顧客志向と顧客満足度
今朝、購読しているメルマガにあったテーマでふと、面白かったので紹介します。
よく「顧客志向」が大事、ということを私も言ったりしていますがそれはいわゆる「お客様は神様です」ということわざとは少し異なるかなと思います。
お客様の声にかぎらず人の声は移ろいやすいものです。
昨日、打ち合わせをしている時にも似た話が出たのですが、例えば社外取締役制度があって、直接業務執行にかかわらない人が役員としてたくさんいて意見を役員会で言ってくれたとします。
もちろん、そうした役員の人は会社のことを一応考えて色々言ってくれると思いますが、その声をすべて受けて事業をすることが会社にとっていいか、というのはケースバイケースだと思います。
というのは、一つはやっぱり他人ごと。
死ぬまでここで頑張ろうと思う人みたいに24時間365日考えるわけじゃないから、ついつい、思いつきでの意見もあるでしょう。準備しないで会議に参加していて、とりあえず適当に言っちゃってることもあるかもしれない。お恥ずかしながら、私自身、以前別の会社で社外役員だった時、今みたいに真剣に考えて意見を言っていた自信は正直ありません。
もちろん、そうした中にずっと社内にいて気づかなかった視点からの意見があってとても助かることもあるかもしれませんけどね。
同じようにお客様の声も似てるかなと思います。
もし、顧客志向という綺麗な言葉どおりサービスを作ったり価格を設定するとどうなるでしょう?
採算割れでもいいから安いサービスを欲しいということになるかもしれませんね。
でも、原価割れしたら結局、誰か別の人が損をして安くしているということになります。
それは、皆さんの給料かもしれないし、あるいは、株主が資本を食いつぶしているのかもしれない。
私達も価格設定はかなり良心的というかギリギリやっていますが、これ以上下げてください、となると、それは「私たちの給料を下げて、将来のお客様たちへの投資も止めて今の自分に一番いいものをだして」ということと裏返しになっちゃうこともあるかもしれないわけです。もちろん、消費者の立場になったときにそこまで考えることってあまりないですけど、あまりに外食でも安いと普通の感覚だったら「なんかヤバイ食材使ってるんじゃないのかな」なんて不安になりますよね。ただ、サービスは見えないものですから意外と忘れてしまいがちです。
もちろん、企業努力として製造原価を下げる努力をして多くの方に買ってもらう努力をする、ということも大事ではあるけど、時と場合によっては、そこは、自分たちのやっていることに価値を見出して自信をもって「これ以上下げるということは、私たちのサービスの質を落とすということです!」と堂々と説明することも大事な時があります。
あるいは、私たちのレッスン。
お客様の気持ちとしては、楽して上達したいでしょうね。
ダイエットだって同じ。消費者の立場にたてば、労少なく益多くしたい。
だから、そういうキャッチコピーのものが売れちゃうんでしょうね。
あるいは、しっかりとやれば成果が出るとしても
もし、使わなかったら・・・・。成果が出ないですよね。
結果、一見顧客志向という名のもとに何もかも迎合してしまって結果として、結果が出なかったら却って、顧客満足度が下がっちゃうリスクも有るわけです。
ついつい、こういうわかり易い言葉って疑いなく自分の常識にしてしまいますが、時と場合によっては別の視点から考えてみる必要がありますね。
顧客志向と顧客満足度
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