今回取り上げるのはビートルズの「All You Need Is Love」です。
「All You Need Is Love」の歌詞にはどんな意味がこめられているのでしょうか?
ここでは歌詞の意味を汲み取る上でキーとなる文法や英単語も含めて、詳しく解説していきます。
「All You Need Is Love」の作者名義は「作詞・作曲:Lennon–McCartney(レノン=マッカートニー)」となっていますが、実質的にジョンレノン作の曲です。
「OUR WORLD 〜われらの世界〜」という番組のために書かれた曲で、ビートルズのアルバム「Magical Mystery Tour」、「Yellow Submarine」、「Yellow Submarine Songtrack」に収録されています。
リードボーカルはジョンレノンで、演奏面ではジョンレノンがハープシコード、ジョージハリスンがヴァイオリンを弾いているところが珍しく、注目したいポイントのひとつです。
ビートルズ「All You Need Is Love」の英語歌詞・和訳をご紹介
Love, love, love(※1)
(※1)repeat×2
There’s nothin’ you can do that can’t be done
Nothin’ you can sing that can’t be sung
Nothin’ you can say, but you can learn how to play the game
It’s easy
Nothin’ you can make that can’t be made
No one you can save that can’t be saved
Nothin’ you can do, but you can learn how to be you in time
It’s easy
All you need is love(※2)
(※2)repeat
All you need is love, love(※3)
Love is all you need(※4)
(※2)repeat×2
(※3)repeat
(※4)repeat
There’s nothin’ you can know that isn’t known
Nothin’ you can see that isn’t shown
There’s nowhere you can be that isn’t where you’re meant to be
It’s easy
(※2)repeat×2
(※3)repeat
(※4)repeat
(※2)repeat (all together now)
(※2)repeat (everybody)
(※3)repeat
(※4)repeat
(※4)(repeat ((※4)repeat))×11
これを直訳に近い形で和訳するとこのようになります。
愛 愛 愛(※1)
(※1)繰り返し×2
なされ得ないことで君にできることはない
歌われ得ない歌で君に歌える歌はない
君に言えることはない しかし君はゲームの遊び方を覚えることができる
簡単だ
作られ得ないもので君が作れるものはない
救われ得ない人で君が救える人はいない
君にできることはない しかしそのうちに君は君でいる方法を覚えることができる
簡単だ
君に必要なのは愛だけだ(※2)
(※2)繰り返し
君に必要なのは愛だけだ 愛(※3)
愛だけが君に必要なものだ(※4)
(※2)繰り返し×2
(※3)繰り返し
(※4)繰り返し
知られていないことで君が知ることのできるものはない
示されていないもので君が見ることのできるものはない
君がいるべきではない場所で君がいることのできる場所はない
簡単だ
(※2)繰り返し×2
(※3)繰り返し
(※4)繰り返し
(※2)繰り返し (さぁ皆さんご一緒に)
(※2)繰り返し (皆さん)
(※2)繰り返し
(※3)繰り返し
(※4)繰り返し
(※4)(繰り返し ((※4)繰り返し))×11
ビートルズ「All You Need Is Love」の曲タイトル・歌詞・英語文法を徹底解説!
まず曲タイトルの「All You Need Is Love」です。
「You Need」である「All」(全てのもの)は「Love」ということですが、この場合「All」は単数扱いになるので、その後の動詞も「Is」と単数形になっています。この表現で「君が必要とするものの全ては愛だ」、つまり「君に必要なものは愛だけだ」という意味になります。
続いて、歌詞本文のポイントとなる部分について解説していきます。
“There’s nothin’ you can do that can’t be done”
「There’s nothin’」が文の骨格であり、「nothin’」の説明が後ろに続きます。「nothin’ you can do」で「君にできることはない」となり、さらに続く「that~」の説明「can’t be done」が加わって「なされ得ないことで君にできることはない」となります。
ややこしいですが、少し噛み砕いて説明すると「始めからできないと決まっているものは、やはりできない」、「何かができたのであれぱ、それは始めからできると決まっていたことである」ということになります。
“Nothin’ you can sing that can’t be sung”
「there’s」がありませんが、前の文と同様「~はない」というフレーズの続きととらえられます。文の構造は先ほどと同様で「歌われ得ない歌で君に歌えるものはない」となります。
“Nothin’ you can say, but you can learn how to play the game”
「learn」の内容は「how to」以降で説明されており「ゲームをどうやって遊ぶか」、つまり「ゲームの遊び方」という意味になります。
“Nothin’ you can make that can’t be made”
“No one you can save that can’t be saved”
前に出てきた「There’s nothin’ you can do that can’t be done」などと同様の形です。動詞や対象が変わっているだけで、同じ意味構造でとらえられます。
“Nothin’ you can do, but you can learn how to be you in time”
「how to be you」は普段あまり使わない言い回しかもしれませんが、そのまま訳せば「君でいる方法」で、いわゆる「自分らしくいる方法」というようにとらえられるでしょう。「in time」は「そのうちに」という意味です。
“There’s nothin’ you can know that isn’t known”
“Nothin’ you can see that isn’t shown”
“There’s nowhere you can be that isn’t where you’re meant to be”
前に出てきた「There’s nothin’ you can do that can’t be done」などと同様の形です。動詞などが変わっているだけで、同じような意味構造でとらえられます。
3つ目の文にある「meant to」は「~であるべき」というように、何か運命付けられているような状態を言う表現です。3つ目の文全体としては「(運命的に)君がいるべきではない場所で君がいることのできる場所はない」、要するに「君はしかるべきところにいる」という意味になります。
“all together now”
「さぁ皆さんご一緒に」というような呼びかけフレーズです。
まとめ
曲タイトルを連呼するサビ部分は特に有名ですが、Aメロ部分などは早口でしかも一聴(一見)してわかりにくい表現で取っつきにくいかもしれません。
しかしこうした部分に向き合ってみると、哲学的で考えさせられることもあって、味わい深いものがあるかと思います。
聴いたことのない人はぜひ一度、聴いたことのある人も今一度、この名曲を歌詞とともに味わってみてはいかがでしょうか?
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