ウィリー・ローマン症候群に陥らない
(ダン・ケネディの『No B.S. Ruthless Management of People & Profit』から)
先週からこのダン・ケネディの本を読んで、かなり耳に痛いことも
多く書かれているので、2回目を読んでいます。
本の内容は基本的に経営者の立場で書かれているのですが、その中に、
経営者が陥る病として、「ウィリー・ローマン症候群」というものがあるそうです。
ウィリー・ローマンはアーサー・ミラーの戯曲で、『セールスマンの死」の
主人公の名前。
経営者っていうと、何かすごく立場が強く感じるけど実はとても弱い立場で、
ついつい、部下に好かれることを考えてしまい結果として、それが、部下にとっても経営者にとっても
不幸な結果を招く、というようなことが書かれています。
逆にうまくいく組織っていうのは経営者も従業員もこの弱さに甘えないで、
目先で嫌われることを恐れるのではなく、良い意味での厳しさがあることこそが
お互いのためだ、、みたいな主張です。
これは、私に対する言葉として受け入れた内容ですが、もともと、
ウィリー・ローマン症候群自体は、セールスマンに対して書かれた言葉。
比較的いうことは言うアメリカ人ですらそうなのだから、事を荒立てない
日本人はもっと、この症候群はあてはまるだろうと思います。
確かに私が入院した時、病院の先生は、私が経営者で事業から一日でも遠ざかったら
会社の業績に影響が出ることを考えて、あるいは、入院代も高いし・・・なんて、
私に嫌われることを気にしたら「このまま放っとくと危ないから入院しなさい」とは言えなかったでしょう。
でも、彼はそんなことお構いなしにハッキリ言いました。
医者は命にかかわる仕事だから、嫌われることなんて関係ないから
ちゃんと言えるのでしょう。
でも、社内でのコミュニケーション、あるいは、お客様との対話の中では
ついつい、こういうことを言わないことを良しとしてしまいます。
そうならないためには、嫌われることを恐れないこと。
本当のことを心を込めて言えば、そのほうがほんとうの意味での信頼関係が築けます。
ただし、要注意すべきは、言うからにはそれなりの人格、知識があること。
医者がその言葉を言えば、心に響きますがよくわからない素人に言われたら響かないし、
むしろ腹が立ちますよね。
何も中身の無いのにズバリ言われても、それは単に中身のない強弁になります。
まずは、自分の人格や知識を磨くこと。その中身に基いて、ウィリー・ローマン症候群に
陥らないようになります。
ウィリー・ローマン症候群に陥らない (ダン・ケネディの『No B.S. Ruthless Management of People & Profit』から)
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