こんにちは!エリコッティーノです。
デパートの食品売り場が女性で華やぐ甘い季節がやって参りましたね。
皆さま、バレンタインの予定はお決まりになりましたか?
今回は、バレンタインの夜に大好きな人と一緒に観て頂きたいと思いまして、
とってもHappyな気分になれる恋愛映画の古典的作品、
“It happened one night”(「或る夜の出来事」(1934))”をご紹介したいと思い ます!!
本作は現代まで数多く作られたラブコメディの原点でもあり、
30年代ハリウッド映画の重要なジャンルのひとつ“Screwball comedy”の
頂点とも言われている作品です。
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☆Screwball‥野球における変化球の意味。転じて「風変わりな人」という意味で 使われる言葉。
Screwball comedyは1930年代~1940年代にかけてハリウッドで流行したロマン チック・コメディで
風変わりな男女がドタバタ劇を繰り返し、恋に落ちるというストーリーが特徴的 です。
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ストーリーはいたってシンプル。
名うてのプレイボーイとの婚約を銀行家の父親に反対されたエリー(クローデッ ト・コルベール)は
父親のヨットに監禁されるも、なんとか脱出し、マイアミから夜行バスで婚約者 のいる
NYへ向かいます。そこで失業中の新聞記者ピーター(クラーク・ゲーブル)に出会います。
最初はお互い反発し合うものの、旅の紆余曲折を経て、やがて惹かれ合っていく のですが…
偶然の出会いから喧嘩で二人の関係がスタートするという
後に数々のラブコメディで使われるシナリオですが、
この映画の時代を感じさせない面白さは、脚本と旅の道中で繰り広げられる
二人の会話にあるのです♪
★ヒッチハイクのシーン
旅の途中でヒッチハイクをしなければならなくなった二人。
ピーターは世間知らずのエリーに「俺はヒッチハイクの本を書けるくらいだ」と
得意げに数種類のヒッチハイクのコツを披露します。
すると向こうから一台の車がやってきて…
Ellie “Here comes a car.”
(車が来たわよ)
Peter “Okay, now watch me. I’m gonna use number one. Keep your eye on that thumb, baby,
and see what happens.”
(よし、見てろ。まず一番目の手を使おう。君の目をこの親指に釘付けに して、
何が起こるか見てろよ)
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☆keep an eye on
~から目を離さない、~から注意の目をそらさない、の意味です。
ex: I have to go to the restroom. Will you keep an eye on my bag for me?
(トイレに行ってくるわ。ちょっとかばんを見ていてもらえるかしら?)
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Ellie “Well, when you get to a hundred, wake me up.”
(そうね、百番目になったら起こしてちょうだい)
しかし車は一向に止まらず…
Ellie “Do you mind if I try?”
(私が試してもいいかしら?)
Peter“You? Don’t make me laugh.”
(君が?笑わせるなよ)
Ellie “Oh, you’re such a smart alec. Nobody knows anything but you. I’ll stop a car and I won’t use my thumb.”
(あら、失礼なひとね。私にだってできるわ。親指を使わずに車を止めてみせる わよ)
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☆smart aleck…
生意気な男性、自信過剰の知ったかぶりをする人を表現する際に使われます。
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Peter “What are you gonna do? ”
(どうするつもりだ?)
Ellie “It’s system all my own.”
(全部私のやり方でね)
ピーターが何度試しても行き交う車は素通りするばかりでしたが‥
エリーがロングスカートを膝上までたくし上げた瞬間、一台の車が急停止!
二人は無事ヒッチハイクに成功します。
その後の車内での二人の会話は‥‥
Ellie “Aren’t you gonna give me a little credit?”
(少しは私を信用してくれるかしら?)
Peter “What for?”
(何でだよ?)
Ellie “Well, I proved once and for all that the limb is mighter than the thumb.”
(だって脚の方が親指より強いって証明したもの)
Peter “Why didn’t you take off all your clothes? You could have stopped forty cars.”
(君の服を全部脱いだらどうだい?40台の車を止められるだろうね)
Elley “Oh, I’ll remember that when we need forty cars.”
(あら、私たちに40台の車が必要になった時は思い出すわ)
このシーンでは世間知らずのお嬢様でも、世知に長けた男性より
いざという時に現実を直視できるという真理を面白おかしく描いています。
★“ジェリコの壁”のシーン
ある晩、モーテルの同じ部屋で過ごすことになった二人。
警戒するエリーに向かってピーターは部屋の真ん中にロープを吊るして
毛布で仕切りを作り…
Peter “Behold the Walls of Jericho.”
(見てみろ、ジェリコの壁だ)
“uh, maybe not as thick as the ones that Joshua blew down with his trumpet.”
(ヨシュアがラッパで崩した壁ほど厚くはないがね)
“but a lot safer.You see uh, I have no trumpet.”
(でも安全だ。俺はトランペットを持っていない。)
ちなみに“Walls of Jericho”=「ジェリコの壁」とは旧約聖書に書かれている
世界最古の町ジェリコの城壁のことなんです。
また聖書の故事で“絶対崩れないもの”の喩えでもあります。
モーセの後継者ヨシュアが主の言葉に従い角笛を吹いた時、ジェリコの壁が崩れ たことから
ピーターをこれを引用して、遠回しに「絶対に襲ったりしないよ!」とエリーに 伝えたわけです。
…なんてウィットに富んだジェントルマンなんでしょう!
(※ちなみにこの有名なシーンはアニメ「エヴァンゲリオン」でも引用されてい ましたよ)
この映画では当時の時代背景もあり、二人が結ばれるシーンは一切描かれないの ですが、
最後にトランペットのファンファーレとともに
「ジェリコの壁」=「二人を隔てていた毛布」が下ろされるという演出で幕を閉 じるのです。
このラストシーンはとってもロマンチックで素敵です♪
更に本作はアカデミー賞主要5部門(作品賞・主演女優賞・主演男優賞・監督賞・脚色賞)を
受賞した最初の作品で、歴史的な大ヒットを記録し、映画史に残る重要な作品となったのです!
また有名なシーンはリメイクされ続け、ダスティン・ホフマンの「卒業」でも有名な
結婚式で花嫁が新郎を残して好きな男性のもとへ走る…というシーンも本作から派生しました。
この作品の5年後、主演のクラーク•ゲーブルはこれまた恋愛映画の金字塔「風と共に去りぬ」で
レット・;バトラーを演じ、とんでもなく気の強いスカーレット・オハラ嬢をお相手 に奮闘しています。
こちらのゲーブルは更に男臭さが増していて素敵です!
今年のバレンタインは古典的恋愛映画でクラシックに酔いしれてみてはいかがで しょうか?
それでは皆さま、また次回お会いしましょう☆
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