英語学習をしている私たちにとって、自分の英語力がどの程度か把握しておくことは大切です。
把握しておくことで、目標達成のために今後どのような英語学習をしていくべきかが明確になったり、日々の勉強のモチベーションや自信にも繋がったりするからです。
なかでも、今回解説する英検(実用英語技能検定)は文部科学省が後援していることもあり、公式なスコアとして学校やお勤め先の会社への英語力の証明にもなる資格であることはご存知の方も多いかと思います。
受験者は年々増加しており、小学生から社会人などの大人まで幅広い年代の方が対象とされています。
実用英語技能検定のレベルの幅は、5級からスタートし、4級・3級・準2級・2級・準1級・1級と難しくなっていくものです。
英語の学習レベルに応じてこのように細かく設定されていますが「私は何級を受験すればいいの?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に私も、何級を受験するか決めるときはいつも悩みました。
当時の自分の英語力と大きくかけ離れた級を受け、「試験のお金がもったいなかったな…。」と涙を飲んだ失敗の経験もあります。
英検受験のためには試験料やテキスト・問題集代も少なからずかかってきます。
この記事を読んでいるこれから英検受験予定の皆さんにはぜひ、自身の学習スタイルや目標、能力にあったレベルの試験を受験し、合格に向けてさらなる英語学習のやる気に変えていっていただければと思います。
英検レベル基準について項目ごとに解説!
5級〜1級までの幅がある英検のレベルですが「級が上がるにつれて難しくなっていく」の一言だけでは表せないほど、各級によってその特徴や求められる能力を測るための試験内容が異なってきます。
ここでは大きく3つの側面から各レベルについて説明していきます。
単語力
英検ではそれぞれの級に「これくらいの数の英単語を知っていれば合格できますよ。」という大体の目安があります。
それぞれの級に必要な単語数をレベルとともに見ていきましょう。
4級:1,280語 (中学2年生レベル)
3級:2,580語 (高校受験レベル)
準2級:4,080語 (高校2年生レベル)
2級:5,780語 (センター入試レベル)
準1級:7,630語 (難関大学レベル)
1級:10,030語 (上級レベル)
ネットで自分が今英検何級レベルの語彙力なのか測ることのできる簡単なテストもあります。
ぜひ1つの参考にしてみてくださいね。
求められる力
それぞれの級で求められる英語力も異なってきます。
求められる力というのは「その級に合格することで、こんなことができるようになっている!」と言い換えることもできますよね。
ここでは、級ごとに習得目標を比較することでそれぞれの英検レベルについて説明していきます。
ご自身の現在の英語学習の目標と照らし合わせながら読んでいきましょう。
まず、5〜3級は英語の基礎力定着を1番の狙いとしています。
趣味や家族についてなど、身近な話題について英語で理解・説明ができるようになります。
3級では、二次試験にスピーキングテストの出題もあります。
英語習得に必要な4つの能力である「リスニング(聞く)」「スピーキング(話す)」「リーディング(読む)」そして「ライティング(書く)」の4技能のうち3技能の基礎が求められるレベルだということが分かります。
そして準2級、 2級は大学入試や海外留学でも通じるような英語力をつけることが狙いです。
教育や化学、テクノロジーについてなど、専門的な内容の文章問題も出題されます。
このことから、語彙力のさらなる向上も必要になってきますね。
2級からは筆記問題にライティング問題が新たに出題されてきます。
そして準1級、1級は、「リーダー(品格)の英語」が習得目標であると英検公式HPに記載があり、先ほど説明した4技能の総合力が試されることになります。
なかでも1級では、二次試験に2分間のスピーチが課せられ、英語の知識に加え実際に英語を使ってコミュニケーションがとれるかどうかが求められています。
合格率
日本英語検定協会の公式サイトには、各級の合格基準スコアが記載されています。
英検の合格基準は「英検CSEスコア」と呼ばれ、国際標準規格CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)という外国語能力の習熟度を示す世界標準の指標に対応しています。
そして、スコアは統計的手法によって決められるので、問題の難易度等に左右されることなく信憑性の高い確かな結果を得ることができるのです。
一方で、その回の他の受験者の得点も合格基準点数に影響してきます。
そのため、受験後の自己採点によって合格・不合格を判断することが難しいのです。
正式に結果が届くまでの間、ドキドキしてしまいますよね。級によっても多少異なりますが、7割程度の問題が解けていれば合格率が高くなってくるとのデータがありますので、そこを目指して1問1問大切に解いていくようにしましょう。
英検のそれぞれのレベル合格のために必要なことは?
英検の基準について項目ごとに知っていただいた後には、各級合格のために大切なポイントをおさえながらそれぞれのレベルについて比較していきたいと思います。
学習時間
どのくらいの時間勉強すれば合格により近づくことができるのか把握しておくことは、英検合格のための効率の良い試験勉強の計画を立てるために重要です。
あくまで大体の目安にはなりますが、自分の英語力やスケジュールを考えた上でこちらも参考にしてみてください。
まず、英語の学習をはじめたばかりの方が5級合格のために必要な学習時間の目安は10〜12時間ほどです。
その後、4級合格のためにはさらに13〜17時間ほど、4級合格できる実力を持つ方が3級合格にチャレンジするには約17〜21時間かけると良いとされています。
ここからはさらに難易度が上がります。
3級合格できる英語力を持つ方が準2級を取得するためには約26〜33時間、その後2級をパスするためにはさらに約30〜36時間ほど。
2級から準1級は約33〜41時間、準1級から1級は約45〜54時間が最低でも必要です。
英検合格を含め、英語力の向上のためには継続あるのみです。
1日5分からでも英語に触れる時間を作っていくことをおすすめします。
問題傾向を押さえた勉強をすること
受験する英検のレベルが決まったら、合格に向けてその級に合った勉強をしていきましょう。
まず、テキストや問題集を揃えます。
多くの問題集には冒頭部分にその級合格のためのテキストの活用方法が書かれていますので参考にしてみてください。
各技能別の問題の傾向を抑え、間違った箇所を含め繰り返し解くのが理想です。
回答をしっかりと読み込むのもおすすめです。
英語力をつけるとともに英検の特徴をしっかりと叩き込んでいきましょう。
そして、公式問題集を解くのも効果的です。
その際、各級の1次試験の合格のために理想的な時間配分を目安にし、時間を意識して解く練習もしてみましょう。
時間配分の力を鍛えておかないと、試験時間後半になって全ての問題を解き終えることができないことに気づき、絶望してしまうことになります。
3級の1次試験を例に時間配分を見ていきましょう。
試験時間全体は50分です。
大問1の短文の語句空所補充問題、大問2の会話文の語句空所補充問題を12分で終わらせるのが理想的です。
1問にかけられる時間は30秒ほどの計算になりますので、瞬時に正しい語句を選ぶ訓練をする必要がありますよね。
ここで時間をかけすぎてしまうとその後が大変になってしまいます。
そのあと、大問3の長文問題には20分、大問4の英作文には15分かけていくイメージです。
、全体的な正答率を上げられるようなバランスの良い勉強法を心がけていきましょう。
TOEICのスコアと英検レベルの比較
英検と同じように、TOEICは広く知られている英語試験のひとつですよね。
「自分のTOEICスコアだと英検何級に相当するんだろう?」などと疑問を抱く方も多いのではないかと思います。
英検のレベル基準はTOEICのスコアで考えるとどのくらいなのか比較していきましょう。
まずはじめに、英検の各レベルを順番に沿ってTOEICスコアに換算していきましょう。
英検5級〜4級の場合TOEICスコアは346程度、英検3級の場合は377程度、英検準2級の場合は402程度、英検2級の場合は527程度、英検準1級の場合は713程度、そして英検1級の場合は955程度のTOEICスコアに換算ができます。
例えば、TOEICスコアが500の方だと、英検準2級と2級の間くらいの英語力にあるということがいえます。
英語力の換算はこのようにできますが、問題の傾向は英検とTOEICでは異なるので、それぞれの試験にあった対策をすることが試験合格のためのポイントです。
ここで私の失敗体験をご紹介します。
私はTOEIC730を取得したすぐ後にあまり対策をせず英検準1級に挑んだところ、あと1点のところで1次の筆記試験を落としてしまったという苦い経験をしました。
受験する級や自分の現在の英語力のレベルを把握し、それぞれの試験の目標を決めていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?この記事では英検のレベル基準についてさまざまな角度から比較してきました。
各級の違いについてイメージをつけて頂けていたら幸いです。
また、英語学習を最近はじめたという方は、今後の学習の目標や目安のひとつとして考えてもらえましたら嬉しいです。
英検の受験を通して、今まで以上に世界中の人たちとコミュニケーションを取れるようになったり、会社や学校などでの英語力を認められるきっかけになったりなど、皆さんにとっていいことがたくさんあるはずです。
また、コロナ禍でステイホームの時間が増えている今だからこそ、英検の学習をして自己投資するのも素敵ですよね。
各レベルの違いや難易度もありますが、合格する自分をイメージしながら楽しく対策していきましょう。
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