今回取り上げるのはビートルズの「Hey Jude」です。
「Hey Jude」の歌詞にはどんな意味がこめられているのでしょうか?
ここでは歌詞の意味を汲み取る上でキーとなる文法や英単語も含めて、詳しく解説していきます。
「Hey Jude」の作者名義は「作詞・作曲:Lennon–McCartney(レノン=マッカートニー)」となっていますが、実質的にポールマッカートニー作の曲です。
この曲は、ジョンレノンと前妻シンシアとの間の子であるジュリアンレノンのために書かれたとのことです。
曲中のリードボーカルはポールです。
最後の長い繰り返しフレーズは大変有名な部分の一つです。
ビートルズの「Hey Jude(ヘイジュード)」英語歌詞・和訳をご紹介
Hey Jude, don’t make it bad.(※1)
Take a sad song and make it better.(※2)
Remember to let her into your heart,(※3)
Then you can start to make it better.(※4)
Hey Jude, don’t be afraid.
You were made to go out and get her.
The minute you let her under your skin,
Then you begin to make it better.
And anytime you feel the pain, hey Jude, refrain,
Don’t carry the world upon your shoulders.
For well you know that it’s a fool who plays it cool
By making his world a little colder.
Hey Jude, don’t let me down.
You have found her, now go and get her.
(※3)(※4)repeat
So let it out and let it in, hey Jude, begin,
You’re waiting for someone to perform with.
And don’t you know that it’s just you, hey Jude, you’ll do,
The movement you need is on your shoulder.
(※1)(※2)repeat
Remember to let her under your skin,
Then you’ll begin to make it
Better better better better better better, oh.
Na na na nananana, nannana, hey Jude…
(repeat X number of times, fade)
これを直訳に近い形で和訳するとこのようになります(最後の「better」の繰り返し以降については適宜省略)。
なぁジュード 気を悪くするんじゃない(※1)
悲しい歌を取り上げて 気をより良くするのだ(※2)
忘れずに彼女のことを君の心の中へ入れろ(※3)
そうすればより良くし始められる(※4)
なぁジュード 恐れるな
君は外へ出て行って彼女をものにすることになっていたのだ
君が彼女をものにするとき
より良くし始めることになる
そして君が痛みを感じるどんなときも なぁジュード 耐えろ
世界を背負うな
君はよく知っているだろうが 自分の世界を少し冷たくしてクールに振る舞う人こそ愚か者なのだから
なぁジュード がっかりさせないでくれ
君は彼女を見つけたのだ さぁ 外へ出て彼女をものにしろ
(※3)(※4)繰り返し
だから自分を出して相手を受け入れろ なぁジュード 始めろ
君は共に実行する誰かを待っている
それは君だけだということがわからないか なぁジュード 君はやるんだ
君に必要な行動は君の肩にかかっているのだ
(※1)(※2)繰り返し
忘れずに彼女をものにしろ
そうすればより良くし始めることになるだろう
より良く より良く・・・
ビートルズの「Hey Jude(ヘイジュード)」曲タイトル・歌詞の意味を解説
まず曲タイトルの「Hey Jude」の「Jude」(ジュード)は人名です。冒頭で紹介した通り、この曲はジュリアンレノンのために作られたものですが、当人の名前は出さず、別の名前になっています。これにより、少なくとも結果的には、この曲が個人的なものというより、普遍的なものとしてとらえられるようになったように思います。
続いて、歌詞本文のポイントとなる部分について解説していきます。
“Hey Jude, don’t make it bad.”
「make~bad」は「~を悪くする」という意味になります。「it」は「ジュードの気持ち」ぐらいを指しているととらえればよいでしょう。
“Take a sad song and make it better.”
ここの「Take」は「取り上げる」ぐらいの意味でとらえればよいでしょう。
“Remember to let her into your heart,”
「let」は「させる」という動詞(使役動詞)で、ここでは比喩的表現で「彼女(のこと)をジュードの心の中へ入れる」(≒「思う」)という意味になります。
“Hey Jude, don’t be afraid.”
「be afraid」は「恐れる」という意味です。
“You were made to go out and get her.”
「made to~」は「~をすることになっている」ぐらいの意味です。「to」から続く動詞は「go」と「get」の両方ととらえられます。
“The minute you let her under your skin,”
ここでの「The minute」は「at the moment」と同じように「~のとき」という意味で、その後「you~」の文で「どんなときか」が説明されています。ここでまた「let」が出てきますが「her」を「under your skin」という状態にするということで、要するに「彼女をジュードのものにする」ということでしょう。
“And anytime you feel the pain, hey Jude, refrain,”
「anytime」は「どんなときも」で、後ろの方で「どのようなときか」を説明(限定)しています。ここの「refrain」は、その前に「pain」(苦痛)があることから、「耐える」という意味が適切でしょう。
“Don’t carry the world upon your shoulders.”
まさか、世界を実際に背負うわけではないはずですから、ここは比喩的な意味でしょう。内容としては「自分一人で重い状況を背負い込むな」というようなことを言いたいのだと思います。
“For well you know that it’s a fool who plays it cool”
“By making his world a little colder.”
冒頭の「for」は「~なのだから」という意味です。
「well you know」は「君はよく知っているだろう」という、「君」への確認の意味を含めた語りかけで、その後の「that」以降で知っているであろう内容が説明されています。「that~」の文章は「it」を用いた強調構文になっており、「who plays it cool」こそが「a fool」、という意味になります。「plays it cool」は抽象的ですが、ここでは「クールに振る舞う」ぐらいにとらえるとよいでしょう。
「By~」の文は前の文の中の「who plays it cool」についての補足説明です。
ここの「make」も「させる」という意味で「his world」を「a little colder」にすることを意味します。
“Hey Jude, don’t let me down.”
ここでも「let」(させる)が出てきます。「me」を「down」にさせる、といってもピンとこないかもしれませんが、この一節で「なぁジュード がっかりさせないでくれ」という意味になります。
“You have found her, now go and get her.”
前半は現在完了形の文で、後半は命令文です。「her」を見つけた状態が現在まで続いているので、現在完了形になっていると考えられます。
“So let it out and let it in, hey Jude, begin,”
抽象的で意味がとりづらいところです。文脈から推し量るのがよいでしょう。この文の前後はいずれも他者との関係についての文になっていますから、ここでは、自分のことを「out」させ(≒「自分を出す」)、他者のことを「in」させる(≒「相手を受け入れる」)ことを意味しているものと思われます。
“You’re waiting for someone to perform with.”
「someone」後の「to」以降で、どんな「someone」なのかが説明されています。その中の「perform」は「実行する」ぐらいの意味でとらえられます。最後の「with」は「perform with someone」という表現を「someone to perform」という形で「someone」の説明に用いていることによるものです。
“And don’t you know that it’s just you, hey Jude, you’ll do,”
「don’t you~」は否定疑問文で「~ではないか」という問いかけです。「that~you」の部分で「know」の内容が説明されています。ここの「just」は「~だけ」という意味です。
“The movement you need is on your shoulder.”
冒頭「need」までが主語です。
ここでの「is on your shoulder」は比喩的表現で、日本語にもある「~の肩にかかっている」というぐらいの意味でとらえるとよいでしょう。
まとめ
歌詞には抽象的な言い回しが多く、意味をとらえにくいところもありますが、その分勉強になることも多いかと思います。
聴いたことのない人はぜひ一度、聴いたことのある人も今一度、この名曲を歌詞とともに味わってみてはいかがでしょうか?
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