壊れ窓理論とGood Enough Point
このトピックはひょっとするとみんなには、「そうだ!」って
すぐに腑に落ちにくいかもしれないけど、私たちのようなサービス業界にいると
結構、両方共意識しておかないといけない(そして共に相反する)考え方。
まず、壊れ窓。
今どきそんなことはないけど、昔って結構廃墟ビルみたいなのがあって、
そこは窓が割れていました。で、窓が一つ割れると、それが二つ、三つとなって悪い奴らが
たむろする場所になる。ニューヨークのジュリアーニ市長は、ニューヨークにとっての壊れ窓だった地下鉄の治安の悪さを
徹底的に犯罪者を厳しく罰して追い出すことで、逆に、皆が安心して移動する地下鉄という手段を回復しました。
きっと、昔は地下鉄も安心だったのが、どこかで小さな壊れ窓が発生したけど、それを放置したことで、
大きな綻びとなったのでしょうね。
そんな比喩ですが、私たちにとっての壊れ窓って何でしょう?
細かな話ですけど、ちょっとした、スクールの備品のほころびや、掃除が漏れて出てしまった
小さなホコリや水洗い場の小さな赤かび。あるいは、私たちが意識しないでついつい口から出てしまった
軽~い一言(でも、相手には悪印象の)。
お客様ってそんなところに一度目が行ってしまうと、他の何が素晴らしくても
その小さな悪い壊れ窓が頭から離れない。だから気をつけましょう、というのが壊れ窓。
たとえば、超一流ホテルでどれだけ顧客対応やハードが完璧でも、もし、赤ん坊のゴキブリを見てしまったら
多分、そこには二度と行きませんよね。
壊れ窓理論ってのは、ここだけは絶対に満点じゃないといけないという事には
常に全力でやっていこうということ。
一方で仕事には、Good Enough Pointってのも重要です。
これは、「質も大事なんだけど、ココらへんで止めて前に進んだほうがいい」ポイントのこと。
例えば、私の場合だったらメルマガを配信することがあります。
もちろん、読み手の方に役立つ英語の表現を伝えることがメルマガの一つの目的ですので、
英語表現に間違いがないか。この点については必ず何度と精査をします。なぜなら、英会話スクールで
英語文法のミスを書いたら、読み手の人の印象は一気に下がり他がどれだけ良くてもアウトですよね。
これは、壊れ窓(そうは言っても、お恥ずかしながらミスがあります)。
一方で、メルマガでもたまに誤字脱字をしてしまったりということもありますが、
私はここはおおらかにしています。何故なら、読み手の人が期待しているのは毎週金曜日に欠かさずに
届くこと(配信の信頼性)であって、編集員を別途雇って一字一句間違いないか確認することで、配信頻度が
1ヶ月に1度になってしまうと、逆効果だからです。逆にそこで浮いた自分の時間は、何か他にお客様のために使ったほうが
いいと思うわけです。これがGood Enough Point。
マクドナルドにとっての壊れ窓は、注文を貰ったのに待たせること。
何故ならマクドナルドに来るお客様にとっての期待は、すぐに食べられることもそのひとつだからです。
一方で、これはマクドナルドに失礼かもしれませんが、味はそこそこ美味しければいい。
何故なら、マクドナルドに来るお客様にとっての味の期待値は値段相応でいいからです。
これがGood Enough Point(マクドナルドの名誉のため、私はマクドナルドの味は大好きですけど)。
皆さんの仕事だとどうでしょう?
掃除を確実に行う。
お客様に連絡する時に必ずお名前や漢字を間違わない。
お客様へのカウンセリングは、しっかりと受講履歴を確認し高い質の会話を行う。
これらは、一つでもミスがあると壊れ窓になっちゃうのでミスらないこと。
一方で、
私の方からお願いしている社内向けの作業を行う
社内で回覧するドキュメントは多少細かなミスがあっても、まずは、やること
といったことは、逆に多少ミスがあっても、まずは、質より量が大事なことだったりしますので、
どんどんやっていく。これは、Good Enough Pointを見極めて、スピード重視のことです。
仕事をする時は、「ここはミスったら一気にマイナス評価になる」って思うことは
絶対にひとつひとつのことを大事にし、その一方で、「ここは、質よりスピード重視だ」ということは
しゃきしゃきっとやってしまう。それがミソです。
壊れ窓理論とGood Enough Point
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