今回取り上げるのはビートルズの「I Want To Hold Your Hand」です。
「I Want To Hold Your Hand」の歌詞にはどんな意味がこめられているのでしょうか?
ここでは歌詞の意味を汲み取る上でキーとなる文法や英単語も含めて、詳しく解説していきます。
「I Want To Hold Your Hand」の作者名義は「作詞・作曲:Lennon–McCartney(レノン=マッカートニー)」となっています。
この曲は地下室でジョンレノンとポールマッカートニーがピアノを鳴らしながら作ったとのことで、ボーカルも2人が担当しています。
ビートルズ「I Want To Hold Your Hand」の英語歌詞・日本語和訳をご紹介
… Oh, yeah, I’ll tell you somethin’
I think you’ll understand(※1)
When I say that somethin'(※2)
I want to hold your hand(※3)
(※3)repeat×2
… Oh, please, say to me
You’ll let me be your man
And please, say to me
You’ll let me hold your hand(※4)
(※4)repeat
(※3)repeat
… And when I touch you(※5)
I feel happy inside(※6)
It’s such a feelin’ that my love(※7)
I can’t hide(※8)
(※8)repeat×2
… Yeah, you got that somethin'(※9)
(※1)repeat
(※2)repeat
(※3)repeat×3
(※5)repeat
(※6)repeat
(※7)repeat
(※8)repeat×3
(※9)repeat
(※1)repeat
When I feel that somethin’
(※3)repeat×4
これを直訳に近い形で和訳するとこのようになります。
オーイェー 僕は君にある事を伝えよう
君はわかってくれるだろうと僕は思う(※1)
僕がそのある事を話すとき(※2)
僕は君の手を握りたい(※3)
(※3)×2回繰り返し
おぉ どうか 僕に言ってくれ
僕を君の男にしようと
そしてどうか 僕に言ってくれ
僕に君の手を握らせようと(※4)
(※4)繰り返し
(※3)繰り返し
そして僕が君に触れるとき(※5)
僕は心の内で幸せを感じる(※6)
こんな気持ちだから僕の愛を(※7)
僕は隠せない(※8)
(※8)×2回繰り返し
イェー 君にはもう伝わっている(※9)
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
(※3)×3回繰り返し
(※5)繰り返し
(※6)繰り返し
(※7)繰り返し
(※8)×3回繰り返し
(※9)繰り返し
(※1)繰り返し
僕がそのある事を感じるとき
(※3)×4回繰り返し
ビートルズ「I Want To Hold Your Hand」の曲タイトルと歌詞の意味とは?
まず曲タイトルの「I Want To Hold Your Hand」です。
「Hold(hold)」は「握る」という意味なので、この曲タイトル全体で「僕は君の手を握りたい」となります。
続いて、歌詞本文のポイントとなる部分について解説していきます。
“… Oh, yeah, I’ll tell you somethin'”
「I’ll」は「I will」の省略、「somethin’」は「something」の省略です。「tell you somethin’」の部分は、「you」に「somethin’」を「tell」するという意味構造になっています。動詞「tell」にはこのような用法があります。
なお、「tell」は通常「言う」とすることが多いですが、ここでは歌詞のシチュエーションを考慮して、「伝える」とする方がしっくりくるでしょう。また、「somthin’」は通常「何か」とすることが多いですが、ここもやはり歌詞のシチュエーションを考慮して、「ある事」という、意味深なニュアンスの強い表現にする方がしっくりくるかと思います。
“I think you’ll understand”
「think」(思う)の後に、その思う内容が説明されています。「you’ll」は「you will」の省略です。
“When I say that somethin'”
どのようなときかを説明する部分です。「that somethin’」で「そのある事」となりますが、これは前の文「I’ll tell you somethin’」にある「somethin’」、つまり「君」に伝える内容を指しているととらえられます。
“… Oh, please, say to me”
「please」はお願いするときに使われる語で、ここでは「どうか」ぐらいにとるとよいでしょう。「say to me」とありますが、「say」(言う)は似たような動詞「tell」(言う、伝える)とは違って、言葉をかける対象となる相手(ここでは「me」)の前に「to」が必要となります。
“You’ll let me be your man”
前の部分「say to me」の「say」の内容にあたる部分です。「you」のセリフではないので、主語「You」で始まっています。また、「let~」の部分ですが、「let + (人) + be~」で「(人)を~にする」という意味を表現できます。ここでは、「me」(僕)を「your man」(君の男)にする、という意味になります。
“You’ll let me hold your hand”
ここでも「let」が出てきます。「let + (人) + (動詞)~」で「(人)に~させる」という意味を表現できます。ここでは「me」(僕)に「hold your hand」(君の手を握る)ことをさせる、つまり「君の手を握らせる」という意味になります。
“I feel happy inside”
「inside」は「内部で」ということですが、文の内容が「feel happy」(幸せを感じる)ですから、「心の内で」ぐらいにとるとよいでしょう。
“It’s such a feelin’ that my love
I can’t hide”
「such + (名詞) + that~」で、「著しい(名詞)だから~である」というような意味合いを表現できます。「著しい」に対応する形容部分は、その後に来る名詞に合わせて、適宜訳し方を変えればよいかと思います。ここでは名詞が「feelin’」(気持ち)なので「こんな気持ちだから」ぐらいにするとよいでしょう。あるいは「こんな~」の内容を一層明確にして「こんなに強い気持ちだから」とするのもよいかもしれません。
「that」以降の部分は、目的語「my love」が先に来ている倒置の形になっており、通常の形にすると「I can’t hide my love」(僕は僕の愛を隠せない)となります。目的語「my love」が先に来ているのは、この語を強調するためと思われます。
“… Yeah, you got that somethin'”
これは前後の流れをみても、スムーズに解釈しづらい一節です。順を追ってみていきましょう。
まず、ここの「got」は「have got」の「have」が省略されたものととらえられます。「got」は「get」の過去形でもありますが、前後の流れから考えると、いきなり過去形の文が出てくるとは考えられません。「have got」は特にイギリス英語で使われることの多い表現で、「have」と同じような意味で使われますが、この「have」が省略されることも少なくありません。
「that somethin’」は序盤から度々登場している、「僕」が言うところの「ある事」を指しているものとみればよいでしょう。というわけで、この部分は「you」(君)側に「that somethin’」がある、という意味構造になりますが、ここで次のような疑問が起こります。
今まで「that somethin’」は、「僕」が「言おうとしていること」、あるいは「言うこと」として出てきているのに、ここでなぜ「君の側にあるもの」として出てきているのでしょうか?
その答えは、前後の流れをみてもはっきりとはしません。考えられる解釈としては以下①~③の3つが挙げられます。どれも一理はあると思われますが、ここではこれらの内の①、②の解釈を念頭に置いて、この一節全体を「君にはもう伝わっている」としておきます。
②「僕の愛を隠せない」(前の部分の内容)というほど、既に「君」に意図が伝わってしまっている(と、「僕」が思っている)から
③相思相愛であることを確信しているから
“When I feel that somethin'”
「that somethin’」は序盤から度々登場している、「僕」が言うところの「ある事」を指しており、文の形も前に出てきたものと似ていますが、動詞が「say」(言う)から「feel」(感じる)に変わっています。ここでは、改めてその「ある事」の内容を、自分の心の中で噛み締めることを表現しているものだと思われます。
まとめ
エネルギッシュで親しみやすい曲調と歌詞で、歌詞には繰り返し部分も多く、聴いているうちに覚えてしまうフレーズもあるかと思います。聴いたことのない人はぜひ一度、聴いたことのある人も今一度、この名曲を歌詞とともに味わってみてはいかがでしょうか?
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