今回取り上げるのはビートルズの「Get Back」です。
「Get Back」の歌詞にはどんな意味がこめられているのでしょうか?
ここでは歌詞の意味を汲み取る上でキーとなる文法や英単語も含めて、詳しく解説していきます。
「Get Back」の作者名義は「作詞・作曲:Lennon–McCartney(レノン=マッカートニー)」となっていますが、実質的にポールマッカートニー作の曲です。
この曲のメロディはスタジオでの即興演奏の中から生まれ、その後に歌詞が仕上がっていったとのことです。
曲中のリードボーカルはポールです。
演奏面では、外部ミュージシャンであるビリープレストンによるエレクトリックピアノにも要注目です。
ビートルズの「Get Back(ゲットバック)」の歌詞・和訳をご紹介
Jojo was a man who thought he was a loner
But he knew it couldn’t last
Jojo left his home in Tucson, Arizona
For some California grass
Get back, get back
Get back to where you once belonged
Get back, get back
Get back to where you once belonged
Get back Jojo
Go home
Get back, get back
Back to where you once belonged
Get back, get back
Back to where you once belonged, yeah
Oh, get back, Jo
Sweet Loretta Martin thought she was a woman
But she was another man
All the girls around her say she’s got it coming
But she gets it while she can
Oh, get back, get back
Get back to where you once belonged
Get back, get back
Get back to where you once belonged
Get back Loretta, woo, woo
Go home
Oh, get back, yeah, get back
Get back to where you once belonged
Yeah, get back, get back
Get back to where you once belonged
Ooh
Ooh, ooh
Get back, Loretta
Your mommy’s waitin’ for you
Wearin’ her high-heel shoes
And a low-neck sweater
Get back home, Loretta
Get back, get back
Get back to where you once belonged
Oh, get back, get back
Get back, oh yeah
これを直訳に近い形で和訳するとこのようになります(英文が異っても訳内容が実質的に同じ場合は繰り返し表記)。
ジョジョは自分が一匹狼だと思っている男だった
しかし彼はそれが続かないと知っていた
ジョジョはアリゾナのツーソンにある家を去った
カリフォルニアの草のために
戻れ 戻れ(※1)
君がかつていたところに戻れ(※2)
(※1)~(※2)繰り返し
戻れ ジョジョ
家に帰れ(※3)
(※1)~(※2)繰り返し
(※1)~(※2)繰り返し
イェー
おぉ 戻れ ジョ・・・
すてきなロレッタマーティンは自分を女だと思っていた
しかし彼女は別の男だった
彼女の周りの少女たちは皆 彼女は当然の報い(罰)を受けると言っている
しかし彼女は女のようでいるのだ それが可能な間は
おぉ 戻れ 戻れ(※4)
(※2)繰り返し
(※1)~(※2)繰り返し
戻れ ロレッタ うー うー
(※3)繰り返し
おぉ 戻れ イェー 戻れ
(※2)繰り返し
イェー 戻れ 戻れ
(※2)繰り返し
あぁ
あぁ あぁ
戻れ ロレッタ
君の母親が待っている
ハイヒールシューズを履いて
そしてローネックセーターを着て
家に帰れ ロレッタ
(※1)~(※2)繰り返し
(※4)繰り返し
戻れ オーイェー
ビートルズで英語学習!Get Back(ゲットバック)の英語歌詞の意味を解説
まず曲タイトルの「Get Back」は「戻る」という意味で、歌中では命令文として用いられています。
動詞「get」には「ある状態にする」という意味があり、「get back」は「back」という状態にするということで、「戻る」という意味になります。
続いて、歌詞本文のポイントとなる部分について解説していきます。
“Jojo was a man who thought he was a loner”
「Jojo」(ジョジョ)は人名、「thought」は「think」(思う)の過去形です。
「who」以下の内容で「man」を説明していますが、主文の動詞が「was」と過去形で、「who」以降の文も過去形となっています。これは時制の一致によるものです。主文と「who」以降の文とでタイミング(時)のずれがないため、そのような形になっています。
また「loner」はいわゆる「一匹狼」というような意味です。
“But he knew it couldn’t last”
この文も全体が過去形で「knew」の内容が後ろで説明されています。
ここでの「last」は「続く」という意味の動詞です。
“Jojo left his home in Tucson, Arizona”
「Tucson」、「Arizona」は地名です。
「left」は「leave」(去る)の過去形です。
“For some California grass”
「California」は地名、「grass」は「草」という意味です。
“Get back to where you once belonged”
「to」以下で戻る場所を示しています。ここでの「belong」は「いる(居る)」という意味の動詞です。
“Go home”
ここでの「home」は副詞で、「to」を使わずこのような表現が可能です。
“Oh, get back, Jo”
最後の「Jo」は「Jojo」と言いかけて途切れたものとみればよいでしょう。
“Sweet Loretta Martin thought she was a woman”
「Loretta Martin」(ロレッタマーティン)は人名です。ですので、その前についている「Sweet」は「すてきな」ぐらいの意味でとらえるとよいでしょう。「thought」の後の「she」は主語「Loretta Martin」を指し、時制の一致によって「she~」の文も過去形になっています。
“But she was another man”
ここの「another」は、男「Jojo」に対して「別の男」という意味、あるいは「自分を女だと思っている男」(つまり「自分を女だとは思っていない男」とは違う「別の男」)という意味を出すためのものと考えられます。しかし、あえて訳さなくても意味は通るかと思います。
“All the girls around her say she’s got it coming”
動詞「say」の手前までが主語で、その後に「say」の内容が続いていますが、「say」の後ろの文はわかりにくいと思います。
ここでの「she’s」は「she has」の省略で、これを省略しない形にすると「she has got it coming」となります。なお、イギリス英語では「have」の代わりに「have got」を使うことが少なくありません(ビートルズはイギリスのロックバンドです)。そこで、ここの「has got」も「has」に置き換えると(「has」は「have」の三人称単数現在形)、この文は「she has it coming」と変形できます。「have it coming」で「当然の報い(罰)を受ける」という意味になりますので、「she has it coming」で「彼女は当然の報い(罰)を受ける」となります。
“But she gets it while she can”
「while」は「~の間」です。文末「can」の後に動詞がありませんが、前半部分の内容「get it」が省かれているものだと解釈すればよいでしょう。
「gets it」(動詞原形表現では「get it」)は訳しづらいのですが、ここの「it」は文脈からいって「女のようであること」、「get」は「自分のものにする」意味の動詞として考えると、「get it」は「女のようであることを自分のものにする」(≒「女のようでいる」)と解釈できます。
“Ooh”
英語の発音をカタカナにすると「ウー」ですが、これは感嘆の声に相当し、日本語の「あぁ」ぐらいにとらえるとよいかと思います。
“Your mommy’s waitin’ for you”
「Your mommy」は、文脈からするとロレッタの母親ととらえられます。
“Wearin’ her high-heel shoes”
“And a low-neck sweater”
ロレッタの母親の格好を述べた文ととらえられます。「high」と「low」が対比の形になっているようにも思われます。
まとめ
少しわかりにくい言い回しがあったりして、とっつきにくいところもありますが、その分、勉強になることも多いかと思います。
聴いたことのない人はぜひ一度、聴いたことのある人も今一度、この名曲を歌詞とともに味わってみてはいかがでしょうか?
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