今日から出来るエビングハウスの忘却曲線を使った英単語の復習法とは?

今日から出来るエビングハウスの忘却曲線を使った英単語の復習法とは?

大学生A子

えーん、英語の試験も近いのに、全然単語が覚えられない!B子はいいなぁ。

帰国子女B子

まあねぇ、単語の覚え方にもいろいろあるんだろうけど、どの方法が自分に合うか、試してみないとわからないしね。

大学生A子

もー、覚えたそばから忘れちゃう。なんか、良い方法考えてよ!

帰国子女B子

そういえば以前、イギリスの高校在学中に、ドイツの高校に交換留学生としてしばらく住んだことがあって。そのとき、ドイツの学者エビングハウスによる『忘却曲線』理論って聞いたことがあるよ。ひょっとして、この理論を極めれば、忘れなくなるかもよ。

大学生A子

ほんとかなぁ。

エビングハウスの忘却曲線とは?

エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線とは?
記憶したことが、時間の経過によって、どのように忘却されてゆくかを示す曲線

ドイツの心理学者エビングハウスが1885年に最初に理論化しました。
最初急速に下降し、時間がたつとともになだらかな曲線になります。

忘却の度合い

エビングハウスは、「無意味な音節を記憶し、時間とともにどれだけ忘れるか」を数値化しました。

  • 20分後には42%忘れる
  • 1時間後には56%忘れる
  • 9時間後には64%忘れる
  • 1日後には67%忘れる
  • 2日後には72%忘れる
  • 6日後には75%忘れる
  • 31日後には79%忘れる

エビングハウスが実験で用いたのは、「無意味な音節」です。
例えば「r・e・l」「b・u・w」「h・i・q」などです。
意味のあるものであれば、当然ですが、忘却率は低くなります。

本来のエビングハウス理論では、「忘却率」ではなく「節約率」(思い出すのにどれくらいの時間が節約できるか)という概念で説明されているのですが、本レポートでは簡単に説明するため、あえて「忘却率」を使っています。

以下で、エビングハウスの忘却曲線について若干詳しく説明しています。
興味のある方はどうぞ。
興味のない方は、読み飛ばしても大丈夫です。

ちょっと詳しい「忘却曲線理論」と「節約率」

定義
人が一度覚えた内容を再度覚えるためにかかる時間の「節約率(どれくらい減らすことができるのか)」を時間軸で表した曲線、のことです。
節約率
【節約率の算式】
節約率=「節約された時間または回数」÷「1回目に必要だった時間または回数」
先ほどの忘却率を100から引いた値になります。

(例)
20分後の節約率;58%(=100-42(忘却率))

例えば、10個の単語を覚えるのに最初は5分かかったとして、2回目は3分(2分の節約)で覚え直せたと仮定すると、「節約率」は、2÷5、つまり40%となるわけです。
もし、2回目は1分(4分節約)で覚え直せたとしたら、節約率は4÷5=80%となります。

ここからわかるように、節約率が高ければ高いほど「覚え直しで短縮できる時間や回数が減った」という意味になります。


エビングハウスの実験の目的
エビングハウスの忘却曲線はその名前から、「忘却の程度」に関する実験のように誤解されがちですが、実際に行われたものは「記憶の定着しやすさ」という点で注意が必要です。

エビングハウスってどんな人?

ヘルマン・エビングハウスHermann Ebbinghaus(1850-1909)
ドイツの心理学者。
実験心理学の先駆者のひとりです。

ベルリン、プレスラウ、ハレの諸大学教授を歴任。

歴史学、言語学、哲学を経たのち、G.T.フェヒナーの精神物理学に感動して、「心理学の哲学からの離脱」を目指し、高等精神作用の実験研究に着手。
ベルリン大学在職中、自分自身を被験者として、記憶の計量的研究を行い『記憶について』(1885)を著述しました。
特に忘却曲線の発見、無意味音節の作成、記憶実験法の創始は、記憶、学習の分野に画期的影響を及ぼしたと言われています(「アリストテレス以来の最大の功績」などど称されました)。

さらに色彩知覚の研究、語彙完成テストの作成など、その研究は広範にわたります。

エビングハウスの忘却曲線を英語学習に活用する方法

エビングハウスの忘却曲線を簡単に説明しましたが、その簡単な説明からでも導き出される対策は、2つあると考えられます。

  • 忘却するタイミングで、再学習する
  • 覚えるものを、「無意味音節」ではなく、「意味のあるもの」にする

ではその2つの観点で、見ていくことにしましょう。

忘却するタイミングで、再学習

脳研究者の池谷裕二氏は自身の著書「受験脳の作り方」で、復習プランを以下のように提案しています。

  • 1回目の復習-学習した翌日
  • 2回目の復習-1回目の復習から1週間後
  • 3回目の復習-2回目の復習から2週間後
  • 4回目の復習-3回目の復習から1か月後

上記のように、最初の学習から少しずつ時間の間隔を広げながら、全4回の復習を行います。
この繰り返し学習により「脳の海馬」(脳に入ってきた情報の必要・不要を判断している)が、学習した情報を「必要な情報だと判定」し、脳に定着させるそうです。

学習方法1:単語カード

例えば、英語学習者のほとんどが経験している「単語カード」の作成・復習があります(最近は「アプリ方式」ですね)。
もちろん、単語カードを上記池谷先生の提唱するタイミングで復習するのは、「忘却曲線」的には理にかなっているのですが、単語の意味って通常複数ありますよね。

そしてどの意味を使うかは、フレーズの中で判断されます。
なので単純に「単語と意味」だけの暗記では、「単語カード方式」=『労多くして益少なし』なのかもしれません。

単語と意味だけでなく、フレーズに落とし込んで覚える必要があるでしょう。

学習方法2:英会話スクールの授業の復習

英会話スクールに通う人も多いのですが、挫折する人もまた多いです。

週1回、1時間の授業だけでは、とうてい記憶には残りません(次の授業では、新しいパートに入りますから、復習の時間がないですね)。
単語に限らず、授業内容が記憶に定着しないということは、いつまでも「英語力が向上しない」ということで、当然止めちゃいますよね。

なので、英会話スクールで授業を受けたら、すぐに(遅くとも翌日には)単語を含め、復習する習慣をつけましょう。
これにより「脳への定着が進む⇒授業が分かる⇒英語学習が楽しくなる⇒レベルが上がる」と進化していくでしょう。

学習方法3:忘却曲線を意識した教材を使う

レッスンカリキュラムの中に、「復習」と「練習」が、最初から組み込まれている教材もあります(たとえば、chapter.1で学んだ単語やフレーズが、chapter.2で形を変えて出現するよう設計されている)。

こうした教材を使うことにより、自然と脳への定着が進み、英語学習に効果的であるとされています。
興味のある方は、探してみてください(「忘却曲線」+「英語学習」などのキーワードで検索すれば、ヒットすると思います)。

覚えるものを意味づけする

エビングハウスの実験でも明らかなように、「無意味な音節」は、素人が考えても、覚えにくそうだし、忘れやすそうですよね。
意味づけ学習法を、みていくことにしましょう。

学習方法1:品詞の変化ごとにまとめて覚える

以下のように、同じ語源の単語を、品詞の変化別に覚えていく方法です。

nature(自然【名詞】)
natural(自然の【形容詞】)
naturally(自然に【副詞】)

学習方法2:単語の関係性で覚える

関係性に着目して、覚える方法です。
中学生のころ、やった人も多いかも。

(自分を中心にして)
front(前)
back(後)
right(右)
left(左)
above(上)
below(下)

学習方法3:接頭語・接尾語で覚える

submarine, subway, submerge,(意味は順に、潜水艦、地下鉄、沈める【動詞】)
(sub・・・下に)

このように、subという代表的接頭語を知っていれば、知らない単語でも意味を予想することが可能になります。

【代表的接尾語】

接尾語
意味
単語例
ly
~のような
carefully
ment
こと
amusement
able
~できる
available
ful
~に満ちた
helpful

【代表的接頭語】

接頭語
意味
単語例
ex
外に
export
im
中に
import
sur
上に
surplus
sub
下に
submarine
re
再び
remind

学習方法4:語源で覚える

telescope, telephone, telework, television(意味は順に、望遠鏡、電話、テレワーク、テレビ)
(tele・・・遠方の、遠くの)

接頭語・接尾語と同様に、語源を知っていれば、予想可能なケースがあります。

【代表的語源】

語源
意味
単語例
form
形作る
reform
spect
見る
inspect
port
運ぶ
portable
ject
投げる
project

学習方法5:ルー大柴式?学習法

ルー大柴さんっていうタレント、ご存じでしょうか?

会話の中に、不自然に英単語を混ぜる言い方が特徴のタレントさん。
ルー大柴さんをまねて、単語を覚えようというメソッドです。

少し長くなりますが、事例で説明します。

<英文>
CHO TO APPEAR ON YOUR WORLD NOW
Mi-Sun Cho, who works in our international media department, will be appearing on the nationally syndicated news program Your World Now this Thursday. Cho will be interviewed about her first book, Through My Eyes, which chronicles her years traveling internationally as a journalist. The book has sold thousands of copies and has received many positive reviews. To watch and support one of our own, tune in to channel 17 at 6 P.M. this Thursday.

<訳文>
Your World NowにChoが出演
わが社の国際広告媒体部で働くMi-Sun Choが今週木曜日、全国に配信されるニュース番組Your World Nowに出演します。
Choは、記者として世界を渡り歩いた日々を記録した処女作Through My Eyesについてインタビューを受ける予定です。
同書は数千部売れており、多くの好意的な書評を得ています。
今週木曜日午後6時、17チャンネルを見て、わが社の社員を応援しましょう。

上記の英文を読んだとき、あなたはたとえば、departmentやsyndicate、positive, reviewの単語の意味を知らなかったとします。

訳文をみて、分からなかった単語のところに、英語をあてはめます。
次のように。

「わが社の国際広告媒体デパートメントで働くMi-Sun Choが~」
「全国にシンジケートされるニュース番組~」
「多くのポジティブなレビューを得ています~」

このように英単語をあてはめた文章をつぶやく(ルー大柴さんのように)ことによって、苦手な単語、知らない単語を克服していく学習法です。

TOEIC試験の勉強法
  • 自身のいまのレベルにかかわらず、かならず、公式問題集を使ってください(正式名称:公式TOEIC Listening & Reading 問題集、国際ビジネスコミュニケーション協会作成)。
  • 試験の主催者が作っている問題集ですから、当然他の問題集より良いわけですが、最大のメリットは、問題集付属のCDと本番リスニングパートのナレーターが同一人(同一グループ)であること。
    本番テストで知らない人の声で問題を聴くより、ずーっと有利です。
  • また当然のことですが、公式問題集は本番テストの出題傾向に沿って作られています。

幾多のチマタ問題集の中には、この傾向を無視して作成し『勉強すればするほど、スコアが下がる』という悪魔のような問題集があります(そういうのが結構多い)。

まとめ

以上、忘却曲線と英語学習をテーマに書いてきましたが、やっぱり忘れるときは、忘れますよね。
筆者も英語学習者の一人として、忘れたことによる「悔しい思い」や、「もどかしい気持ち」を何度も繰り返してきました。

でもね、悔しい思いって悪くないと思うんですよね。
英会話スクールで、一人だけ理解できなくて、帰り道で涙目になりながら悔しいシーンを思い出す。

よくありますよね?
筆者は、それが次への活力につながると思っています。
ですから読者の皆さんも、たくさんの「悔しい思い」を体験してください。

もうひとつ、「学習における飛行機理論」というのをご存じですか。
飛行機って、離陸の時にものすごいパワーを使うものの、上空に至れば巡航速度であまりパワーは必要としない。
習い始めは、全力で、勢いがついたら、余力をもって、という意味です。

筆者は30代半ばで初めて英会話スクールに行ったとき(典型的な、英語苦手日本人でした)、週6日通いました(残りの一日は英会話スクールの定休日)。
レッスンは週2くらいだったのですが、レッスンのない日もスクールのサロンに行って、インストラクターたちの会話に耳を傾けていました。

今ではインストラクターたちと会話できますが、当時は当然のことながら全然しゃべれず、理解できず、インストラクター3人の間にポツンと座って、固まっている、という状況でした。
でも毎日英語のシャワーを浴び続けたおかげで、リスニング力が最初に強化された気がしています。

「学問に王道なし」と言いますが、英語学習にも王道や近道はないと思います(例の「聞き流すだけで英語が話せる」教材会社も、なくなったようですし。
やっぱり近道はなかったんだな~って感じです)。

今より若いときはない、英語で言うと「There is no time faster than this time.」
さあ、今このレポートを読んでいるあなた、始めましょう!ガンバレ!!

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