今回取り上げるのはビートルズの「Yellow Submarine」です。
「Yellow Submarine」の歌詞にはどんな意味がこめられているのでしょうか?
ここでは歌詞の意味を汲み取る上でキーとなる文法や英単語も含めて、詳しく解説していきます。
「Yellow Submarine」の作者名義は「作詞・作曲:Lennon–McCartney(レノン=マッカートニー)」となっています。この曲の制作経緯については、当人たちによる様々なコメントがあり、はっきりしたところはわかりません。
ジョンレノンとポールマッカートニーそれぞれが取り組んでいた異なる楽曲を組み合わせて作られた、という趣旨の、当人達による発言もあれば、「ほとんどポールの思いつき」というジョンレノンの発言もあります。
ともあれ、この「Yellow Submarine」、リードボーカルはリンゴスター、海を感じさせる効果音も印象的な、楽しい雰囲気の音楽トラックです。
ビートルズの「Yellow Submarine」の歌詞と英語和訳をご紹介
In the town where I was born
Lived a man who sailed to sea
And he told us of his life
In the land of submarines
So we sailed on to the sun
‘Til we found a sea of green
And we lived beneath the waves
In our yellow submarine
We all live in a yellow submarine(※1)
Yellow submarine, yellow submarine(※2)
(※1)repeat
(※2)repeat
And our friends are all aboard
Many more of them live next door
And the band begins to play
(※1)repeat
(※2)repeat
(※1)repeat
(※2)repeat
Full steam ahead, Mister Boatswain, full steam ahead
Full steam ahead it is, Sergeant
(Cut the cable, drop the cable)
Aye-aye, sir, aye-aye
Captain, captain
As we live a life of ease (a life of ease)
Every one of us (every one of us)
Has all we need (has all we need)
Sky of blue (sky of blue)
And sea of green (sea of green)
In our yellow (in our yellow)
Submarine (submarine, aha)
(※1)repeat
A yellow submarine, yellow submarine(※3)
(※1)repeat
(※3)repeat
(※1)repeat
(※2)repeat
(※1)repeat
(※2)repeat
これを直訳に近い形で和訳するとこのようになります(英文が異っても訳内容が実質的に同じ場合は繰り返し表記、また、英語の歌詞にある()内の一部は対象外として省略)。
僕が生まれた町に
航海する男が住んでいた
そして彼は潜水艦の国での彼の暮らしについて僕らに話してくれた
それで僕らは太陽に向かって航行した
僕らが緑の海を見つけるまで
そして僕らは波の下にある僕らの黄色い潜水艦に住んでいた
僕らはみんな黄色い潜水艦に住んでいる(※1)
黄色い潜水艦 黄色い潜水艦(※2)
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
そして僕らの友達がみんな乗っている
彼らの多くは隣に住んでいる
そして楽団が演奏を始める
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
全速力で前進 ボースンさん 全速力で前進
全速力で前進ですね 軍曹
(ケーブルを切ってくれ ケーブルを落としてくれ)
アイアイサー アイアイ
船長 船長
僕らは安楽な生活を送っていて
僕らみんな
僕らに必要なものすべてを持っている
青の空
そして緑の海
僕らの黄色い
潜水艦の中で
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
(※1)繰り返し
(※2)繰り返し
ビートルズの「Yellow Submarine」の歌詞の意味を徹底解説
“In the town where I was born”
「where~」の部分でどんな「town」(町)なのかを説明しています。「I was born」は「僕が生まれた」という意味で、ここではその生まれた場所が「town」(町)であるという関係になっています。
“Lived a man who sailed to sea”
過去形動詞「Lived」が主語「a man」よりも先に来ている、倒置の形になっています。どこに「Lived」(住んでいた)のかは前の文の「In~」の部分、どんな「man」(男)なのかは「who~」の部分で説明しています。「who~」の部分にある過去形動詞「sailed」は、動詞「sail」(航海する)が、過去形動詞「Lived」による時制の一致を受けて過去形になったものです。その後の「to sea」は「海へ」ということですが、動詞「sail」(航海する)の意味と重複する部分がありますので、「sail to sea」全体で「航海する」としてよいでしょう。
“And he told us of his life”
「told」は「tell」(話す)の過去形です。「us」は彼(航海する男)が話をする相手としての「僕ら」であり、「of~」の部分は彼が話す内容に対応します。ここでの「of」は「~について」という意味です。
“So we sailed on to the sun”
この部分から、「航海する男」による話の内容が続いていくものと思われます。「sail on~」は「~の上を航行する」というように、航行する場所を示すことができる表現ですが、ここでは「on」の後に場所を示す名詞はありませんので、単に「航行する」という意味でとらえてよいと思います。
“‘Til we found a sea of green”
「’Til」は「Until」の省略形です。「found」は「find」(見つける)の過去形で、前の文からの時制の一致を受けて、このような過去形表現となっています。
“And we lived beneath the waves
In our yellow submarine”
「beneath~」の部分で「lived」の場所を説明しています。「beneath the waves」は「波の下に(ある)」、その後の「In our yellow submarine」は「僕らの黄色い潜水艦に」という意味です。このように、「lived」の場所を説明する部分が2つ並べられています。場所を示すだけであれば、「In~」の部分だけで十分とも言えますが、海の表面上に現れるものである「波」、その「波」の下にある、ということが明示されていることから、「海の中にいる」という潜水艦の特質が一層強調されているように感じられます。
“And our friends are all aboard”
「aboard」は「(乗り物などに)乗っている」という意味です。前の部分からずっと潜水艦の中の話が続いていますので、ここは「潜水艦に」乗っていることになります。
“Many more of them live next door”
「Many more of them」は「彼らの多く」、「next door」は(「door(ドア)」に関係なく)「隣に」という意味です。ここの「next~」は「here」や「there」のような使われ方をしているため、その前に前置詞などは不要です。
“And the band begins to play”
ここの「band」は、この一節の後の演奏内容から「楽団」とするのが穏当かと思います。「begin to~」は「~をし始める」という表現です。単数扱いの「the band」が主語の現在形の文のため、動詞「begin」は三人称単数現在形の「begins」になっています。
“Full steam ahead, Mister Boatswain, full steam ahead”
ここからしばらく、かなり聴き取りづらいセリフが続きます。「full steam ahead」は「全速力で前進」という意味です。「Boatswain」は「掌帆長」という意味ですが、ここでは「Mister.Boatswain」と、人名的に表現、表記されているので、人名として「ボースンさん」とした方がよいでしょう。ここではこの「ボースンさん」に対する指示がなされています。
“Full steam ahead it is, Sergeant”
ここは前の文で指示「Full steam ahead」を受けた「Mister Boatswain」(ボースンさん)が、その指示に対して答える部分です。「Full steam ahead it is」は、指示に対する了解の意味ととらえられます。「Sergeant」は「軍曹」で、前の文で指示を出した人に対して、「Mister Boatswain」(ボースンさん)が改めて呼びかけている部分ととらえられます。
“Aye-aye, sir, aye-aye”
「Aye-aye, sir」は「了解しました」の意味で使われる「アイアイサー」です。末尾の「aye-aye」も、それを繰り返している部分が途中で切れたもの、あるいは途中で言うのをやめたもの、ととらえられます。
“As we live a life of ease (a life of ease)”
「live a life of ease」で「安楽な生活を送る」という意味です。冒頭の「As」の意味はとりづらいですが、直後の文との関係からいくと、直後の文と同時の内容であることを示すためのものと考えられます。しかし、ここではそのような意味をそれほど強く出す必要はないと考えられるので、単に「生活を送っていて」ぐらいにしておくのが穏当でしょう。
“Every one of us (every one of us)
Has all we need (has all we need)”
「Every one of us」は「僕らみんな」という意味で、三人称単数扱いの主語です。そのため、後に続く現在形動詞は「Has(has)」と、三人称単数現在形になっています。「all we need」は「we need」である「all」という意味構造で、全体として「僕らに必要なものすべて」という意味になります。
“Sky of blue (sky of blue)
And sea of green (sea of green)”
修飾部付きの名詞が並べられているだけで、動詞はありません。前の文にある「all we need」(僕らに必要なものすべて)に含まれているものとして挙げられているのかもしれません。
まとめ
ビートルズの有名曲の一つ「Yellow Submarine」。
楽しみながら英語の勉強もできそうな歌詞です。海や航海にまつわる単語、表現も出てきますので、この機会にそうしたものを覚えてしまうのもよいかもしれません。
聴いたことのない人はぜひ一度、聴いたことのある人も今一度、この名曲を歌詞とともに味わってみてはいかがでしょうか?
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