英語で書いてしまいましたが日本語では
「天は自ら助くる者を助く」
といいますね。
多分、学生時代にこの言葉は習ったと思います。
ちょうど、年末年始の読み物を皆さんに渡しましたがあの本は
英語版がありませんでしたので、Jackieには自分が今まで読んだ本の中でも
特に役立つ本を、ということで、時々この朝礼でも紹介しているサミュエルスマイルズの
自助論(英語版では、”Self-Help”)をプレゼントしました。
この言葉は、自助論の冒頭に書かれていることなのですが、
この格言が世界中の多くの哲学者、偉人の言葉の中にほぼ共通して残ってきたのは
この短い言葉の中に人間の数限りない経験から導かれた一つの真理なのでしょう。
外部からの援助はどうしても人を甘えさせてしまいます。
自分で自分を助けようとする精神こそ、人をいつまでも健康に、そして、元気づけてくれます。
初めは人のため、と思って援助の手を差し伸べてもそれは長期的には
相手の自立の気持ちを失わさせます。もちろん、努力などで覆せないような
ハンディキャップを生まれつき持っている人を守ることは当たり前ですよ。
この言葉は決して「自分さえよければよい」ということを意味しているわけじゃなくて、
「個人が独立してはじめて、組織や共同体、あるいは国家も独立できる」ということです。
チームに貢献したい、と思うからこそまずはチームワークじゃなくて
自分自身が一人の個人として独立し、人に頼らずむしろ助けられるようになる。
そして、すぐに人に頼りすぎない、ということを心掛けているとおのずとほんとに困ったときには
助けられますし、逆に、本当に困ってる人を手伝うようになりますよね。
逆に普段から他人や組織にだけ頼ってると、本当に困ったときに
助けてもらえなくなっちゃいます。だからこそ、まずは「自助」なんでしょう。
この本は明治期のミリオンセラーです。
あの時代に識字率がほぼ100%だったこと自体びっくりですが、多くの人が
この考え方に共感できたからこそ、日本人一人一人が精神的に自立してなんでもお上に頼らず、
自分が当事者となれたことで、強い国家を当時あれほど短期間につくることに成功したのでしょうね。