- otherって「他の」じゃないの?
- the otherとanotherの違いがよくわからない…。
- others, the othersとか、いろんな形があって混乱する!
「他の」という意味で有名なotherという単語。
その意味からも、あまりメインで扱われることの多くない存在ですが、意外と使い分けが難しく、苦手としている人が多いんです。
かくいう私もその一人。
中学時代にotherとanotherを習ったとき、次のように教わって混乱したのを覚えています。
「otherは「他の」という意味です。そしてanotherは「もう1つの」という意味です。それぞれしっかり使い分けましょう。」
中学時代の私
「「他の」と「もう1つの」ってほとんど同じ意味じゃないか?どうやって使い分けろというんだ…。」
そう思って後日質問に行きましたが、「日本語に訳せば分かる」といった主張の一点張りで、結局それらの違いが分からないままに中学を卒業しました。
その後もothersやthe othersの派生が出てきて、混乱に拍車がかかったのは言うまでもありません。
しかし、otherとanotherの違いは「他の」「もう1つの」といった曖昧なものではなく、非常に論理的なものです。
その違いを理解できれば、派生語句であるothersやthe othersについてもスムーズに理解することが可能です。
そこで今回の記事では、「他の」を意味するother系の単語について、それぞれの使い分けを徹底的に確認していきたいと思います。
これを読めば、今までotherの理解があやふやだった人も、自信をもって使い分けることができるようになりますよ。
それでは、早速始めていきましょう!
- otherのもともとの意味
- the otherとanotherの違い
- othersとthe othersの違い
そもそも、英語の「other」はどんな意味?
otherは「他の」を意味する単語です。
本来は形容詞であるため、「other+名詞」の形で使いますが、名詞の内容が分かり切っている場合には名詞が省かれ、other単体で使われることもあります。
あなたは他の本も持っていますか?
Do you have others?
あなたは他のものも持っていますか?
otherが表すのはあくまで「他の」、つまりは脇役です。
そのため、主役を表すone(1つのもの)やsome(いくつかのもの)とセットで使われることが多いです。
私はペンを2本持っています。1本は青で、もう1本は赤です。
Some people say urban life is good, and others say country life is good.
都会生活が良いと言う人もいれば、田舎生活が良いと言う人もいます。
しかし、そんなotherが英文の中で使われる場合、単にotherという形のままのこともあれば、othersと複数形になっていたり、定冠詞theが付いてthe other(s)となっていたり、はたまたanotherなんていう、似ているけれどちょっと違う形が使われていたりと、さまざまなバリエーションが存在します。
これらの使い分けについて、日本の学校ではあまり詳しく教えてくれないことが多いですが、1つ1つ明確な違いがあります。
それでは、それぞれの用法の違いと使い分けについて、次の見出しで詳しく確認していきましょう。
英語の「other・another・the other・others」の違いと使い分けを解説
それでは、「other・another・the other・others」の違いと使い分けを解説します。
単数と複数に分けるとわかりやすいため、まずは単数から見ていきましょう。
単数を表すother(the other, another)の使い分け
otherが単数の人や物を表す場合、状況に応じて定冠詞theの付いた「the other」か、不定冠詞anの付いた「another」が使われます。
anotherは一見otherと別単語のようですが、実際は「an other」が縮まっただけです。
the otherとanotherはどちらも「もう1つの」といった似た意味で使われ、違いが分かりにくいですよね。
その違いは、簡単に言うと「残りが1つに決まっているかどうか」です。
順番に確認していきましょう。
the otherが使われる場合(残りが1つに決まっている場合)
定冠詞theが意味するのは「他のどれでもない、決まったもの」。
そのため、たとえば2つのものがあって、残りが1つに決まっている場合などには「the other」が使われます。
ここに2つのワインがあります。1つは非常に高価ですが、もう1つは安いものです。
芸能人の審美眼を格付けする某テレビ番組のようなシチュエーションですが、ワインが2つあり、一方が高価なものだとわかれば、安いものは残りの1つだということが誰にでもわかります。
そのため、ここではthe otherを使うのが適切です。
anotherが使われる場合(残りが1つに決まっていない場合)
不定冠詞a [an]が意味するのは、「どれでもいい1つのもの」です。
そのため、たとえば3つ以上のものがあって、1つを選んだとしても残りが1つに確定しない場合には「another」が使われます。
ここに3つのドーナツがあります。あなたは好きなものを取ってください。私はその後で他のものを選びます。
先ほどの例文と似たシチュエーションですが、大きな違いは選択肢が3つあるということ。
3つあるドーナツのうちから1つを選んだとしても、残りは2種類。
そのうちのどちらを選ぶかは好みによって変わるので、可能性が1つには確定しませんね。
そのため、ここでは不定冠詞anを含んだanotherを使うのが適切です。
とはいえ、選択肢が3つ以上あるからといって、必ずしもanotherになるわけではありません。
複数の選択肢があっても、以下のように残りが1つに確定しているシチュエーションではthe otherが使われます。
大切なのは、もともとの選択肢の数ではなく、残りの選択肢が1つに決まっているか否かです。
ここに5人の少年がいます。左からジョン、ベン、ジョージ、ポール、そしてマイクです。
以上ご説明したように、the otherとanotherを使い分けるためには、定冠詞theと不定冠詞a [an]のイメージの違いをしっかり理解しておく必要があります。
theとa [an]の違いについては、こちらの「英語の冠詞「a/the/無冠詞」の違いと使い分けを5分でわかりやすく解説!」でさらに詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
英語の冠詞「a/the/無冠詞」の違いと使い分けを5分でわかりやすく解説!
複数を表すother(the others, others)の使い分け
複数の人や物を表す場合は、otherに複数を表すsが付いたothersが使われます。
その際、定冠詞theが付く場合と付かない場合がありますが、基本的な考え方は単数の場合と同様です。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
the othersが使われる場合(指し示すのが残り全ての場合)
ここに10冊の本があります。私は1冊読みたいですが、残りは要りません。
上の例文の場合、話し手が1冊を選べば、残りの9冊は自ずと定まりますね。
そのため、誰の目にも残りが同じものだということになり、定冠詞theが使われます。
othersが使われる場合(指し示すのが残り全てではない場合)
会社に毎日行く人もいれば、そうでない人もいます。
一方、こちらの例文では「毎日会社に行く人」と「そうでない人」という分け方がされていますが、世の人々の中には学生だったり無職だったり働く必要が無かったりで、「そもそも会社に行かない人」も存在します。
そのため、「会社に毎日行く / 行かない」という2通りだけでは全ての可能性を説明できません。
このような場合は、定冠詞theを付けないそのままの形であるothers、または適切な名詞を補って「other+名詞s」の形になります。
イメージとしては単数の場合のanotherと同様です。
anothersは無いのか
たまに「anothersは無いのか?」という質問を受けることもありますが、ここまでお読みの皆さんには、その理由がもうおわかりですね。
anotherのanとは不定冠詞のa [an]がくっついたもの。
そのため、単数の場合以外には付けることができないんです。
また、指し示すものが「数えられない名詞(不可算名詞)の場合には、当然others, the othersの形にすることはできません。
不可算名詞については、こちらの「【ゼロから学ぶ】 数えられる?数えられない? 可算名詞と不可算名詞 – 違いと、見分け方を例文付きで紹介!」で詳しく説明していますので、ぜひご参照ください。
【ゼロから学ぶ】 数えられる?数えられない? 可算名詞と不可算名詞 – 違いと、見分け方を例文付きで紹介!otherの使い分けは指し示すものが単数なのか複数なのか、残りが客観的に定まるのか定まらないのかによって変わってきます。
ここまで説明してきたことを表にまとめましたので、それぞれの違いを改めて整理しておきましょう。
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まとめ
今回はother, the other, another, the others, othersといった、「他の」を表す諸々の表現の違いについて解説していきました。
それぞれを見分けるポイントは、指し示すものが「単数なのか複数なのか」、そして指し示すものが「誰の目にも明らかか、そうでないか」という点です。
これらを意識することで、other系の各単語がスッキリ正確に使い分けられるようになるはずです。
それでは、今後も楽しんで英語学習を続けていきましょう。
Let’s enjoy!!
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