コラム&耳寄り情報

アウトプットの為の継続的なインプット (学而不思則罔、 思而不学則殆)

今日から6月です。
早いもので今年もこれで半分が経過するわけですね。

最近、PJの文法関係のまとめをしているのですが、ひょんなことから漢文にハマってしまいました。

意外と知られてないことですが、日本語って言語学的には孤立言語で文法・単語など他の海外で似ていたり共通するものが少ない言語です。

一方、オランダ語と英語だったりスゥエーデン語と英語でも、ベースとなる単語の多くは同じゲルマン語系で(英語はノルマン・コンクエストの影響でフランス語の語彙もかなり入ってますが)かなり似てるし、文法自体も似ている。なので、北欧の人やオランダの人は基本、もともと似ている自分たちの単語を英語に置き換えるとそれで大体会話が出来てしまう。(羨ましいですね)

これは、スペイン語とポルトガル語やイタリア語(どちらもラテン語系なのでゆっくり話せば大体通じる)でも似た関係があります。

残念ながら日本語はどの言語とも隔絶した孤立言語です。
しかも語彙(単語)は、様々な場所から古代に日本にやってきた人達が交じり合って出来た大和言葉に加えて、今日紹介する漢文のように、奈良時代前後に中国語の語彙もかなり入ってきている。そして、近代になると西欧から入ってきた単語がそのままカタカナになったり・・・。オリジナルの文法に加えて、単語が世界中から入り交じっている、外国人が学ぶには、かなり難易度が高い言語です。

しいて、文法的に近いとするとトルコ語などのように基本文型がSOVになっているくらい。
なので、トルコ人が頑張って日本語の単語をマスターしたら比較的会話はできちゃうのかもしれませんね。

私が漢文に興味をもったのは、もともと漢文の文法構造が結構英語と似ているからということもありますが、純粋に色んな哲学書や思想家の本を読んでるうちに巡り巡って、漢文に手を出してしまったことです。

確かに学生時代、漢文は好きじゃなかったけどレ点や返り点をつけて読みましたよね。漢文の文法は英語と近くてSV(O)がベースなので、英語と同じように主語から探していくとあとは、漢字で文意を想像したら発音を除くと大体想像できてしまう。

実際、江戸時代の頃はオランダ語などは漢文の読み下しと同じようにレ点とか返り点つけてたみたいです。
はじめて日本人で英語を学んだジョン万次郎のメモを見ていると、

How   do you do,    Sir.
 いかが ごきげんレ  あなたさま ようござるか

 I   am  sorry to  hear   that  your    Grandfather     is    sick.
わたくしは きのどくにおもふレ  ことをレ  きくニ  その あなたが 祖父(ぢぢさま)の あると一 レ  やまひで

となってます。
なんか、漢文学習のメモみたいでした(笑)。

さて、話はさておき今日のポイントはいつまでも学ぼうってこと。

新しい仕事を始めたりするとき、あるいは、学生時代でもそうですが学校に入学してはじめの1学期は頑張ります。
仕事も、新しいことを学ばないといけないのではじめの半年、1年って色々と新しいことを吸収します。

この作業は頭に詰め込んでいく作業ですからインプットですよね。
ところが、人は慣れてくると今持ってるインプットだけで何とかなるレベルまで来ちゃうとそこで止まってしまいます。

一方、スポーツ選手とかってどうでしょう?
試合というアウトプットの場があるわけですが、常に試合前に練習を積み重ねますよね。
つまり、常にインプット(練習)を続けながら、定期的にやってくるアウトプット(試合)に備えるわけです。

私たち社会人は意識しないと常にアウトプットだけになってしまう。
でも、スポーツ選手に置き換えると分かりますが、練習しないで試合だけでてる選手って・・・多分、強くないですよね。
私たちも一緒です。

この漢文は有名な孔子の一節ですが、奥深いのはインプットの大事さを書いている一方で、インプットだけやっててもダメだよ、と言ってること。

子曰、学而不思則罔、 思而不学則殆。
(学びて思わざれば、則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば、則ち殆(あやう)し)

勉強しても考えなければ暗い。
一方、考えても勉強しなければ危ない。

脳のことを脳筋といったりします。
筋肉と一緒で、適度な栄養と運動で鍛えることができるからでしょう。

栄養ばかりで全然鍛錬しないと、肥満体になります。
学ぶことは脳への栄養補給。思考することは運動です。

両方のバランスが大事なことを諌めてるのがなかなか意義深いですが、
私たち社会人の多くは、一般的にアウトプット重視し過ぎな傾向にあるのでインプットが足りないことが多いと思います。

仕事上英語の勉強も大事だけど、全然違うジャンルの本を読むことで異なる脳の部位を刺激したりすると、遠回りですが、巡り巡って自分の中身を深めてくれたりします。

私も実際、漢文を学ぶことを通じてもちろん古代の人間の知恵を吸収するというインプットにもなりますが、意外かもしれないけど、英語との文法の共通性を見つけることで英語の勉強にもなったりしました。

今の時代、取り敢えずスキルという形で勉強する人が多くてそれが行き過ぎてTOEICのスコアマニア、資格マニアになってしまって、本末転倒なことがありますがやはり社会人としての本当のスキルは総合力。実学としての語学力はITスキルは大事だけど、その上に覆いかぶさる教養だったり知識は毎日ちょっとずつでも本を読んだりしながら積み重ねていきたいところですね。

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