今、ちょうど12月ということもあり普段の月よりも
作業関係の業務に時間が取れますので、マニュアル・ツール類の見直しをしています。
また、何人か協力してもらって実際のマニュアル等に書かれたフローに
基づいたレベルチェックやフィードバックを行えているかも実際の、音声で録音し知識として共有できるように
していく準備をやっています。
なんでこういうことをしているかというと、人間には一般的に
自分が得意と思っていること、苦手と思っていることがありますが、実際に仕事の現場にいると
得手不得手で仕事の選り好みができるわけでもありません。もちろん、得意な業務になるべくフォーカスすることもありますけど、
当然、誰もがやらないと行けないことってありますよね。
そこで、例えばレベルチェックの業務をより標準化することで
誰でもそこそこの結果を出せる(これを「再現性」といいます)ようにすることが目的です。
学生時代を思い出してほしいんですけど、得意科目、苦手科目って
あったと思います。
私なんかだと世界史・日本史や地理は大の得意科目でしたが、
英語と数学が中学時代は苦手科目でした。私、中学を一度、中退してますが実はその理由の一つは
あまりに一学期目の英語と数学の成績が悪かったから。(逆に地理は一番でしたけど。他にも理由がありますが。)。
でも、数学がすごく苦手だからといってアメリカの大学院で会計を学んだときは
どうだったかというと、一応、アメリカ人で会計苦手な生徒に教授の代わりに補修授業で何度か教えていました。
じゃ、今、私が会計すごく得意かと言ったらそんなこともないです。
プロじゃないですし、会計事務所に入ったら、多分、役立たずですぐにお荷物になっちゃうでしょう。
でも、まぁ、先生が教えていたことの10割は無理でも8割の大事な部分は把握してる。
実社会では、極める仕事ではない限りはそれでいいんです。今も普通に自社の貸借対照表、損益計算書が読める。
中の問題点が理解できる。それで十分なんです。
実際、社会にでると仕事をする上で、いろんなスキルや知識の総合力が求められますよね。
パソコン、英語、コミュニケーション、日本語の話し方(書き方)、その他もろもろのビジネススキル、、、。
何か一つだけのスキルが突出して、後が全然ダメな人もいるし中にはその突出したスキルが
ノーベル賞をとっちゃうような人もいます。でも、私達のような大多数の普通の人は普通に仕事をしてくわけで、
今の自分にとっては苦手と思ってることもやらないといけないわけです。
そんな時、必ずベンチマーク(参考になる)人が身近なところにいたりします。
あるいは、だれでもそこそこの結果が出るようになるために作られたマニュアルなどがあります。
それを使うとどうかって言うと、苦手な人でもその仕事が得意な人と全く同じ結果を
100%同じレベルで再現することは難しいですけど、8割とか、7割位の結果って出るもんです。
でも、実際にはなかなか出ていないことがあります。
じゃ、なんで出ないかって言うとはじめから、
「自分は、○○なタイプでXXな仕事は苦手だから(嫌いだから)」
と決め込んじゃって、そもそもやってないことがほとんどかなと思います。
私にとってはIT分野がそうでした。
だから、いつもPC関係何か問題があるとプロに見てもらってましたが真似していくうちにプロの人と同じと
まではいかないけど、その人の7割位のことはできるんじゃないかなと思います。
で、その7割ができるだけで私のような一般ユーザーにとってはこれで十分なんです。
残りの難解な3割のことが起きた時にはもちろん、プロに頼みます。
じゃあ、その7割、8割までいくコツは何でしょう?
それは、能力ではなく「素直さ」だと思います。
素直にそのことが得意な人に聞いてみる。あるいは、こっそりの場合は真似する。
そして、そうした人のスキルの蓄積をまとめた書籍やマニュアルを何度も読んで、まず、やってみる。
これだと思います。
でも、実は普通の人は「それは自分の得意なことじゃないし」と思った瞬間から
無意識のうちに、真似したりあるいは、書かれたとおりにやることを拒否してしまって、
これまた無意識のうちに自分の独自のスタイルを作ってしまうものです。
もちろん、イチローのような天才肌の人はそれもありかもしれないけど、
普通にしていく時には、当然、その独自スタイルだと良くてもベストパフォーマンスの
5割出るか出ないかだと思います。なぜなら、ベストパフォーマンスというのは様々な失敗から学んで
「これが、現状ベストだ」というものの集積に至るだけの失敗を様々な角度から試行錯誤したものであるのに対して、
独自スタイルというのは、試行錯誤ではなく自分の心地良いやり方のまま同じことを繰り返しただけのものだからです。
スポーツでも茶道でも独自にやってくとこの5割位のところで壁にあたってしまいます。
そうならないように、ちゃんとこの分野で結果があるプロの真似をしていけば、試合や嗜みで楽しんだりできるレベルには
なれるわけですね。
今日の言葉はこれから新しい業務を覚える人にも当てはまりますし、あるいは、
業務に慣れてしまっていて、独自スタイルになりきってる人にも当てはまるかと思います。
私もアラフォーの手習いで今月からイラストレータとフォトショップのスクールに
通うことにしました。それはなんでかというと、まさに独学ではデザイナーとのやりとりに耐えうるレベルに
自分が行かないことがわかったから。これには、残念ながらお金がかかります。
でも、仕事はマニュアルや同僚がいますからタダで盗み放題ですね。