ちょうど、みんなにタイムリーネタと思って探していて元ネタを
思い出しました。
どの会社か忘れましたが既存顧客調査で商品価格が高いか安いかを
調べるために、自社で販売しているコーヒーについてアンケートを取ったそうです。
例えば、このコーヒー400円だと高いですか?
「高いです」
じゃ、250円なら高いですか?
「少し高いです」
100円なら?
「安いです」
なんてマーケティングリサーチ担当者が大勢からインタビューを取って
間の150円で販売したところ、全然売れなかったとか。
ところが、400円にしたところ(丁度スタバくらいの値段)とても沢山売れた。
じゃあ、そのマーケティングリサーチではお客様の声を取らなかったかというと
ちゃんと紙で取っていた。そのデータに基づいて値段設定したところが売れなかったんですね。
もう一つ有名な話でどこかのお店で結婚指輪をなかなか売れないということで
10万円のものを2万円に値下げしたそうです。ところが、そうしたら全く売れなくなってしまった。
で、ある日、スタッフが間違って20万円に値札を変えたらスゴく売れちゃった・・・・。
多分、お店でははじめ売れないことを「高いからだ」と思ったから
値下げしたんだけど、お客様の本音は「安すぎるものを人生一回の指輪に買いたくない」という
気持ちがあったんでしょうね。
同じことはスマフォなどでも言えます。
日本のスマフォはとにかく機能だけで見ればスゴイ。何でもできちゃう。
それはどうしてかというと、フォーカスグループとか作って大勢のお客様から声を吸い上げる。
そして、リサーチをした結果、あの機能、この機能と潜在顧客からデータを集めて
吸い取った結果それを反映したものです。
一方、iPhoneはどうでしょう?
Suicaにすら対応してないですよね。
多分、あれはスティーブ・ジョブズが「これだ」と思って作った。
でも、あれだけ売れてしまった。
それはアップルはインタビューの声じゃなくて
本当に「Cool!」と思うだろう潜在的なお客様のニオイに応えた開発をしたからでしょう。
だから、逆に無駄な機能は付けなかった。
同じことはお客様の声にも言えると思います。
どうしても、聞こえてくる声で一番大きいのはやっぱり一番声が大きい人の声です。
つまり、ちゃんと主張できる人だということですね。
(もちろん、ビジネスでは大事なことなんですけどね)
ちょうど、私が香港に行った時そう思いましたが、エスカレーターを
並ぶ人も少ないし、あまり道も譲らない。お店では店員を大きな声で呼んじゃう。
向こうは結果として、声の大きい人から優先されちゃうから仕方ないです。
ところが、日本では逆に世の中の大多数の人は
そんなことはあまりしませんよね。
つまり、多数派はあまり本音を声として出さないことが多いと思います。
で、私達として意識しておくべきはどの声だろう、となると数も多い
こちらの方が比重が高いと思うわけです。
だから、本当に良いサービスをしようと思ってお客様の声を吸い取ろうとした時
大事なことは大きな声を聞くことじゃなくて、小さかったり聞こえない声だったりすることも沢山あるます。
ただ、あまり声としては聞こえてこない。だから、それは普段から私達が現場でニオイを感じることが
必要なんじゃないかと思うわけです。
皆さんも現場にいるとどうしても声の大きさ順で動くことが大きいと思うけど
(これは仕方ないですけどね)、時々、声じゃなくてニオイを感じるクセを付けるようにしていきましょう。