社内レポートなんかでよく「残りは後日に・・・」と書くことが多いと思いますが、
人間って「どうせやるならちゃんとしたい」と思うクセがあるので、それを理由にして
やらなかったり、先送りしてしまう傾向があるそうです。
例えば、
・ どうせ掃除するならちゃんとやりたいから今日じゃなくて明日やろう(といって、結局明日もやらない)
・ ちゃんとした本(レポート、文章なんでもいいです)を書きたいから時間があるときにやろう(といって、やらなかったり中途半端になる)
・ 英語をはじめるなら時間ができてからやった方がいい。今は仕事が忙しいから落ち着いてからはじめよう(といって、何年も経過している)
これは、まさに人間の習性を反映した行動です。
有名な話ですが、サッカーのJリーグを日本で始めようとした時。
ちょうど、あの時代はまだまだ野球の方が人気があって、日本もヨーロッパや南米のようにサッカーリーグを
始めようとした時ですが、理事会では
「そんなものは時期尚早だ。日本にはまだまだプロのサッカーリーグなんか早い」
という意見が多数派だったそうです。
ところが、そんな意見に対して、川淵チェアマンが、
「いま、時期尚早だという人は、100年たってもなお時期尚早というでしょう」
と言い放って強引に進めたそうです。
これは、完璧主義を目指すがあまり、結果として何も前に進まない時によくあります。
(実際は、完璧主義じゃなくてやらないための自分向けの言い訳になっちゃうことが多いですけどね)
この話はさておいて、作業を途中の仕掛りの状態で終えてしまうのって
実はとても効率がよくありません。
ハイラム・スミスという時間管理で有名な方がいますが、この人曰く、
作業を一度やっていて、途中で中断した場合、その作業に再び戻って再開する場合はその回復するのにかかる時間は、
はじめに作業をしかけてそのままやりきってしまうのに対して、はるかにかかるそうです。
実は、私もこの朝礼の作業をしている時、途中で小腹がすいたのでヨーグルトを冷蔵庫に
取りに行くか悩んだんですが、多分、ここでヨーグルトを食べて作業を一時中断していたら今日の朝礼のテーマを
作成するのにあと、15分~20分余分にかかってたかも、とこの事実を知って思いました(笑)。
じゃあどうすると良いか、なんですが、答えは「完璧主義を追い出すこと」だと
私個人的には思っています。
ちゃんとやりたいという気持ちがあるのは良いことですが、それよりは、
誤字脱字があってもいいから、まずは形にしてリリースしちゃうことです。もちろん、お客様向けのものは
そうはいかないですが、社内向けのものなんかはそれでOKです。
最近のパソコンのアプリなんかを考えてみてください。
完璧なアプリを作ることをエンジニアが考えていたら、いつまでたってもリリースできませんよね。
そんなことをしているうちに、他の会社が似たようなものをリリースしてさっさとシェアを取ってしまうかもしれません。
それよりは、ベータ版として先に発表して、ユーザーを集めて利用してもらって
問題が出てきたらそれをフィードバックしてもらって、より良くしていく。この方が実ははるかに時間的にも
効率的です。
私達の仕事も(特に社内向けのもの)はこのスタイルのほうが良いかなと思いまして今日は書いてみました。