敬天愛人
(西郷隆盛)
今日の言葉は直接仕事にはつながらないかもしれないけど、
知っておくと良い言葉なので紹介しました。どっちかというと、教養のために紹介しました。
敬天愛人って言葉自体は、ちょっと前の日本人なら多分
みんな知ってるくらいに有名な言葉。上野公園でお馴染みの西郷隆盛の遺訓
(南洲翁遺訓)にある言葉です。
皆さんにこの言葉を知ってもらったからといって何か、というわけじゃ
ないのですが、私が意外だったのは先日、近所の氷川神社に行った時にもらった
今月の言葉だったこと。
西郷さんファンって日本には根強いですが、形式的には西郷さんは
日本政府(明治政府)に西南戦争で弓を引いて反乱軍の首領の汚名を着て亡くなったことから
靖国神社にも祀られてないですし、それだけに、東京神社庁でこの言葉を出したのは思ったより日本って
おおらかだなと思いました。死んじゃえば皆仏様の国ですから。
言葉を直訳すると、「天を敬い、天が人々を愛するように人を愛する」
まぁ、今の時代には曖昧であんまり受けが良くないかもしれませんし、本当に、
そこまで、今の日本人全員が愛す価値のある人なんだろうか?なんて、ひねくれて思ったりも
しちゃいます。
ただ、その考え方を持つことは大事ですね。
私は、西郷さんと対局で彼の幼馴染で生涯の友だった大久保利通を
尊敬しています。今でも青山霊園にあるお墓には親族でもないのに月2回はお参りに行くくらいに。
彼は、情の西郷さんと比べると理の人でしたので、かなり非常な判断も
沢山行なってます。今の日本人じゃ出来ないでしょうが、清(中国)の政府をハッタリで恫喝したり。
最後は、最大の友人の西郷を殺す結果にもなったわけですが、それも、個人の友情ではなく
日本の為、という非情な判断だったのでしょう。
その大久保利通と匹敵する才能と言われた村田新八も同様に理の人でしたが、
結局、彼は明治政府につかず情の人、西郷に殉じます。
西郷、大久保、村田ともに皆薩摩藩の武士。
特に武術に関しては、多分、当時の薩摩の兵士の訓練度は半端無く、
強さは尋常ではなく、恐らく世界最強でしょう。
ただ、武士がいくら強くても国家間の戦いでは結局、国民全員が一体に
ならないと勝てない。ということで、明治政府軍は徴兵制をしき、農民主体の兵士たちでした。
どうも、西郷、村田あたりははじめから死ぬことを理解して、
農民兵主体の明治政府軍を戦争を通じて鍛えると同時に、少しずつ慢心と奢りが出始めていた
明治政府に喝を入れることも兼ねて敢えて反乱軍の汚名を着た感があります。
実際、今でもこうやって150年以上経過しても西郷さんが好かれて
彼の言葉が伝えられていくのは、日本人のどこかにこういうことを理解する文化的背景が
あるのでしょう。
この感覚って「ずっとずっと頑張り続けてたら相手も気づいてくれる」という
日本人独特の以心伝心のカルチャーと重なります。花咲かじいさんがずっと頑張ってたら意地悪爺さんが
最後は改心するのなんかはその代表ですね。まぁ、相手が日本人だけならこのやり方も
いいのですが、外国人相手だと文化が違いますから難しいところです。
いずれにせよ、うちの会社なんかでもやっぱり、みんなに何かを
伝えたい時には、その前に私も恵美子さんもダイレクトに言ってしまう前に相手に自ら
悟って欲しいので、さり気なく伝えて気づいてほしいなと思ってます。
もちろん、私もそんなに上手じゃないので、ダメな時は最後、ハッキリ伝えますけどね。
この奥ゆかしさは日本人が大事にしたい規範です。
一方で、やはり、海外とかとのやり取り(うちのLPは半分日本化してるからそうでもないですけど)には、
やはり相手と自分たちの考え方や交渉法の違いを理解して、時には強気になることも必要ですね。
それはともかく、この時代の人は偶然なのかやっぱりいい生き方を
してるからか、今の人と比べるとキリッといい顔をしてます。
大久保利通はリンカーンを尊敬してたからか、そんな雰囲気ですが
(か、ルパン三世の次元みたいな)村田新八などは多分、今生きてたら絶対、モテモテ俳優でしょうね。
西郷さんはずっしり構えている雰囲気がこれまたカッコいいです。
西郷さんが好きな人は大久保が嫌いという人が多いですが、
私は、みんな好きですね。情と理、どちらも必要です。
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敬天愛人 (西郷隆盛)
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