そう思ってもなかなかできるものじゃないですよね。
私も、年次での会社・個人・家庭のテーマを作ってそれを月ごとに落としこんで、さらに
日次で皆さんと同じように手帳に書いて毎日作業をやるようにしています。
ですが、そこまでやっても、やっぱり遅れることがあります。
また、自由が丘が開校してその後しばらく体験レッスンを何度かやることがありませんが、
「あのことはこのお客様にはお伝えしておくべきだった」と思うことが毎回あります。
あるいは、「あの電話はかけておくべきだった」「あのメールは昨日出しておくべきだった」と思うことは日々の業務の中でも多々あると思います。
ところが、人はその瞬間そう思っても意外とそこから次に活かすことができない生き物です。
なぜならやるとき(言う時)に必要となる勇気や自律の気持ちにはとってもエネルギーがいりますが、
やらない方は、何もしないだけなので楽です。
(英語ではこれをexpediency(least resistance) factorといいます)
一方、そこまで思ってやってみてもうまくいかない時はいかないし、
うまくいったとしても、やらなかった時との差はわかるわけじゃないので結果的に
やらない方に人間のモチベーションが働いてしまうわけです。
これは朝起きた時すぐ顔を洗って歯を磨いて目を覚ますか、
それとも、もう30分寝ちゃおうと布団に戻るかの時の葛藤と非常に似ています。
やった時は、「今日の自分は早起き出来た!」と嬉しいですよね。一方、布団に戻った時はその瞬間は
眠れて気持ちいいですが、あとで後悔します。でも、その瞬間はエネルギーのかかる起きることより寝ることのほうが楽ですからね。
やるかやらないか、言うか言わないかについて、
その大きな差を私が個人的に感じることがつい先日ありました。
このケースはとっても、差があることを実感した珍しいケースですので
少し、ご紹介してみたいと思います。
今、別件で何人かの国内外の本の著者にアプローチをしています。
私達が新しくはじめる本Laboというサービスで、ちょっとニッチはテーマの本で私がこれは翻訳する価値がある、
と思える本をピックアップして、その著者に翻訳・出版について許可を得ようとコンタクトを取っています。
1人目はアメリカ人の著者。
私の方で手紙と提案書を作成し、それを昨年末に郵送。
その後、何度かアプローチしましたが今のところ残念ながら本人とは連絡が取れてないです。
もう1人目は日本人の著者。
もう、80歳手前になる方ですが、この方の本は本人がお元気なうちに何とか
この人の本を英訳化してみたいと思っていました。
ただ、今日のテーマと同じで1月はアメリカ人の著者のことがあったので、
自分の中でも、
「ま、こちらの返信待ちだしもう少し経ってからやろう」
とか、
「なんかサイト見てたら講演とかでお忙しそうだし」
と、いろいろ作業しない言い訳をしかけてしまったんですが、
もう年の方ですからお会いできる時にお会いできるチャンスがあるなら会わないと、きっと後悔する。
今じゃなきゃ、と思い立って手紙を30分で一気に書いて2月後半の金曜日に郵送しました。
その後も、電話するかしないか悩んだんですが、
「もし、秘書が冷たかったらどうしよう」
とか
「40にもなって一応社長にもなって、なんで自分が新入社員の時じゃないし今更、コールドコールわざわざしなきゃいけないんだろう」
とか言い訳をしてしまいましたが、先送りしても得るものはありません。
仮に秘書に冷たくされても別に自分が何か失うわけでもないし、やってみるか、と思い切って一度、電話かけてみました。
はじめは、かなりいぶかしがられてご本人はいません、と言われました。
ただ、懲りずに
「次は、いつオフィスにいらっしゃるでしょうか?」
「お昼休みはいつ終わりますか?」
「ご出張からいつお戻りでしょうか?」
「◯◯様にも私の事お伝え下さい」
「先ほど、メールをお送りしました。是非、◯◯様にご転送ください。」
と何度かやってると、秘書の方も多分少し私に情が移ってきてくれたのでしょうか。
ある日、もう何度もかけて駄目だし、諦めるか、、、、とすごく悩んでたんですが、最後の電話だと思った上でかけてみたらなんと、秘書の方は私のことをご本人にお伝えした上で、書斎の秘密の電話番号を教えてもらいました。
そして、勇気を出してそのお電話をかけてみたら・・・・。
やっと、ご本人とつながって長々とお話することができました。
ここで、自分の思っていること、自分の熱意を素直に伝えてみました。
さらにすごい偶然で、私が提案したことと同じようなことを今、考えているところだったそうです。
また、その後、信じられないくらいご丁重なお手紙を頂戴しました。
私も人生で何度か、こちらからアプローチをしたことがありますが、こうした丁重なご返事を頂戴出来たのは
2回めのことでした。(1度目はお断りのお手紙だったのですが、本当に丁寧な心あたたまるお手紙でした。その方はその数カ月後亡くなったのですが・・・。)
ということで、今月、ついにご本人とお会いします。
これって、どこか1箇所でもやらなかったら、
あるいは、先送りしたら、、、言わなかったら、、、、どうでしょう。
何もなかったドラマなんです。
実は、秘書の方に何度も電話してたのでそろそろしつこくて失礼かもしれないし、
多分、「外出中」がたて続くのはやんわりとお断りなんだろう、と勝手に思って最後の電話をかけるか悩んだんです。
ですが、「ええい、ままよ」って思ってかけてみたら、その時、書斎の番号を教えていただけたのです。
もし、あの電話をかけなかったら、、、、と思うと
かけた時に得たものと、かけなかった時の結果の差はすごく大きいですよね。
このケースはたまたまその差をまざまざと感じることができたわけですが、
日々のお客様とのコミュニケーションや、1本電話・メールをするかしないか、といったところでも
実は気づかないうちにやってる人とやってない人、言っている人と言ってない人の間で見えない大きな差がついています。
もちろん、そうしたことをたくさんする時、また、言う時には結果として時々
うまくいかなくて一瞬、後悔することもあるかもしれないです。また、嫌な思いをすることもあります。
そして、時には傷つくこともあります。
でも、それ以上にうまくいったドラマや、かけがいのない思いをする機会ははるかに多いものです。
これがBig Payoffです。
私は、たまたまこの件でこの事を久しぶりにすごく痛感しましたが、
多分皆さんのほうが小さいながらこのことを実感するチャンスは日々の業務の中で私よりはるかに多いと思います。
是非、自分の中で
「今日じゃなくていいよ」
「今回はいいや。次からにしよう。」
と囁きの声が聞こえてきたらこの声に逆らってみてやってみましょう。
きっと、何回かやると「やってよかった」と思うことが増えるはずです!