はじめまして!今回記事を担当させていただくRisaです。
英語学習をしている皆さん。
・いちいち文法を考えてから話したり、英文を聞いて日本語に変換して理解する英語から抜け出したい
このようなことを思いませんか?
そんな方のために学習において効果的な「認知文法」について説明していきます。
そもそも「認知文法」って聞いたことないけど何?という方でも、こちらのような思いがある方なら大丈夫です!
・英語を「覚えて使う」から「感覚で使う」にしたい
・英語を聴いたり話したりする時に日本語訳を通さずに理解したい
認知文法に基づく学習とはどのようなものか、従来の学習方法と比べて何が違うのか、だけでなくなぜ認知文法に基づく英語学習が効果的なのか、どのように認知文法に基づく英語学習を行なっていくかについても説明していきます。
ぜひ最後までご覧になってみてください!
中高生時代に通っていた英会話塾や大学の英語での授業(英語を学ぶ授業ではなく英語で学問を学ぶ授業)、留学を通じて感覚的に英語を聞き、話す能力を徐々に身につけていきました。現在は仕事で使うために引き続き英語学習を行なっています。
また大学時代に一念発起して第三言語を学習し始め、効率の良い言語の習得方法を再度模索しています。
英語の認知文法の学習とは?従来の英語学習との違い
認知文法に基づいた英語学習とは何かを説明する前に、比較対象となる馴染み深い従来の英語学習方法について初めに整理しておきましょう。
従来の英語学習方法は、皆さんも経験があるように日本の中学・高校で一般的に行われている方法です。
単語帳をひたすら覚えたりした方も大勢いるのではないでしょうか。
もちろん学習することにおいて暗記をすることは避けては通れない道ですね。
しかし従来の学習方法では覚える量が膨大になってしまうことに加えて、実際に英語を読む・聴く際に英語を日本語に、英語を書く・話す際に日本語を英語に変換する必要があり時間もかかってしまいます。
このような従来の学習方法の弱点を克服できるのが認知文法を用いた学習方法です。
では具体的に同じ単語・文法について従来の学習と認知文法に基づく学習ではどのように異なるかを確認し、比較してみましょう。
多くの方が学生時代に苦労したと思われる現在完了形have + 過去分詞を例に挙げてみます。
have + 過去分詞 = ①継続「ずっと〜している」②経験「〜したことがある」③完了・結果「(ちょうど)〜したところだ」
【認知文法に基づく学習】
have + 過去分詞 =「過去から現在まで連続して動作・状況が繋がっているイメージ」
従来の学習方法では、①〜③を覚えて、前後の文脈からどれに当てはまるかを考えますね。
一方で認知文法に基づく学習では、過去から現在までの連続するイメージを理解します。
イメージを理解しておく、具体的に日本語に直す必要はないのです。
他の例を見てみましょう。
使役動詞のmake、have、getについてパッと使い分けることができますか?
どの使役動詞も「〜させる」、「〜してもらう」という意味ですが、細かくはニュアンスが異なります。
このニュアンスをただ暗記するだけではすぐに忘れてしまいますが、make、have、getのイメージを整理するとニュアンスが理解できますし、忘れにくくなります。
なので、主語が非常に優位な存在である、とイメージできます。
強制力の強い使役というニュアンスが理解できます。
【例文】
She made her son stay home, because he didn’t finish his homework.
宿題が終わっていなかったので、彼女は息子を家にいさせた。
なので、主語が非常に優位な存在である、とイメージできます。
強制力の強い使役というニュアンスが理解できます。
【例文】
She made her son stay home, because he didn’t finish his homework.
宿題が終わっていなかったので、彼女は息子を家にいさせた。
主語にくる人や物がすでに(物や状況)を持っている状態のイメージです。
なので、強制力のある「〇〇させる」というよりも他の人や物に〇〇してもらうことが当然の状況、というイメージです。
強制力は強くないけれど断られることのない当然のお願いというニュアンスが理解できます。
主語がその状況を得るために行動しているので、haveよりも手間取っているイメージです。
makeのように強制力のある使役でもなく、haveのように当然やってもらえる使役でもなく、頼んでやってもらうというニュアンスが理解できます。
【例文】
She got her son to stay home, because she wanted him to help her housework.
彼女は息子に家事を手伝って欲しかったので家にいてもらった。
ここまでの例から、認知文法に基づく英語学習とは、ただ日本語訳を覚えるのではなく、イメージを覚えて応用していけるようにすることだと、少し理解してもらえたかなと思います。
しかし、これがネイティブに近い英語を使えるようになることとどんな関係があるの?と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
認知文法に基づく英語学習がどうして効果的なのか?を続いて説明していきます。
認知文法に基づく理解は、なぜ英語脳に効果的なのか?
②英語の暗記効率の向上につながる
③英語の感覚を身につけられる
認知文法に基づいて理解し英語を使うことで、英語の処理スピードの向上、暗記効率の向上、英語の感覚の習得につながることを詳しく説明していきます。
英語の処理スピードの向上につながる
ネイティブに近い英語を目指せば目指すほど、処理のスピードが非常に大切になってきます。
そこで、認知文法の出番です。
認知文法をベースにすることで、日本語で考える時間を省き、処理スピードを格段に上げることができるのです。
先ほど例に挙げたhave + 過去分詞について再び考えてみましょう。
従来の学習方法だと、have + 過去分詞を聞いたら3つの意味のどれに当てはまるかを考えてしまい、そこでリーディングやリスニングがストップしてしまいがちです。
しかし認知文法をベースにhave + 過去分詞のイメージを理解していれば、過去から現在まで”過去分詞”の状態・行動が繋がっているのだな、と簡単に捉え、リーディングやリスニングを引き続き行うことができます。
このことからどんどん情報を処理していかないといけない実用的な場面では認知文法の理解が効果的になります。
英語の暗記効率の向上につながる
従来の学習方法で、中高時代に大量の文法と英単語、それらに対応する莫大な日本語を覚えた方がほとんどではないでしょうか。
認知文法に基づく英語学習でももちろん覚えることは重要ですが、日本語訳をすることが目的ではないのでイメージを覚えることを優先します。
そのため従来の学習方法よりも暗記する量をガクッと減らすことができるので、暗記効率の上昇に繋がり、多くの英語に触れる機会を増やすことができます。
英語の感覚を身につけられる
突然ですが、言語では世界全てを表現し切ることができません。
私たちは世界の一部を切り取って言語化しています。
そして世界のどこを切り取るか、という習慣が言語・文化によって異なります。
なので、英語話者と日本語話者では世界の切り取る一部が根本的に異なり、それが言語の使い方にも現れます。
例を挙げると、「自分」という存在の捉え方があります。
以下の例文を考えてみましょう。
I found the tree which I had looked for.
日本語では文の中に「木」のみが存在し、木があると認識しているはずの「私」については書かれていません。
しかし英語だと木があると認識している「私」がきちんと書かれています。
これは日本語だと自己を切り離して世界を捉え、英語だと自己が存在する世界を捉えているためです。
そのため英語を日本語に、日本語を英語に、にこだわっても、捉え方の違いからどうしても訳せない場面にぶち当たってしまいます。
そうなった時に無理やりに日本語と英語をイコールで繋げずに、あくまでイメージで捉えることが重要になります。
ちなみに…認知文法に基づく英語学習は、中高生よりも大人の方がより効果が発揮されます。
なぜなら認知文法に基づく理解には、概念の把握と理解が必要なためです。
先程の言語=世界の一部の切り取りという考え方を受け入れることは、中高生よりも大人の方が容易にできますね。
「もう大人だし、英語力なんてこれ以上伸びないんじゃ…」と諦める必要はありません!
大人になってこそ効率的に伸ばせる方法で、英語力を伸ばしていきましょう。
続いては、認知文法を使ってどのように英語のトレーニングをしていくか、について説明します。
認知文法で英語脳の作り方を徹底解説!
大山俊輔 - サイト監修人
認知文法を使えるようにするために読む、聞くときに意識すること
認知文法に基づいて英語を使えるようにするために意識することをお伝えします。
まず英文を読む際には、文章の区切りごとで理解し、一度読んだら戻らないよう意識してください。
読んで理解したイメージを脳の中に重ねがけしていく感じです。
文字で覚えるよりもイメージの方が頭の中で残りやすいので、文法に意識しながら文章を後ろから忠実に日本語に直していくは禁止して、イメージを頭の中に残していく習慣を作っていってください。
続いて英語を聞く際には、聞こえてきた英語を日本語には訳さず、イメージを思い浮かべて理解するよう意識してください。
読むときと同じですね。
例えば非常に単純ですが「Apple」と聞いたときに「りんご」と思い浮かべるのではなく、りんごのイメージを頭の中に思い浮かべるのです。
特に動詞や前置詞などは初めの頃はとても難しいと思いますが、徐々に定着していきます。
リスニングではそもそも一方的に流れていくものなので、英文を読むときのように前に戻って聞くことはできませんが、頭の中で戻ることもしないようにしましょう。
流れてくる英語を意識してどんどん処理していきましょう。
でもそもそも動詞や前置詞のイメージが分からなければ、イメージを理解するということはできませんよね。
以降では動詞・前置詞にイメージ・概念を与えるための学習、そしてイメージからの理解を徹底するためのトレーニングに活用できる手段をお伝えします。
活用①認知文法に基づいた英語学習用参考書
自己学習において一般的に使われるのが参考書ですね。
認知文法に基づいた英語学習用参考書も出版されていますので、ぜひ学習に役立ててください。
注意点としては、イメージや概念を捉えるために、文字ベースだとどうしても説明が多く複雑になってしまいます。
「イラストよりも文字で書かれている方が理解しやすいんだ!」という強者でない限り、イラストを多く利用している参考書をおすすめします。
認知文法に基づいた理解ができてきたな、と思ったら、以下で紹介している方法で実際にイメージや概念を使って英語に触れてみましょう。
活用②オンライン学習プラットフォーム
英語を学ぶための動画を視聴できるオンライン学習プラットフォームを利用することでも、認知文法のトレーニングができます。
慣れてきたら映画や海外ドラマ(日常会話学習向け)、TEDx(プレゼンテーションなどビジネス向け)を用いての英語学習も良いでしょう。
私は英語学習のためにUdemy、認知文法トレーニングのためにTEDxを利用しています。
生の英語を聴きながら学習したイメージや概念を使った英語理解を定着させましょう。
活用③洋書
リーディングのトレーニングをしたい人におすすめです。
意識して文章の区切りごとで理解し、一度読んだら戻らないトレーニングをするためには、洋書の活用が効果的です。
いきなり分厚い洋書にトライする必要はありません。
短めで自分が好きなタイプの小説から始めましょう。
活用④英会話教室
ここまでで挙げた参考書やオンライン学習プラットフォームの活用もいいですが、これらではアウトプット(特に「話す」)ができません。
その点英会話教室ならば講師とコミュニケーションを取る機会があるため、アウトプットのトレーニングをすることもできます。
(私もリスニング・リーディング・スピーキング・ライティング、の4つ全てを行なって英語を上達させてきました)
また自分に合ったカリキュラムで学習をし、分からない箇所がある時にはより詳しく聞くことができるのも英会話教室に通う利点です。
スケジュールを強制的に決めることで、自己学習をサボってしまいがちな人も計画的に勉強することができます。
最近ではオンラインでの参加ができる英会話教室も増えてきており、さまざまなライフスタイルに合わせて学習を続けることができるので、自分のスタイルに合った教室を選ぶといいですね。
別記事の「一から英語の勉強をしたい社会人必見!英語のプロが教える挫折しない勉強法」でも効果的に勉強を継続していくコツをより詳しく解説していますので、チェックしてみてください。
一から英語の勉強をしたい社会人必見!英語のプロが教える挫折しない勉強法まとめ
認知文法に基づく英語学習は
・英語の処理スピード向上、英語の暗記効率向上、英語の感覚の把握に繋がる
認知文法に基づく理解から、実際に英語のリスニングやリーディング、スピーキングに使えるようになるまで地道なトレーニングが必要になります。
しかしトレーニングの結果、英語を聞いているのに日本語訳をしていない自分に気がついた時、大きな達成感が得られるはずです。
自分に合った教材を使って英語の学習を続けていきましょう。
「継続は力なり」です。
また別記事でもネイティブに近い英語脳を作るための方法をご紹介していますので、ぜひご参考ください!
【英語初心者は必見】英単語の覚え方の劇的に改善させるコアイメージとは? 英語の効率の良い勉強法の秘訣である「認知言語学」をご紹介! 第二言語習得論で英語学習の効率UP!インプットの重要性とアウトプットの役割についてRisa
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