Last Defense at Troubled Reactors: 50 Japanese Workers(原子炉に立ち向かう最後のとりで:50人の日本人たち)

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現在、福島第一・第二原子力発電所のニュースは日本国内のみならず世界から注視されています。日々、原子力関連のニュースは状況が変わり地震当初の被災者の方々に対する気持ちを忘れてしまってしまうことがあることもないでしょうか。

 

改めて今起きていることは、決して東北、関東だけの問題ではないということを思い出したい。そして、こうして今でもFacebookやTwitterを使ったり食料がないと言ったり、そして、停電などで普通の生活じゃないことに対して苛立ったりしてしまっていること。

 

私共のスクールも短期的に外国人講師を一時、出社に及ばずという判断をしました。多くの外国人が関東を出たり日本からの出国が相次いでいます。私共の講師も多くがまだ、東京におりますが、こうした集団心理を私共の努力で無理をして踏みとどめて、怯えながら働いてもらうよりは、よりは判断を自由にすることが落ち着いたときには気持よく働けると思っています。

 

東北が、そして、日本が世界から人とマネーを引き続き集めるだけの魅力を持ち続けることが出来るかは、世界が中止しているFUKUSHIMAを解決できるかです。

 

悲観的なニュースが日々発表されますが、東京にいる私達に出来ることは限られています。せめて、現場で戦っている皆様を信じて日本人として今出来ることを小さくてもする、もしくは、こうして戦っている人たちの足を引っ張らないことが大事だと思います。

 

今日の記事は、ニューヨーク・タイムズに掲載された”Last Defense at Troubled Reactors: 50 Japanese Workers”、邦題としては、「原子炉に立ち向かう最後のとりで:50人の日本人たち」という記事です。

 

日本人が悲観的になる一方で、世界は日本人が必ずやこの問題を解決できると信じていると思う内容の記事です。
現在、福島第一の状況は逼迫していて記事で紹介されているこの50名の方も危険なことから最終的には撤収しておりますが、こうして、損得勘定なしに命をかけてくれている人たちがいることを理解して私達も頑張りたいと思います。

 

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Last Defense at Troubled Reactors: 50 Japanese Workers(原子炉に立ち向かう最後のとりで:50人の日本人たち)

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A small crew of technicians, braving radiation and fire, became the only people remaining at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station on Tuesday ― and perhaps Japan’s last chance of preventing a broader nuclear catastrophe.

放射線と火事に対して勇敢に立ち向かっている僅かな作業員達が現在、福島第一原子力発電所に唯一残っている人々だ。そして、恐らく広範囲に及ぶ核の大惨事を止めうる最後のとりでとなっている。
その後、記事は現在の現場の状況を伝えています。
作業員達が人工呼吸器や酸素タンクを背負って完全防護をして突入していく様を。

※prevent: 防ぐ

※catastrophe: 悲劇、大惨事

 

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They are the faceless 50, the unnamed operators who stayed behind. They have volunteered, or been assigned, to pump seawater on dangerously exposed nuclear fuel, already thought to be partly melting and spewing radioactive material, to prevent full meltdowns that could throw thousands of tons of radioactive dust high into the air and imperil millions of their compatriots.

彼らは顔も名前も明らかにされていない現地に残った50人の作業員だ。これらの50名は志願した者、任命を受けた者達で危険な状況まで露出した核燃料―既に融解していて核物質をまき散らしている―に対して海水を投下し、何とか最悪の事態である完全なメルトダウンが何ゼントンもの放射性物質を空中に撒き散らし数百万人の日本人同胞の生命に危険を及ぼさないよう、事態を防ごうとしている。 

 

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The workers are being asked to make escalating ― and perhaps existential ― sacrifices that so far are being only implicitly acknowledged: Japan’s Health Ministry said Tuesday it was raising the legal limit on the amount of radiation to which each worker could be exposed, to 250 millisieverts from 100 millisieverts, five times the maximum exposure permitted for American nuclear plant workers.

この作業員たちは暗黙の了解で更なる自己犠牲をすることを求められている。日本の厚生労働相は火曜日に作業員達がさらされる放射線量を従来の100ミリシーベルトから250ミリシーベルトに変更した。これはアメリカにおける原子力発電所勤務者の5倍になる。
その後、記事はどのようにこうした作業員の我が身を省みぬ献身や更に自発的に原発の事態沈静化の為に現場へ向かうことを志願する人々がいること、また、東京電力はこうした人々がどのような人達なのかについては公表していないと紹介しています。

※expose: さらす(be exposed:さらされる) 

※permit: 許す、許容する(permitted: 許容される)

 

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The few details Tokyo Electric has made available paint a dire picture. Five workers have died since the quake and 22 more have been injured for various reasons, while two are missing.  Eleven workers were injured in a hydrogen explosion at reactor No. 3.

東京電力が公開したいくつかの事実からでも、かなり逼迫した状況を想像することが出来る。既に5人の作業員が震災以降命を落とし、更に22名が様々な理由で負傷している、更にその一方で2名は行方不明という事実だ。11名の作業員は第三号機の水素爆発で怪我をしている。

 

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Nuclear reactor operators say that their profession is typified by the same kind of esprit de corps found among firefighters and elite military units. Lunchroom conversations at reactors frequently turn to what operators would do in a severe emergency.

原子力発電所で働く作業員には、消防員やエリート軍人に見られるようなチームスピリットに代表される職業倫理観がある。

※esprit de corps: (フランス語)チームスピリット

 

The consensus is always that they would warn their families to flee before staying at their posts to the end, said Michael Friedlander, a former senior operator at three American power plants for a total of 13 years.

米国の原発で13年上級作業員として働いていたMichael Friedlauderは、こうした作業員に共通することは、作業員たちは家族に自分達の任務が完了するまでは対比するように伝えることが常である、と言っている。

 

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“You’re certainly worried about the health and safety of your family, but you have an obligation to stay at the facility,” he said. “There is a sense of loyalty and camaraderie when you’ve trained with guys, you’ve done shifts with them for years.”

家族の健康や安全を心配を心配するのは当然だが、作業員は現場にとどまる義務がある、とMiichaelは伝えている。こうしたロイヤリティや仲間意識というものは一緒にトレーニングを受けたりシフトを数年こなすにつれて自然と身につくものだ。

※camaraderie: 仲間意識 

 

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Adding to this natural bonding, jobs in Japan confer identity, command loyalty and inspire a particularly fervent kind of dedication. Economic straits have chipped away at the hallowed idea of lifetime employment for many Japanese, but the workplace remains a potent source of community. Mr. Friedlander said that he had no doubt that in an identical accident in the United States, 50 volunteers could be found to stay behind after everyone else evacuated from an extremely hazardous environment. But Japanese are raised to believe that individuals sacrifice for the good of the group.

この自然と培われる連帯感に加えて、日本における職場はアイデンティティを提供し、忠誠心や熱心な献身性を醸成する。現在の経済状況によりこうした終身雇用の考え方は多くの日本人の間でなくなりつつあるが、職場は今でもコミュニティの提供者だ。Friedlander氏は仮に米国で同じ状況が起きれば、日本と同様に50名のボランティアが集まり他の人々を逃がした後奮闘するだろう、と伝えている。更に日本人は国民性として、集団の利益の為に自己の犠牲行うことを美徳とするように育っている。

※confer: 運ぶ

※dedication: 献身

※sacrifice: (自分を)犠牲にする 

 

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The reactor operators face extraordinary risks. Tokyo Electric evacuated 750 emergency staff members from the stricken plant on Tuesday, leaving only about 50, when radiation levels soared.

原子炉で働く作業員たちは非常に高いリスクにさらされている。東京電力では放射線のレベルが急上昇したとき、750名の緊急作業員を火曜日に撤退させ、50名のみを残した。

 

その後、記事では第一原発は現時点ではチェルノブイリになる可能性は低い。また、当時チェルノブイリでも作業員たちは現場に残り、多くの作業員が亡くなったことや助かった作業員も多くがその後放射線の影響で白血病などで苦しんだことを紹介しています。
また、第二、第四の爆発により現場にはかなりの放射線が漏れていることや現場作業員が何とか状況を沈静化させるため努力しているが、建物内にはかなりの放射線が残っていることを伝えています。

 

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The site is now so contaminated with radiation, experts say, that it has become difficult for employees to work near the reactors for extended periods of time. Workers would be cycled in and out of the worst-hit parts of the plant. In some cases, when dealing with a task in a highly radioactive area of the plant, workers might line up and handle the task only for minutes at a time before passing off to the next worker.

専門家によれば、現場は放射線で非常に汚染されているため、作業員達が原子炉の近くで長期間の作業を行うことがない。作業員たちは現在交代で原発内の最もひどいエリアに入って作業を行なっている。いくつかのケースではこのように原発内で放射能で汚染されているエリアで作業をする場合は、次の作業員に交代するまでの時間が1分しかない。

 

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Tokyo Electric has refused to release the names or any other information about the 50 workers who stayed behind, nor have utility executives said anything about how they are being relieved as they become tired or ill.

東京電力ではこの50名の残った作業員たちの氏名を公表していないし、彼らがもし疲労や病気になってしまった場合どのように回復させるかもコメントを避けている。
その後チェルノブイリ原発の際のソ連での軍隊の召集状況や対応を記事では紹介しています。

 

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To clean up the Chernobyl site after the accident, the Soviet Union conscripted workers in proportion to the size of each of its republics, and developed a system to limit their exposure.

チェルノブイリ事故の後、ソ連では各共和国の規模に応じて作業員を召集し彼らが放射能にさらされる量を制限しながら対処を行った。

 

“They sent up to 600,000 people in to clean up the radioactive debris around the plant and build a sarcophagus,” said Dr. John Boice, an author of the study, a professor of medicine at Vanderbilt University. The workers were sent into contaminated zones for limited periods.

ソ連では600,000人を現地に集めて発電所近辺の放射能残骸を回収し、石棺をつくったとVanderbild大学のDr. John Boiceを語った。作業員たちは汚染エリアに限られた時間派遣された。
記事はチェルノブイリ事故の事後処理を紹介して終わっています。

 

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記事の翻訳を行っているうちにも、日々刻々と状況は変わりました。この50名の方々も今では退避し、自衛隊機による空中からの作業も一旦中断、そして、17日現在、開始されています。
また、通常時の作業員の多くが下請企業の方々であることなど多くの問題もインターネット上で指摘されているのも事実です。

 

しかしながら、そうした事は別として、こうして残った人々が損得勘定でなく自己犠牲の精神で現地に踏みとどまって生命を危険にさらして戦われていることは疑いのない事実です。

 

私達が出来ることは限られています。中途半端なボランティアはかえって現地に混乱をまねきかねません。今出来ることは一人一人が少ないことかもしれませんが、復興にあたり出来ること、若しくは現地に迷惑をかけないような心持ちでのぞむことが大事だと思います。

 

私共のスクールの外国人講師も多くが海外のメディアからの情報を収拾していますが、現状は日本で報道される以上に厳しい現実を報道しています。一旦、業務再開したときに彼らが業務中に恐怖で手が震えているのを見て、私共も無理をして働かすことは会社にとっても良くないと判断しました。

 

いずれにせよ、日本国内でも中途半端な報道を行うよりは、今回の記事のようなことも報道するほうが国民の協力を得られるのではと思いながら締めくくらせていただきます。

 

おわりに:この記事は、日本人が元気を取り戻し前に向かって歩むために掲載しておりますが、直接記事本文の掲載を許可を得てはおりませんので、必要に応じ
て掲載を外す可能性もございます。しかしながら、一人でも多くの日本人がこの記事を読んで自信と誇りを再認識し、震災から復興し日本健在を一日でも早くア
ピール出来るよう心から祈って掲載しております。また、翻訳内容なども記事の意図を伝えると時間を優先しているため、正確な訳というよりは意訳に近くしています旨、ご了承ください。

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