わが行く道に茨多しされど命の道は一つ
この外に道なしこの道を行く
(武者小路実篤)
昨日近所の氷川神社に行った時にもらってきた言葉です。
私はあまり文学は読みませんのでこれを機会に武者小路実篤のことも調べて見ました。
かなり昔の方と思っていたら私が生まれた年にはまだご存命だったみたいです。
丁度今日のニュースでアメリカのMFグローバルが破綻したということが飛び込んできました。
もともとゴールドマン系の人達が打倒ゴールドマンで事業をしていたのですが、
最後は顧客の金も使い込んででも高リスクな南欧諸国の債権にレバレッジ(負債の梃子)を
効かせて買っていたものの、昨今の欧州債券安で破綻したそうです。
私も証券会社が長かったのですが、昔の古き良き時代と異なって
証券会社に限らず企業も個人も経営者も従業員も多くが、自分・自社のことしか考えない時代になりました。
それは日本だけでなく世界中が衣食足りて礼節を知らなくなってしまって、言葉の表面上は
自由とか民主主義とかキレイな言葉を使いつつも、その実は過度な利己主義に陥ったからな気がします。
昔を全肯定する気もないですが、社員同士の助け合い。
社員に限らずサプライヤーや顧客との良好な関係が、安定した持続的な発展を生み出した時代は
まだまだ先進国も今と比べたら貧しく、みんなが協力しあって豊かになろうというインセンティブがあったのでしょう。
戦後から昭和後期の日本や、ヘンリー・フォードが出てきた頃のアメリカはそうした気持ちが残っていたと思います。
それが、ある程度発展するとその膨らんだパイをがっつり先に取ってしまう方が短期的には
儲かってしまう。当然、ミクロでは正しいけどマクロでは誰かが実は損をしている(合成の誤謬と言います)。そんな時代になりました。
色々学術的な説明はつきますが、それがうまく行かなくなってきたのが、
世界全般的な今の経済危機の本質だと思います。(その辺りは自分のブログにまとめました⇒http://shunsukeoyama.com/blog/)
少しずつ日本人も気づき始めたと思いますが、まだまだ、こうした
偽善と利己主義(表面上は個人主義に置き換えていますが)、そして、権利の主張と義務の放棄という
流れは続きますが、bは世の流れに反しているかもしれないけど少し懐古的かもしれない
協調・利他の精神と、偽善に陥らず時には現実と理想の葛藤も素直に受け入れながら
やっていくのが長い目で見るとイイことじゃないかなと思います。
そんな意味で、流行らない経営スタイルだけどいつかこうした考え方が
日本でもアメリカでもヨーロッパでも他の国でももう一回、思い出して持続的な発展が
出来るようになるかしれません。
短期的にこうしたコツコツやるやり方は、目立たないから短いスパンでの
利益は少なくその間はイバラの道も多いかもしれないけど頑張って行きましょう。
わが行く道に茨多しされど命の道は一つ この外に道なしこの道を行く (武者小路実篤)
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