今回取り上げるのはビートルズの「All My Loving(オール・マイ・ラビング)」です。
ビートルズの「All My Loving」の歌詞にはどんな意味がこめられているのでしょうか?
ここでは歌詞の意味を汲み取る上でキーとなる文法や英単語も含めて、詳しく解説していきます。
さて、「All My Loving」の作者名義は「作詞・作曲:Lennon–McCartney(レノン=マッカートニー)」となっていますが、実質的にポールマッカートニー作の曲です。ビートルズの曲ではこのように、名義上は共作の形になっているものの、実質的には片方の手による曲、というパターンが多いです。
この曲が作られたのはツアー中で、歌詞から先にできたようです。メロディはピアノを使用して書かれたとのことで、ギターの印象が強いこの曲ができた経緯としては、少し意外にも思われます。なお、曲中のリードボーカルはポールです。
なお、今回の記事は、YouTube動画、【この歌は英語教材級】 ビートルズAll my Lovingで発音・リスニング・英文法をマスター【カナ記号・和訳付き】でまとめていますので、あわせてご覧になってください。
ビートルズの「All My Loving(オールマイラビング)」の歌詞・和訳をご紹介
Close your eyes and I’ll kiss you
Tomorrow I’ll miss you
Remember I’ll always be true
And then while I’m away, I’ll write home everyday
And I’ll send all my loving to you
I’ll pretend that I’m kissing the lips I am missing
And hope that my dreams will come true
And then while I’m away, I’ll write home everyday
And I’ll send all my loving to you
All my loving I will send to you
All my loving
Darling, I’ll be true
Close your eyes and I’ll kiss you
Tomorrow I’ll miss you
Remember I’ll always be true
And then while I’m away, I’ll write home everyday
And I’ll send all my loving to you
All my loving I will send to you
All my loving
Darling
, I’ll be true
All my loving
All my loving
Ooh
All my loving I will send to you
これを直訳に近い形で和訳するとこのようになります。
君の目を閉じて そして僕は君にキスをしよう(※1)
明日僕は恋しくなるだろう(※2)
覚えておいて 僕はいつも誠実でいる(※3)
そしてそれから僕が離れている間 毎日家に手紙を書こう(※4)
そして君に僕の愛の全てを送ろう(※5)
僕は恋しく思っている唇にキスをしているふりをしよう
そして僕の夢がかないますように
(※4)、(※5)繰り返し
僕の愛の全て 僕は君に送ろう(※6)
僕の愛の全て(※7)
愛しい人よ 僕は誠実でいる(※8)
(※1)~(※5)繰り返し
(※6)~(※8)繰り返し
(※7)繰り返し
(※7)繰り返し
あぁ
(※6)繰り返し
ビートルズで英語学習!All My Loving(オールマイラビング)の英語歌詞の意味を解説
ここでは、曲タイトルや歌詞の中から、上記のような和訳をする際にキーとなる文法や英単語を取り上げながら、詳しく解説を進めていきます。
まずは曲タイトル「All My Loving(オール・マイ・ラビング)」から説明します。
曲タイトルの意味は、「私の愛の全て」といったところになります。
なお、日本語で「私の」と「全ての」を並べる場合「私の全ての」という順番にすることが多いかと思いますが、英語ではこのように「all my~」とすることが多いように思います。
また「loving」は動詞「love」を名詞化した動名詞の形になっています。
続いて歌詞の方の解説に移ります。
“Close your eyes and I’ll kiss you”
前半は命令文で「目を閉じて」という意味です。
「eye」(目)について、ここでは「eyes」と複数形になっているので、両目を閉じることがわかります。
後半は未来形の文で「I’ll」は「I will」の省略形です。
“Tomorrow I’ll miss you”
ここでの「miss」は「恋しく思う」、「寂しく思う」ぐらいの意味の動詞です。
“Remember I’ll always be true”
これは動詞「Remember」から始まる命令文です。
「Remember」には「覚えている」、「思い出す」両方の意味がありますが、歌詞の文脈からいえばどちらでも意味は通ります。
また、最後の「true」ですが、ここでは「誠実な」ぐらいの意味にとればよいかと思います。
“And then while I’m away, I’ll write home everyday”
「while~」は「~の間」ということで、ここでは「I’m away」という文が入っています。「,」後の文は「I’ll」という未来形であるにもかかわらず、このwhile内の文が「I’ll」という未来形の表現になっていないところが気になるかもしれません。
これはなぜそうなっているかというと、「~の間」というような、時や条件を表す副詞節における文は現在形で表すことになっているからです。
また、後半の文には「write home」という表現があります。
ここで、「write」は「手紙を書く」意味、「home」は「家へ」という意味の副詞になっています。
「誰の家なのか」という点が、文章上表れてはいませんが、歌詞全体の文脈をとらえると、「君のいるところの家」と解釈すればよいでしょう。
“And I’ll send all my loving to you”
「send」(送る)という動詞は「何を」「誰に」という対象(目的語)を2つとることができます。
ここでは「all my loving」を「you」に送る意味になります。
なお、これら目的語の順番については注意点があり、ここの文のように「何を」を先にする場合は「誰に」の前に「to」が必要となります。
一方、「誰に」を先にする場合は「誰に」の前の「to」は不要で、「誰に」「何を」をそのまま並べればOKです。
“I’ll pretend that I’m kissing the lips I am missing”
「pretend」は「~のふりをする」という意味の動詞で、ここでは「that」以下の内容のふりをする、という意味になります。
「that」以下の文にある「the lips I am missing」は、「the lips」の説明として「I am missing」が加わっている形で、ここは「lips」と「I」の間のthatが省略されていると考えることができます。この説明が加わることで、「that」以下の内容全体として「僕は恋しく思っている唇にキスをしている」という意味になります。
さて、ここで時制の一致について触れておきます。
今回はthat前の「pretend」と、that以下の「kiss」とで内容的にタイミング(時)は変わらないはずです。
ですから「時制の一致」についてご存じであれば、ひょっとすると「pretendが未来形にも関わらず、「pretend that」以下が「I’m」と現在形なのは何故だろう?」と思われるかもしれません。
しかし、今回の場合はこれで問題ありません。というのも、今回のような未来形の文では、過去形の文におけるような時制の一致が起こらないためです。
また、動詞「pretend」の使い方に関してですが、ここで出てきた「pretend that~」の形以外に「pretend to (動詞)」の形もよく用いられます。
例えば「I pretend to work harder」といえば「私は一生懸命働いているふりをする」という意味になります。
“And hope that my dreams will come true”
冒頭の「And」は直後の動詞「hope」と前の文の動詞「pretend」とをつなぐものと解釈すると、意味が通じます。
「come true」は「実現する」という意味の表現で、覚えておくと便利だと思います。
“All my loving I will send to you”
前に出てきた文章「I’ll send all my loving to you」とほぼ同じといってよいですが、送るもの「all my loving」が先頭に来ています。
“Darling, I’ll be true”
「Darling」はカタカナ表記すれば「ダーリン」です。
日本語では特に女性が使う言葉のように思われている節がありますが、英語上の意味は「最愛の人」といったようなもので、性別によらず使える言葉です。
“Ooh”
英語の発音をカタカナにすると「ウー」ですが、これは感嘆の声に相当し、日本語の「あぁ」ぐらいにとらえると良いかと思います。
YouTube動画でも本記事の内容を解説しています
今回の記事は、こちらの動画【この歌は英語教材級】 ビートルズAll my Lovingで発音・リスニング・英文法をマスター【カナ記号・和訳付き】でまとめていますので、あわせてご覧になってください。
まとめ
シンプルな歌詞ではありますが、英語文法、英単語で注目すべき点がたくさん含まれているので、英語学習にも役立つことかと思います。
しかしこの曲、十分な時間もなさそうなツアー中に完成したというのは驚きですね。
聴いたことのない人はぜひ一度、聴いたことのある人も今一度、この名曲を歌詞とともに味わってみてはいかがでしょうか?
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