誠実さは、言葉を持たない。それは言葉にならないものである。
誠実さは、その人の瞳と、ものごしの中に読み取ることができる。(ケマル・アタテュルク)
今、ちょうどイスタンブールは大変ですが、近代トルコの建国の父、ケマル・アタテュルクの言葉です。この人、写真を見てもらったらわかりますが写真からして眼力があります。
私が高校生の時、世界史といえば先生の話は全然聞かずに資料集を見ながら、様々な国の興亡を地図を見ながらいろいろと妄想したりしたものんです。今もあまり変わらないですが(笑)。
あまり今は話題にならないトルコという国ですが、かつては、オスマン・トルコ帝国として
ヨーロッパ、北アフリカ、中東を支配する大帝国で全盛期には今のオーストリアのウィーン手前まで領土にして東ローマ帝国とほぼ同じ領域を支配するほどの国でした。
ウィーンが陥落していたら、今頃は東ヨーロッパはもとより西ヨーロッパもイスラムになってたかもしれませんね。
それだけの強国だった大帝国も徐々に衰退します。
この歴史を見ていると、どんな国も伸びる時期もあれば衰退する時期もあるんだと思います。
オスマン帝国はその衰退期が300年近く続き、その頃からヨーロッパが大航海時代や産業革命を経て力関係が逆転します。
そのまま第一次大戦にはドイツ側について参戦し、オスマン帝国は敗退します。
ただ、衰えたといえど腐ってもオスマン帝国は大国。想像以上に、イギリス、フランス相手にトルコは善戦します。
その時の、前線指揮官だったのがこのケマル・アタテュルク。イギリスなどは、イスタンブール手前のガリポリ要塞を攻略しようとしますが、最後の最後までトルコ軍の要塞を崩すことができませんでした。この時の指揮官がケマル・パシャ(当時の名前)。で、イギリス側は後の首相のチャーチルが海軍大臣でしたがこの件の責任をとって、辞任してます。
ただ、同盟国側が敗戦したことでトルコも同様に連合国に降伏します。
これがキッカケで、今の中東が分裂したりヨーロッパでもバルカン半島が落ち着かなくなるわけです(まぁ、もともと不安定な地域ですが)。そして、トルコ本国も連合国が進駐し、国家解体の危機に面したのですが、この時に再び立ち上がって、ギリシャ軍はじめとした連合軍に対してケマル・アタテュルクが指揮したトルコ軍は敗戦国だったにもかかわらず、進駐してきた連合軍と戦い撃退し、追い出します。こういうのを見てると思いますが、やっぱり、負けても諦めちゃダメです。
だから、トルコは敗戦国にも関わらずかなり良い条件で再度、連合国と講和します。
これが、ローザンヌ条約。もともと、締結していたセーヴル条約ではほぼ国が4つくらいに分裂させられる内容だったことを考えると奇跡的に好条件で再度条約を締結しなおした。この頃には、フランスやイギリスも国内経済が大変でトルコに進駐する余力がなく、そのタイミングで交渉できたのも大きかった。
その後、トルコはイスラム国家だったにも関わらず、社会体制など大いに変革し石油など資源も少ない国にも関わらず、あの地域では引続き大国の地位を維持しています。一節では、ケマルは幕末から明治期の日本にトルコ復活のヒントを見出していて、執務室には明治天皇の肖像画を飾っていたそうです。トルコが親日国家なのは、こうした経緯もあるのでしょうね。
また、ケマルという人は、基本すごく寡黙な人でそんなに話し上手じゃなかったそうです。
ただ、有言実行で必ず自分の果たす役割を放棄せずに最後まで徹底的に行なった。でも、少々無骨なところがあったようです。
一方、こうした有言実行の人はその行動を実行できる性格は徐々に顔に出てきますよね。
私が19世紀~20世紀初頭の人間で好きなのは、日本人では大久保利通。
この人は、同様に寡黙な人ですがケマル・パシャ同様に意思の強さが顔に出てます。
私たちの仕事も、話し方から振舞い方まである程度第一印象をどう見せるかということについてはテクニックがたくさんありますが、最後に体から見えるオーラのようなものというのは、その人の生き方や振舞い方が時間をかけてその人の顔や物腰に染み出てくるのかもしれません。
惜しかったのは、トルコは最後、オスマン家の皇帝が何もできなくてやむを得ずケマルが共和革命をしてしまいましたので、オスマン帝国の皇室は、今もニューヨークに亡命中です。そう考えると日本というのは、どんなに大変な時期でも昔からの良さも残しつつ、かつ、うちから自発的に変わっていけるという珍しくラッキーな国だなぁと思います。
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