれメリット・デメリットについて解説したいと思います。
小規模マンツーマン英会話スクールの良い点
その1:料金が安いスクールが多い
まず、小さいマンツーマン英会話スクールは、そもそも資本として小さい規模で事業を行なっていますので、広告宣伝費などを湯水のように使うことはできません。
駅前でオーナー講師自らチラシ配りをしたり、あるいは、お金をかけないネット検索などが主な集客手段となります。私自身も、b わたしの英会話の1号店を表参道で創業してしばらくの間は、駅前でチラシ配りをして夜は近所の家でポスティングをしていました。
こうした小規模のスクールが、確実に集客していくためには、必然的に、価格での勝負となります。よって、小規模英会話スクールは全体的に料金が安い傾向にあります。
大まかな比較をすると、小規模スクールの料金は大手の60〜70%程度であるケースが多いです。英会話スクールに通う期間が長期になればなるほど、トータル金額の差も大きくなるわけですから、バカにならない金額といえます。
また教材費や入学金などの初期費用も、比較的良心的な金額設定であることが多いです。浮いたお金で、もう1回多く海外旅行へいけるのでは、なんてことも考えてしまいますよね。
料金の安さは、小さい英会話スクールの最大のメリットといってよいでしょう。
ただし、実際に申し込む際には、他に発生するお金などはないか、料金体系をよく確認することをオススメします。
その2:柔軟で融通がきく
これも飲食店に例えるとわかりやすいかもしれません。
個人経営の居酒屋さんでは、裏メニューを特別に出してくれたり、常連のお客さんがフランダンスの大会に出るからといって店内にポスターを貼ってくれたり、といった柔軟な対応をしてくれるお店があります。
これに対して、大手チェーン居酒屋さんで同じことができるかといえば、当然できません。
「当社の規則により対応致しかねます」という紋切り型の回答が返ってくると思います。
英会話の場合も、ここまでではありませんが、やはり事業規模の大小によって多少、対応の柔軟さに差があります。
大手スクールでは、いわゆる「創業以来〇〇年間培った独自の▲▲メソッド」みたいなものが売りであるため、多少のメニューカスタマイズはできても、いくらでも自由に、柔軟に変えてもらえることはなかなかありません。
これに対して小規模スクールは、集客手段が限られているため、やっと掴まえたお客様は離したくない事情があり、教材、カリキュラム、スケジュールなどあらゆる面で柔軟に融通をきかせてくれるスクールが多いです。
ただし、柔軟といっても限界はあります。講師や教室の数も限られているので、その範囲での最大限の対応となることは、あらかじめ理解しておくべきです。
小さいマンツーマン英会話スクールの悪い点
その1:講師の質にバラツキがある
小さいマンツーマン英会話スクールのデメリットとして、第1に、講師の絶対数が少ないために、どうしても講師の質にバラツキが出てしまう点があげられます。
先程、宣伝広告費の話をしましたが、全く同じことが「求人広告費」にもあてはまります。
予算に限りのある小規模スクールは、大手のような量の求人広告を出すことができないため、急に講師が辞めてしまったときには補充が遅れてしまうことがあります。
また、大手は長年に渡り膨大な人数の講師を採用・育成しているため、採用時の能力評価や、入社後の育成方針などがルール化、スタンダード化されており、非常に合理的です。
それに対して小規模スクールでは、関わる講師の延べ人数が少ないために、何年も長く残って人気講師となるような優秀人材もいれば、その逆もしかり、などと、ムラが出てしまうのです。
実際、b わたしの英会話も創業間もない頃、何名かのカリスマ講師がいました(今も残っている人もいます)。その頃は、私自身と日々一緒に働いていますので、レッスンも全部聞かれていますし、気づくことがあればすぐに改善させrことができたので、気づけばとても優秀な講師になっていました。ただ、一方で、小さい頃は採用面接できる数も少なく、研修も私任せでしたので、上記のようによかれ悪しかれムラがあったと思います。
ただ、それが小規模の英会話スクールの弱点でもありますが、良い講師との出会いがあったのなら、そのスクールが小さくても大きくてもあまり関係はないと思います。
英会話は「人・対・人」です。
スクール選びの際は、英会話スクールはスペックだけでなく、「一期一会」の部分も重要と、覚えておくとよいと思います。
その2:講師、コース、教室の場所などの選択肢が少ない
小さいマンツーマン英会話スクールは、講師、トレーニングのコース、教室などの数が大手に比べて少ないです。
そのため、あらゆる点で選択肢の幅が狭くなってしまうというデメリットがあります。
講師については1つ前の項目で触れた通りです。
また、コースについては、いろいろとカスタマイズや融通は効く面はあるものの、そもそもの教室独自のメニューやプランが少ない傾向にあります。
これは、学習方法が自分ではどうしていいかわからず、「あるものの中から選びたい」という人にとっては、少々困ることだと思います。
さらに、最も選択肢が狭くなるのは、教室のロケーションです。
一度起業などを考えたことのある方はご存知だと思いますが、店舗賃貸は、普通のアパートの賃貸などと比べると、敷金礼金などが非常に高いです。その上、生徒が通いやすい駅近・大通り沿いなどに教室を構えた場合には、家賃自体も高額になります。
予算に限りのある小規模スクールは、どうしても限られたエリアにしか教室をもつことができなくなってしまうわけです。
そして、英会話というのは習慣産業です。どちらかというと、ジムと似ています。学習メソッドや講師の質と同じかそれ以上に、
「通うことを続けられる距離であるか」
ということが大事になります。
たまたま、そのスクールの教室が自分の都合のいい駅にあれば、何の問題もありませんが、「いずれ〇〇駅にも教室できてくれたらいいな」などと、過度の期待を寄せることはやめましょう。
その3:教材や設備が充実していない
大手スクールは、教材費が高額であるケースもありますが、その分、教材の内容はとても充実していることが多いです。
テキストであれば、レベルも高・中・初級のようなものよりももっと細分化されていたり、ビジネス英語、日常英会話、シチュエーション別、ビジネスはB to B系なのか店舗での接客系なのか、などと、豊富です。
これに対し、小規模スクールは、大体のケースにおいて市販の教材を使っていることが多いです。当然、市販教材の多くが海外の出版社のものであるため、英会話初心者の方にはその時点で自信を失わせてしまうこともあります。
また設備面では、大手スクールはまず教室が広く、予習スペースや、それぞれの個室はもちろん、待合いロビーなども充実した空間になっています。先程のように、英会話は習慣化させることが大事なので、どれだけ個人のスクールの先生が頑張ったとしても、「続けたい」と思えるロケーションや環境があるかもとても重要な要素となってくるのです。
小さいマンツーマン英会話スクールはこんな人に向いている
結論として、こんな人は小さなマンツーマン英会話スクールに向いているといえます。
・費用を安くしたい
・グループレッスンはイヤ
・カフェ形式はイヤ
・お膳立てしてもらうよりは自分で工夫をする方が好き
・臨機応変で柔軟なスクールに通いたい
・たまたま自分の都合のいい駅にそのスクールがあった
・たまたまいい講師に巡りあえた
大規模マンツーマン英会話スクールの良い点
その1:長年培ったその会社の独自メソッドがある
大手企業であるということは、ほとんどの場合、長年事業を継続してきた老舗企業であることを意味します。一般的に会社の寿命は20年~30年と言われていますので、大手になる事自体、それなりにお客様からの継続的な支持があったことの証左でもあるでしょう。
参考までにちょっと創業年を調べてみました。
日米会話学院さん:1945年
イーオンさん:1973年
ECCさん:1962年
Novaさん:1981年
Gabaさん:1995年
こうして見てみると、NovaさんとGabaさん以外の大手スクールはすべて私より年上です(笑)。当然、それだけ長い運営経験があればその中で色々な試行錯誤をしたことでしょう。
こうした経緯から、大手老舗英会話スクールに多い特徴としては、長年培ってきた独自メソッドをもっている、という点があげられます。各社もやはりそこを売りにしていて、「独自の〇〇メソッドでスピード上達!」といったキャッチコピーを大々的に掲げています。
こういったメソッドのある企業は、ある意味、講師の英語教授方法が黄金律のような形でスタンダード化されているといっていいでしょう。
講師の個人的な資質とは無関係に、その企業の手法で統制をかけることによって、最低限の品質を担保している、といってもいいかもしれません。これは、飲食店などにも言えることかもしれません。個人店でオーナーシェフの看板料理を食べる楽しさとは別に、大手フランチャイズならではのどこで食べてもこの味、という安心感のようなものです。
大手志向の人すべてに当てはまることですが、無難さを求めるようなタイプには合っているといえます。また、当然、教室や講師の数も多いので、相性が悪かったら講師や教室を変えることもできます。
当然、学校を変わるわけではないので入学金などは別途支払う必要はないため、低リスクで利用できます。
その2:あらゆる駅に教室がある
大手マンツーマン英会話スクールは、会社規模が大きいため、教室数が多く、大都市圏はもちろん、地方も含めたあらゆる駅に教室があります。
仮に、今住んでいる部屋の最寄駅に、大手から中小まで様々な英会話スクールの教室があったとしても、もしも転勤などで遠く離れた地域へ引っ越してしまった場合、引っ越し先でも同じスクールに通い続けられる確率は、当然のことながら、大手スクールが上になります。
異動などで全国津々浦々に引っ越すことが多いというような人には、大手スクールの教室展開の手広さは、大きなメリットとなるでしょう。
また、大手であるがゆえ、同僚、お友達などが同じスクールに通っている確率も高くなります。
「どこそこの教室にイケメン先生がいる」
「あそこの〇〇先生は怖いから気をつけろ」
「▲▲トレーニングってすごく効果あったよ!」
…など、生徒同士で情報交換ができる点なども、メリットといえます。
その3:たくさんの講師から好きな人を選べる
会社規模に比例して、講師の数も多くなります。
一定の英語教授能力をクリアしていると同時に、出身国や、社会経験、趣味なども様々な講師が揃っており、よりどりみどりに選んでよいという、メリットがあります。
気の合う合わないがもちろん一番大事ではありますが、逆に定期的に講師を変えてみて、世界中のあらゆる人たちの価値観に触れ、見聞を広げる効果も期待できます。
大手スクールの人材の層の厚さを上手に利用していろいろな国の人と関わりを持ち、国際感覚を養う、という考え方もよいかもしれません。
大手マンツーマン英会話スクールの悪い点
その1:料金が高め
大手スクールのデメリットとしては、料金の高さがあげられます。
平均で月額3〜4万円程度、なかには合宿スタイルや集中コースを歌っているスクールですと6万円近いところもあります。
大事なのは上達するかどうかではありますが、やはり、月額で3万円を越してくると普通の人のお財布感覚だと厳しくなってくるのではないでしょうか。
その割には、大手スクールは、ほとんどの会社が、TVコマーシャルや電車の広告などで、芸能人を使ったりして莫大な宣伝費を投じています。全国展開されているスクールですと仕方ないでしょうが、消費者目線で見ると、生徒が支払った高額な費用のうちのかなりの部分が、広告宣伝費に消えてしまうというのはあまり心地よくはないものだと思います。
その2:独自メソッドが自分に合っているとは限らない
先ほどのメリット部分を裏返しで見てみるとこうなります。
頑固親父が30年かけて秘伝のダシを完成させた豚骨ラーメンは格別です。
時間をかけて培ったものは、それだけですでに価値があります。
ただし、そもそも豚骨ラーメンが嫌いな人もいます。
同じようにそのスクールに来ているお客様に合わせて作ったカリキュラムやメソッドが合うか合わないかはアナタ次第。例えば、私達のb わたしの英会話はお客様は30代以降の女性で、ほぼすべての方が英会話スクールで学ぶのがはじめての超がつく初心者です。したがって、採用している講師や開発したPhoto Journalと呼ばれる教材はこうしたお客様に最適化していますが、ひょっとすると、英会話上級者さんには合わないかもしれません。
大きければ安心、小さければ小回りが効く、ではなく自分自身と合うかが大事ですね。英会話スクールを選ぶ際には、こういった点も考慮することをオススメします。
大手マンツーマン英会話スクールに向いている人
以上のことから、大手マンツーマン英会話スクールに向いている人はこんな人です。
・大手というブランドが好き
・たまたま通いやすい駅に教室がある
・たくさんの講師の中から選びたい
・自分の会社が法人契約を結んでおり会社がお金を出してくれる
・独自メソッドが自分に合っている、おもしろいと感じた
自分ならではの課題にピンポイントでフォーカスするというよりは、ある程度ざっくりとでもいいから最低限の品質や利便性を確保したい、といったような場合には、大手スクールが適しているといえそうです。
第3の選択:中規模の特化型英会話スクールを選ぶ
すみません。ちょっとだけ宣伝となります(笑)。
上記のように英会話スクール選びを規模別で見てみると、大手、小規模のスクールそれぞれの良い点、悪い点がわかったと思います。
それでは、私達のような中規模のスクールはどうでしょうか?
こうしてみてみると、大手と小規模の間ならではのかゆいところに手が届く良さがあるのではないでしょうか?
一応宣伝まで、私達のスクールのバナーをつけておきます(笑)。
まとめ
以上、大規模、小規模の英会話スクールのメリット・デメリットを解説しました。
例として、飲食店をあげましたが、私自身もそうなのですが、おそらく、多くの方がチェーン店も個人店も、シーンによってどちらも上手に使い分ける、という方が多いのではないでしょうか?
英会話スクールにも同じことがいえます。
どちらも異なる性質をもっていて一長一短があるため、一概にどちらが良いとは決めかねる部分があります。そんな時、頼りになるのは、実際に体験レッスンに行ってみたときの、生の感覚です。
ぜひ、気になったら英会話教室へと足を運び、実際のレッスン風景を目の当たりにされることをオススメします。
お読みいただきありがとうございました。
大山俊輔
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